第1章 小児の身体発育と精神発達

1、小児の身体発育
1、乳幼児・・・一日あたりの体重の増加は出生三ヶ月まで25~30g、3~6ヶ月になると15~20gになる。体重は生後3ヶ月で出生時の2倍、生後1年で3倍になる。頭位は出生時は成人の60%だが1年後には80%になる。乳歯は6~7ヶ月ごろ生え始める。

2、幼児期(1~5歳)・・・体重は2~2歳半で出生時の4倍、3歳半~4歳で5倍になり、身長は4歳前半で出生時の2倍になる。乳歯は3歳ぐらいまでに上下10本づつ、合計20本。永久歯は6~7歳ごろ生え始める。

3、学童期(6~12歳)・・・後半には第二発育急進期を迎え、女子が男子より2、3年早く迎え、第二次性徴期を迎える

4、思春期(12~18歳)・・・性に関するさまざまな問題がみられる

2、小児の精神発達
乳幼児期は精神発達・運動機能などの神経系の発達が顕著な時期であり、3~4歳までにその80%が形づくられ、8才ぐらいには90%近くが定着する。
<乳幼児期の精神発達の特徴>
・発達の速度が速い
・環境の影響を受けやすい
・情緒に左右されやすい
・個人差が大きい
・遊びを通じて心身のさまざまな能力を発揮できる
・人格形成の基礎を養う
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第2章 小児期の栄養と食物摂取

1、小児栄養の概要

1、栄養・食生活の注意点
①小児期の栄養は発育に強く影響し、その後のライフステージにも影響を及ぼすので、過不足なく栄養を摂取することが必要
②小児は各発達段階に応じて、栄養素要求量が異なる
③小児は発育上の必要性から、良質のたんぱく質が必要
④小児は食物の自己選択が出来ない。また、生理機能や食物摂取機能が未熟なため、乳汁や離乳食などの食物、調理形態、摂取方法などに充分配慮が求められる。
⑤小児は抵抗力が弱く、病気にかかりやすい
⑥望ましい食行動や食習慣の確立期。小児は食習慣の形成途中であり、偏食・食欲不振・過食や拒食などの摂食の問題を起こしやすい。この時期に正しい食習慣を獲得することが非常に重要。適切な援助や指導のあり方が求められる。

2、エネルギー・栄養量
小児は成人に比べて単位体重あたりの基礎代謝量・発育・発達や活動に要するエネルギーの割合が非常に高い
たんぱく質やビタミン・無機質の単位体重あたりの摂取量も同様に多くなっている

2、小児の食物摂取機能の発達
・新生児・・・吸啜(きゅうてつ)反射行動(すいつき行動)
・5~6ヶ月(離乳期)・・・どろどろした粥状のものが飲み込めるようになり、6ヶ月で上下の唇が閉じられる(嚥下の上達)
・7~8ヶ月・・・舌が上下に動くようになり前歯が萌出する
・11ヶ月・・・上下の歯茎でつぶして離乳食を咀嚼出来るようになる
・1歳~1歳半・・・第一乳臼歯(すりつぶす機能を持つ歯)が生える
・3歳・・・乳歯は上下10本づつ

食物摂取機能の主な発達項目

①消化吸収機能
②食物の認識機能
③食欲及び味覚・臭覚などの感覚
④食嗜好(好き・嫌い)などの感情
⑤食行動(食べる動作)と食習慣
⑥食事をともにとる社会性
⑦食べ物に関する科学的知識



3、小児の消化吸収機能の発達
■口腔
・乳歯の萌出は6~7ヶ月ごろ始まり、3歳で20本生え揃う
・6~7歳で永久歯が生え始める
■胃
・胃酸には細菌繁殖抑制作用と殺菌作用がある
・乳児の胃は筒状で細長い
・乳児は胃の入り口(噴門)や出口(幽門)が未発達
・乳幼児期は、凝乳酵素の「レンニン」が分泌され、乳汁に含まれるカゼインを凝固させる
■小腸
・十二指腸・空腸・回腸の3つに区分される
・膵液・胆汁・腸液が分泌されて、食物は酵素の働きで分解・吸収される
・腸管内は絨毛が無数に出ており、それが表面積を広げ、栄養素が吸収されやすくなっている
・膜消化も行っている
・主要な栄養素のほとんどが小腸で吸収される
■大腸
・消化機能はほとんど持たず、水分の吸収が主である
■肝臓
・胆汁が作られており、脂肪の吸収を助ける
・解毒作用、造血作用などの機能を持つ
・小児の肝臓内では未発達
■すい臓
・膵液を十二指腸に分泌し、脂肪・たんぱく質の消化を助ける
・ランゲルハンス島からインスリンとグルカゴンを分泌する
インスリン・・・血糖値を下げる
グルカゴン・・・血糖値を上げる(グリコーゲンをブドウ糖に変える)

<主な消化液>
■唾液・・・糖質分解酵素(プチアリン)
■胃液・・・たんぱく質分解酵素(ペプシン)
■膵液・・・たんぱく質分解酵素(トリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプシターゼ)
       糖質分解酵素(膵アミラーゼ(アミロペプシン))
       脂肪分解酵素(膵リパーゼ(ステアプシン))
■腸液・・・たんぱく質分解酵素(アミノペプチターゼ、ジペプチターゼ)
       糖質分解酵素・・・マルターゼ、ラクターゼ、スクラーゼ
    

第3章 栄養素の種類とその働き(1)

1、五大栄養素の働き

■三大栄養素
糖質・・・エネルギー源となる
脂質・・・エネルギー源となる
たんぱく質・・・身体の組織を構成する(エネルギー源となる身体の機能を調整する)
■五大栄養素
上記の三つに加え
無機質・・・身体の組織を構成する(身体の機能を調整する)
ビタミン・・・身体の機能を調整する
■その他
水・・・身体の組織を構成する

2、糖質
1、糖質の種類

単糖類(分子1)・・・ブドウ糖・果糖・ガラクトース
少糖類(分子2~10)・・・ショ糖・麦芽糖・乳糖
多糖類(多数の分子で構成)・・・でんぷん、デキストリン、グリコーゲン


■単糖類
①ブドウ糖(グルコース)
穀類・ハチミツ・果実・野菜に含まれる
甘みを持ち、ショ糖・乳糖・麦芽糖・でんぷん・セルロースなどを構成する
血液中に0.1%含まれる重要なエネルギー源
②果糖(フルクトース)
果物やハチミツに含まれ、糖類の中で最も甘みが強い
ブドウ糖と共にショ糖を構成する(ブドウ糖+果糖=ショ糖)
③ガラクトース
単独では存在せず、ブドウ糖と結合して乳糖を構成する(ブドウ糖+ガラクトース=乳糖)
乳糖として母乳に含まれ、脳や神経組織の構成成分となる
乳幼児の大脳の発育に重要な働きをする

■少糖類(オリゴ糖)(分子2~10)・・・ショ糖・麦芽糖・乳糖
ほとんどが二糖類
①ショ糖(スクロース)
果糖とブドウ糖が結合した二糖類
砂糖の主成分
②麦芽糖(マルトース)
ブドウ糖が2つ結合した二糖類
水あめの主成分で便秘に効果的
③乳糖(ラクトース)
ブドウ糖とガラクトースが結合した二糖類
水に溶けにくく、甘みは少ない
乳汁の重要な成分で母乳に5~7%、牛乳で4%含まれる。
乳児の脳神経組織の構成成分となる
乳酸菌を発育促進させて、整腸作用に役立ち、カルシウムの吸収を促進する

■多糖類(多数の分子で構成)・・・でんぷん、デキストリン、グリコーゲン
甘みはなし
①でんぷん
多数のブドウ糖が結合したもの
穀類・豆類・イモ類の主成分
でんぷんはアミロースとアミロペクチンからなる。
・アミロース・・・直鎖状にブドウ糖が結合。粘着性なし
・アミロペクチン・・・ブドウ糖が枝分かれして結合。粘着性あり
②デキストリン
でんぷんより分子量が小さく、水に溶けて強い粘着性を出す
③グリコーゲン
ブドウ糖が多数結合したもので、肝臓や筋肉に貯蔵されている糖質。
体内でブドウ糖が不足すると、グルカゴンによってブドウ糖に分解され血液が維持される。

覚えよう!αでんぷんとβでんぷん
αでんぷん・・・でんぷんが加熱して糊状になったもの。消化されやすく味もよい。急速に冷却あるいは乾燥させることによってα状態が保てる
βでんぷん・・・生のままのでんぷん。αでんぷんを水分を含んだまま放置するとβでんぷんになる


2、糖質の消化吸収
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3、糖質の働き
エネルギー源や身体組織成分となる
糖質の体内分解にはビタミンB1、B2、パントテン酸が必要になる。
血液中に乳酸がたまると疲れやすくなる
糖質を過剰摂取するとビタミンB1が不足する

4、食物繊維・難消化性糖類
■食物繊維の生理作用
・大腸がんの予防
・便秘の予防
・血糖値の上昇抑制、糖尿病予防
・血中コレステロール値の上昇抑制や正常化、動脈硬化予防
・肥満防止
・有害物質(食用色素など)の吸収を阻害

■食物繊維の種類
①水溶性食物繊維・・・血糖値・血中コレステロール値の上昇抑制、腸内環境の正常化
・ペクチン(果物)
・グルコマンナン(こんにゃくいも)
・アルギン酸(海草)
②不燃性食物繊維・・・整腸作用、唾液分泌量の増加、満腹感の維持
・セルロース(繊維素。ブドウ糖が結合したもの)
・リグニン
・キチン
・キトサン

■難消化性糖類
糖アルコールや難消化性オリゴ糖など
消化されずに大腸に達した後、腸内細菌の働きで発酵し代謝される

3、脂質
1、糖質の種類

単純脂質・・・脂肪・ロウ
複合脂質・・・脂肪にリン酸や糖が結合したもの
誘導脂質・・・脂肪酸やコレステロールなど脂質の分解物


■単純脂質・・・代表的なものは中性脂肪
①脂肪酸
・飽和脂肪酸・・・過剰摂取すると肝臓でコレステロール形成を促進し、血中LDLコレステロール濃度が上昇(動物性の脂)
・不飽和脂肪酸・・・常温で液体。酸化しやすい。(植物性の脂)

■複合脂質・・・リン脂質・糖脂質
①リン脂質・・主なもの「レシチンとケファリン」
レシチンは細胞膜の構成成分で、脂肪の乳化を促す。マヨネーズやマーガリンに利用される
②糖脂質・・・動物の脳に含まれる。神経系の作用を活発化させる

■誘導脂質・・・脂肪溶媒に溶け、水に溶けない
①コレステロール・・・細胞膜や性ホルモンの成分として必要な物質で、体内では肝臓で合成される。血液中のLDLコレステロールが140以上になると動脈硬化を引き起こしやすくなる。LDLコレステロールが低いと脳卒中の原因となる。
HDLコレステロール・・・善玉コレステロール(末梢組織の余計なコレステロールを肝臓へ運ぶ)
LDLコレステロール・・・悪玉コレステロール(肝臓で生成されたコレステロールを各組織に運ぶ)
②エルゴステロール・・・酵母・菌類に多く含まれる植物性コレステロール。紫外線によってビタミンD2に変化する

2、脂質の消化吸収
食物中の脂肪は膵液中の脂肪分解酵素「ステアプシン」によって分解され、小腸の腸壁から吸収される。脂肪は水に溶けないので胆汁酸が乳化させ、消化吸収されやすくする。脂肪は必要に応じて燃焼しエネルギーになるが、体内の糖質が不足した形で過剰摂取すると、尿中の脂質が増加したり(ケトン尿症)血液が酸化(ケトン血症)をもたらす危険性がある。

3、脂質の働き
脂肪は1g約9kcalの高カロリー物質。わが国では1日の総エネルギーの20%以上30%未満(成人)を目標としている
①エネルギー源となる
②貯蔵脂肪となる
③必須脂肪酸源である
④脂溶性ビタミンの吸収源となる
■必須脂肪酸・・・リノール酸・リノレン酸・アラキドン酸
体内で合成されず、食物から取る必要がある。欠乏すると小児の発育を遅らせ、皮膚炎・湿疹を起こす。ただし必要な量は一日数gなので極度の偏食でなければ不足することはない。多くは天然の植物油の中に含まれる

4、脂質の必要量と過不足
脂肪を過剰に取ると、消化機能の障害を起こし、マグネシウムの吸収を妨げる。動物性脂肪を取りすぎると動脈硬化や高血圧の誘引になる。不足すると発育障害や抵抗力の低下に繋がる

飽和脂肪酸:一価不飽和脂肪酸:多価不飽和脂肪酸の摂取割合は3:4:3である。
■多価不飽和脂肪酸の中の必須脂肪酸
・n-6系脂肪酸・・・リノール酸・アラキドン酸
・n-3系脂肪酸・・・αリノレン酸・エイコサペンタエン酸(EPA)・ドコサヘキサエン酸(DHA)
n-6系:n-3系の割合は4:1が望ましい

第4章 栄養素の種類とその働き(2)

1、たんぱく質
たんぱく質の科学組織

炭素・水素・酸素・窒素を含む化合物で、20種のアミノ酸が多数結合した高分子物質である。イオウやリンも少量含む


■たんぱく質の種類
①単純たんぱく質
・アルブミン・・・動植物の細胞や体液中に含まれる
・グロブリン・・・上に同じ
・グルテリン・・・穀物に含まれる
・プロラミン・・・穀類やとうもろこしに含まれる
・アルプミノイド・・・動物の皮膚・骨・毛髪に含まれる
②複合たんぱく質
・核たんぱく質・・・単純たんぱく質と核酸が結合したもの
・リンたんぱく質・・・単純たんぱく質とリン酸が結合したもの
・リボたんぱく質・・・単純たんぱく質とリン脂酸が結合したもの
・糖たんぱく質・・・単純たんぱく質と糖質が結合したもの
③誘導たんぱく質(たんぱく質を加熱したり、酸や酵素を加えて変形させたもの)
・変形たんぱく質(第一誘導たんぱく質)・・・コラーゲンの変化したゼラチン、グロブリンを分解したアルブミンなど
・分解たんぱく質・・・たんぱく質が加水分解したもの

■たんぱく質の消化吸収
胃液・・・ペプシン
膵液・・・トリプシン、キモトリプシン、エラスターゼ、カルボキシベペプチターゼ
腸液・・・エレプシン

■たんぱく質の働き
身体に含まれるたんぱく質は平均15%で、そのうち60%は内臓、赤血球の細胞内にあり、残りの40%は細胞外にある。
①身体を構成する(構成素としての役割)
②エネルギー源となる(アミノ酸を分解して熱量素となり、エネルギーを作る)
③酵素・ホルモン・免疫体を作る
④体液を弱アルカリ性に保つ

■たんぱく質の栄養価
たんぱく質の栄養価は構成するアミノ酸によって決まる。
・必須アミノ酸(必ず必要なもの)を多く含む食品
ロイシン・・・卵、肉、えび、麩、魚、大豆
イソロイシン・・・牛乳、卵、肉、肝臓
パリン・・・牛乳、肉、小麦、卵
スレオニン・・・卵、牛乳、肉、魚
フェニルアラニン+チロシン・・・ごま、卵、さつまいも、大豆
メチオニン+シスチン・・・牛乳、卵
トリプトファン・・・牛乳、卵、肉
ヒスチジン・・・魚の血合い部分(1985年必須アミノ酸とされる)

たんぱく質の補足効果
栄養価の劣る食品とたんぱく質を組み合わせて摂取し、お互いに補うこと



2、無機質
1,無機質の種類と作用

■カルシウム
・99%は人体の骨や歯に存在し、その成分となる
・残りの1%は次の生理作用がある
体液のPHを調整し、弱アルカリに保つ
血液の凝固を促進する
筋肉の収縮作用を調整する
神経の興奮を抑制する

ビタミンDはカルシウムの吸収作用を促進する効果がある。
食品中のカルシウムとリンの比率は1:1が最も利用効率が高い



■リン
・体内のリンの80%は、カルシウムと結合して骨や歯を形成する
・酸素の活性化や、リン酸塩として体液バランスを保持する
・糖質・脂質・タンパク質の代謝に関与する
・さまざまな食品に含まれており、不足することはほとんどない
・接種過剰になると胃の機能低下などを起こす

■鉄
・体内の鉄の60~70%が血液の中に存在する
・筋肉中のミオグルビンにあるものは、血液中の酸素を細胞内に入れる働きをする
・不足すると鉄欠乏性貧血を起こす
・乳児は3~4ヶ月で体内の鉄が不足するため、授乳の回数が減る離乳後期から鉄を補給する必要がある
・小児、女性(特に妊産婦・授乳婦)は摂取量を多くとる必要がある

■ナトリウムと塩素
・ナトリウムは塩素と結合して塩化ナトリウムとなり、体液中に含まれる
・体液をアルカリ性に調整する
・水分平衡の維持に関与する
・筋肉の収縮や神経の刺激伝達の際に重要な働きをする
・食塩摂取量は成人男性が一日10g、女性が8g

■カリウム
・細胞中に存在し、細胞内の浸透圧や酸・アルカリの調節に関与する
・筋肉や神経を刺激し、心臓機能の調節をする
・野菜や果物に多く含まれるので欠乏することがない

■その他
ヨード(ヨウソ)・・・発育を促進し基礎代謝を盛んにする
マグネシウム・・・筋肉の刺激性を高め、神経の興奮を抑制する
亜鉛・・・インスリンに含まれる。不足すると味覚障害になる。また乳児で欠乏すると皮膚炎になる
銅・・・酵素の構成成分

2,無機質の働き
①骨や歯の主成分として、骨や歯を構成する
②タンパク質と結合して、筋肉・皮膚・臓器・血液などを構成する
③神経の伝達・呼吸や筋肉の運動・排泄などの身体機能を調整する。体液を弱アルカリ性に保ち、浸透圧の調節を図る

第5章 栄養素の種類とその働き

1、ビタミン

・脂溶性ビタミン・・・ビタミンA、D、K、E
油に溶ける。調理によっては損なわれにくい
・水溶性ビタミン・・・ビタミンB群、C、ナイアシン、葉酸、ビオチン、パントテン酸
水に溶ける、調理によっては損なわれやすい。余剰分は貯蔵されずに尿中に排泄されてしまうので、常時摂取が必要


1、脂溶性ビタミンの種類とその作用
■ビタミンA(レチノール)
・レバー、バター、卵黄、うなぎ、緑黄色野菜などに含まれる
・油脂に解けるが、酸化すると効力を失う
・皮膚や粘膜を保護する、細菌感染に対する抵抗力をつける
◇欠乏症・・・夜盲症・発育障害・皮膚の角質化
◇過剰症・・・頭痛・吐き気・食欲不振・肝臓障害
植物中にビタミンAは存在しない。緑黄色野菜に含まれるカロテンは、体内に入ってからビタミンAになるので「プロビタミンA」と呼ばれる

■ビタミンD(カルシフェロール)
・レバー、卵黄、魚、牛乳、バターなどに含まれる
・カルシウムやリンの吸収作用を助け、歯や骨の形成を促す
◇欠乏症・・・成長期はくる病や発育障害、成人では骨軟化症、骨ソショウ賞
(くる病・・・小児に起きる疾病で骨軟化や成長遅延になる)

■ビタミンE(トコフェロール)
・小麦胚芽油、大豆油、ごま油、落花生、うなぎ、卵黄などに含まれる
・脂肪代謝を円滑にし、血液の循環を盛んにする
・抗酸化作用を持ち、がんや老化の予防になる
・生殖機能の正常化に関与する
◇欠乏症・・・動脈硬化、筋萎縮、溶血性貧血

■ビタミンK(フィロキノン)
・大豆油、卵黄、レバー、緑葉色野菜に含まれる
・血液凝固作用を助ける
・新生児に与えると出血性疾病の予防に効果がある
◇欠乏症・・・血液凝固遅滞、新生児の出血性疾患(新生児メレナ)肝機能障害

2、水溶性ビタミンの種類とその作用
■ビタミンB1(チアミン)
・穀類の胚芽、豆類、卵黄、豚肉、緑黄色野菜に含まれる
・糖質の代謝に関係が深い。胃液の分泌を高める
・貝類、淡水魚、わらび、ぜんまいにはアノイリナーゼ(ビタミンB1分解酵素)が含まれ、ビタミンB1を分解する。この働きは加熱によって抑えることが出来る
◇欠乏症・・・脚気

■ビタミンB2(リボフラビン)
・レバー、牛乳、卵、魚、肉、大豆、緑黄色野菜など動植物に多く含まれる。
・リン酸などと結合して補酵素となり、栄養素の分解・エネルギーの代謝に欠かせない。成長の促進に必要
◇欠乏症・・・口内炎、口唇炎、成長阻害及び停止

■ナイアシン(ニコチン酸+ニコチンアミド)
・レバー、肉、豆類、緑黄色野菜
・必須アミノ酸のトリプトファンから体内でも合成されるため、普通は欠乏しない
◇欠乏症・・・ペラグラ(皮膚炎・下痢・脳神経症状を伴う病気)

■葉酸
・レバー、卵黄、小麦に含まれる
・アミノ酸の生成や血球の再生に必要
・胎児にとって重要な成分
◇欠乏症・・・巨赤芽球性貧血、神経管閉鎖障害(胎児)

■ビタミンC(アスコルビン酸)
・野菜やイモ類、果実、緑茶に含まれる
・加熱により失われるので生食が効果的。切った皮をむいた後酸化されやすいが、酸やレモン汁を加えることで抑制できる
・コラーゲンの生成と維持に関与する
・体内の酸化・還元反応に関与する
・体内で抗酸化剤として機能する
・細菌感染に対する抵抗力を高める
・鉄の吸収率を高める
◇欠乏症・・・皮下出血、骨折、歯の脱落、壊血病(乳幼児の場合はメルレル・パロウ病)
(メルレル・パロウ病・・・骨格形成障害、出血、貧血、発育不良)

ビタミンA欠乏・・・夜盲症・角膜乾燥症
ビタミンB1欠乏・・・脚気
ビタミンB2欠乏・・・口角炎、口唇炎
ナイアシン欠乏・・・ペラグラ
ビタミンC欠乏・・・壊血病
ビタミンD欠乏・・・くる病、骨軟化症
ビタミンE欠乏・・・動脈硬化
葉酸欠乏・・・神経管閉鎖障害(胎児)


2、水の働き
■体内水分量のめやす
胎児・・・80~90%
新生児、乳児・・・70~75%
小児・・・70%以上
成人・・・60%

■1日に必要とする水の量
成人・・・2~3ℓ。年齢が低いほど体重1kgあたりの必要量が多くなり、
乳児・・・120~150ml
幼児・・・90~125ml
学童・・・50~90ml
成人・・・40~70mlとなっている

第6章 栄養素・エネルギーの代謝

1、栄養素の代謝
1、糖質の代謝
糖質の体内分解には多くのビタミンB1が必要になる
2、脂質の代謝
脂肪は水を含まないのでエネルギー密度が高く、体内エネルギーの貯蔵に適している
3、たんぱく質・アミノ酸の代謝
・エネルギーを生み出す
・体たんぱく質を合成する

2、エネルギー代謝
1、エネルギー代謝とは
身体内で食物が燃焼してエネルギーを発生し、そのエネルギーを元に生命活動が行われる一連の過程をエネルギー代謝という
2、エネルギーの単位
キロカロリー(kcal)で表し、これは1kgの純水を1気圧の元で摂氏1度高めるために必要なエネルギーのことを言う。1kcal=1000ml
3、エネルギーの測定法
■直接法・・・人体が発生する熱量を直接捕らえてエネルギーを測定する
■間接法・・・呼吸ガス代謝から間接的に測定する
4、生理的燃焼エネルギー

アトウォーターのエネルギー換算係数
・糖質1gで4kcal
・脂質1gで9kcal
・たんぱく質1gで4kcal


第7章 食事摂取基準 その1

1、栄養素・エネルギーの摂取量
1、食事摂取基準
2005年「食事摂取基準」

見直されたポイント
・増やすべき栄養素・・・食物繊維、n-3系脂肪酸、カルシウム、カリウム
・減らすべき栄養素・・・コレステロール、ナトリウム(食塩)
脂質については5項目「総脂質、飽和脂肪酸、n-3系・n-6系脂肪酸、コレステロールについて目標量を設定)



2、設定指標
■推定エネルギー必要量「EER」
エネルギーの不足リスクおよび過剰リスクが最も少ないと考えられる摂取量
■推定必要量「EAR」
該当する性・年齢の属す50%の人々が必要とされる1日の摂取量(日本人の平均値)
■推奨量「RDA」
該当する性・年齢に属するほとんどの人々が必要量を満たすと推定される1日の摂取量
■目安量「AI」
推定平均必要量や推奨量を肯定する場合に、科学的根拠が得られないときに示されるもので、該当する性・年齢に属する人々が良好な栄養状態を維持するのに十分な量
■目標量[DG」
生活習慣病の一次予防のために、当面目標にすべき摂取量や範囲
■上限量「UL」
該当する性・年齢のほとんどの人が、過剰摂取による健康障害を起こすことのない最大限の摂取量

3、推定エネルギー必要量
■推定エネルギー必要量定の基礎
・基礎代謝量・・・身体的・精神的に安静な状態で代謝される最小のエネルギー代謝量であり、生きていくために必要な最小のエネルギー代謝量
・基礎代謝基準値・・・性、年齢別に基礎代謝基準値が体重あたりで示されている。
測定は前日の夕食後12~15時間経過した早朝空腹時に、20~25度の快適な温度条件下で、めざめて静かに横たわっている状態で測定される
■推定エネルギ必要量の算定

一日の推定エネルギー必要量=1日の基礎代謝量×身体活動レベル


■身体活動レベル別の推定エネルギー必要量・・・三段階に分けて表示される
■対象別推定エネルギー必要量

乳児の推定エネルギー必要量
・生後5ヶ月までは、母乳栄養自我男子600ml、女子550ml。人工栄養児は男子650ml、女子600ml/日
・6~11ヶ月は男子700ml、女子650ml/日


妊婦・授乳期のエネルギー付加量
・妊婦・・・初期+50ml、中期+250ml、後期500ml
・授乳期・・・+450ml


■炭水化物(糖質・食物繊維)
炭水化物のうち糖質の摂取量は総エネルギーの50%以上70%未満が望ましい。
食物繊維は成人男子24~27g、成人女子19~21g、高齢者は男子19g、女子が15gを目安にする

第9章 食生活のあり方とその評価

1、小児の食生活

小児栄養における注意点
①発育の著しい時期なので、栄養のバランスに気をつける
②接触昨日や消化吸収の機能が未発達であり、その発達に合わせた栄養法や食事形式を整える必要がある。口腔内の機能、手指や精神神経系の発達などに伴い、接触行動が変化するため、各個人の発達段階を把握することが大切
③小児は抵抗力が低く、細菌感染などから病気にかかりやすいので、衛生面には十分な配慮が必要になる



2、望ましい食生活のあり方
○バランスのよい栄養の摂取
○適度な運動
○十分な休養

■1985年「健康づくりのための食生活指針」
・成人病予防
・成長期
1、子供と親を結ぶ絆としての食事(乳児期)
2、食習慣の基礎作りとしての食事(幼児期)
3、食習慣の完成期としての食事(学童期)
4、食習慣の自立期としての食事(思春期)
・女性(母性も含む)
・高齢者

■2000年「食生活指針」
・食事を楽しみましょう
・1日の食事のリズムから、健やかな生活のリズムを
・主食、主菜、副菜を基本に食事のバランスを
・ごはんなどの穀類をしっかりと
・野菜、果物、牛乳、乳製品、豆類、魚なども組み合わせて
・食塩や脂肪は控えめに
・適正体重を知り、日々の活動に見合った食事量を
・食文化や地域の産物を活かし、時には新しい料理も
・調理や保存を上手にして無駄や廃棄を少なく
・自分の食生活を見直してみましょう

3、栄養状態の評価・判定
■身体計測による方法

①2歳以下の乳幼児の肥満判定・・・カウプ指数
(注:3ヶ月未満は身長・体重ともに増加が激しいので使えない)
体重÷身長の二乗
15以上~18は普通
22以上は肥満
13~15(やせ)
15はやせ・普通の両方に含まれる


②学童期の肥満測定・・・ローレル指数
体重÷身長×10の7乗
110cm~129cm  180以上は肥満
130cm~149cm  170以上は肥満
150cm以上     160以上は肥満


③学童期以降・・・肥満度
(実際の体重-標準体重)÷標準体重×100
20%以上30%未満は軽度の肥満
30%以上50%未満は中度の肥満
50%以上を高度の肥満とする



■食生活調査による方法
■臨床症状や理学的検査による方法

■覚えよう
エネルギーの欠乏・・・低体重、低身長
エネルギーの過剰・・・肥満
たんぱく質欠乏・・・浮腫、ネフローゼ
ビタミンA欠乏・・・皮膚の乾燥、角質化、夜盲症
ビタミンB1欠乏・・・脚気、運動障害
ビタミンB2欠乏・・・口唇炎、口内炎
ナイアシン欠乏・・・ペラグラ
ビタミンC欠乏・・・壊血病、皮下出血
ビタミンD欠乏・・・くる病、骨軟化症
鉄欠乏・・・貧血
ヨード欠乏・・・甲状腺腫


第9章-1 食品の知識

1、食品成分表
2005年「五訂増補日本食品標準成分表」
1  穀類
2  いも及びでん粉類
3  砂糖及び甘味類
4  豆類
5  種実類
6  野菜類
7  果実類
8  きのこ類
9  藻類
10  魚介類
11  肉類
12  卵類
13  乳類
14  油脂類
15  菓子類
16  し好飲料類
17  調味料及び香辛料類
18  調理加工食品類

■栄養価計算の方法
・食品名は、部位や加工・調理状態も含めて確認し、最も近似する成分値を用いる
・食品の重量については、食品全体から皮や骨など廃棄する部分を差し引いた可食部のg数で計算する
・ごはんは精白米の重量か米飯の重量なのか、わかめなどは乾物か生か水に戻したものかを明確にしておく必要がある。
・成分表の数値は可食部100gあたりの値である

2、食品の分類
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3、糖質を多く含む食品
1、穀類とその製品
■穀類の栄養的特色
・成分の70%は糖質
・副食によって良質のたんぱく質を補う必要がある
・無機質ではリンが多く、カルシウムが少ない
穀類は、外皮、胚乳、胚芽より成り立つ。外皮、胚芽にはたんぱく質、無機質、ビタミンB1、B2が多く含まれるが、精米すると失われる

○米・・・成分は玄米に近いほどよいが、味や消化吸収は精白米に近いほどよい
○小麦・・・米よりたんぱく質が多いが、必須アミノ酸が少なく栄養的には米より劣る
○大麦・・・精白による栄養素の損失は少ない
○燕麦(えんばく)・・・ビタミンB1が豊富で消化によいので、離乳期や病人に与えられる。オートミール
○ライ麦・・・黒パンの原料。グルテンを含まないので弾力性がない
○とうもろこし・・・栄養価は低い。

2、いも類
■イモ類の栄養的特色
・脂質はほとんど含まれていない
・ビタミンB1、B2、Cの含有量が多い

○さつまいも
・甘みが強いので調理の種類は限定される
・ビタミンb1やCが多く、黄色腫のものはカロテンを多く含む
・繊維質が多いので便秘に効果的。じゃがいもに比べ消化に時間がかかる
○じゃがいも
・じゃがいものビタミンCは貯蔵・調理による損失が少ない
・繊維質が少なく消化しやすい
○さといも
・でんぷんが主でガラクタン(難消化性多糖類の一種。さといもの粘り気の元)、ショ糖を含む

3、砂糖類
■砂糖類・菓子類の栄養的特色
・吸収が早く、栄養源のひとつである
・砂糖のエネルギーは上白糖で100gにつき400kcal
・油脂を含んだ菓子類は、100gで200~500kcalになる

○砂糖
・大部分はショ糖からなる
・栄養的には黒砂糖のほうがよい
・氷砂糖はきわめて純度の高いショ糖である
○水あめ
・主成分は麦芽糖、デキストリンである
・便秘によい
○蜂蜜
・主成分は果糖とブドウ糖で、ビタミンB1、たんぱく質、乳糖、りんご酸なども少量含む

4、油脂を多く含む食品
1、油脂類
■油脂類の栄養的特色
・ビタミンAやDなどの脂溶性ビタミンは、油脂類と一緒にとると吸収されやすい
・植物性油脂(オリーブ油・ごま油・落花生油・菜種油・コーン油など)は不飽和脂肪酸(オレイン酸・リノール酸)を70~90%、飽和脂肪酸(バルチミン酸・ステアリン酸)を10~30%含む
・魚油はコレステロールが過剰になりにくい

○バター
・飽和脂肪酸を多く含み、消化吸収がよく、ビタミンA、Dを含む
・脂質を81%含み100gあたりのエネルギーは750kcal、食塩も含む
○ラード
・バルチミン酸・ステアリン酸・オレイン酸を多く含むがリノール酸は少ない
・ラードは低い温度でとけ、舌触りがよい。揚げ物に最適
・ヘットは融点が高く、舌触りもよくないので揚げ物に向かない
○マーガリン
・リノール酸を追加したものもあり、栄養価はバターと変わらないものもある
○ショートニング
・成分はマーガリンに近いが、適当な粘りを持たせるのでケーキなどに使われる
○マヨネーズ
・サラダ油に乳化剤、食酢、調味料、香辛料を配合して卵黄(卵白)で乳化させたもの
○ドレッシング
植物油に食酢・香辛料・調味料を加えたもの

2、種実類
■種実類の栄養的特色
・一般的に水分量が少なく、エネルギーに富む。エネルギーは脂質・糖質・たんぱく質による

○ごま
・消化をよくするためすりつぶして用いるとよい
・ビタミンB1、B2、鉄、カルシウムが多い
○くるみ
・脂質が豊富
・最も豊富に良質のたんぱく質を持つ
○ピーナッツ
・鉄、ビタミンB1、B2を多く持ち栄養価に優れている

5、たんぱく質を多く含む食品
1、大豆とその製品
■大豆の栄養的特色
・たんぱく質を35%、脂質を20%含む
・鉄、カルシウム、ビタミンB1、B2を多く含むので、栄養価に優れている
・ビタミンA、Cはほとんど含まれない
・大豆のままでは消化によくないが、加工食品は消化によい
・100gあたり300~400kcal

○豆腐・・・消化によく、良質の蛋白源。腐りやすい
○油揚げ・・・脂質に富む
○高野豆腐・・・保存が利く
○納豆
大豆に比べてビタミンB2が多くなるが、B1は少なくなる。大豆のたんぱく質が消化しやすい形に分解される
○みそ・・・味噌汁に使用される量は少ないのが、具が栄養源になる
○きな粉・・・栄養価は大豆と同じだが消化がよい

2、乳類とその製品
■乳類の栄養的特色
・乳類は卵黄と並び、完全食品である
・牛乳は水分を90%含んでいるために、栄養素の量はそれほど多くない
・大部分はリンたんぱく質のカゼインで、必須アミノ酸をバランスよく含んでいる
・脂質は4%で、消化吸収されやすい
・糖質は全て乳糖である。エネルギー源であるとともに、腸内で乳酸菌の発育を促し、雑菌や病原菌の繁殖を抑える。また、カルシウムの吸収を助ける
・無機質ではカルシウムが多いが、鉄が少ない
・ビタミンはA、B1、B2が多いがCは含まれていない

○牛乳
○チーズ
・ナチュラルチーズ・・・乳汁に乳酸菌などを加えて固め、発行させて塩分を加え、熟成したもの
・プロセスチーズ・・・ナチュラルチーズを2種類以上の乳化剤を加えて過熱したもの。保存が利く

そのほかの乳類
調製粉乳・・・人工栄養のための粉乳。母乳に近づけてある
脱脂粉乳・・・牛乳から脂質を取り除いたもの。栄養価が高い
全粉乳・・・牛乳を濃縮乾燥したもの。水に12%溶かせば牛乳になる
無糖練乳・・・牛乳を1/2に濃縮したもの。砂糖を加えると加糖練乳になる


○ヨーグルト
牛乳や脱脂乳に乳酸菌を加えて発酵させたもの。消化がよく、栄養化も高く、整腸作用がある
○アイスクリーム
生クリームに牛乳、卵黄、砂糖、安定剤、乳化剤、香料などを加えて、かき回せながら冷やしたもの。乳脂肪の高いものは栄養価が高い

3、獣鳥肉類とその製品
■獣鳥肉類の栄養的特長
・たんぱく質は20%で、卵に次いで優れたアミノ酸組織を持つ。特に穀類に不足しがちなリジンを多く含む
・脂質は5~20%(部位による)
・無機質は鉄が多く、リン、マグネシウム、カリウムも含む
・ビタミンはB群が多い。レバーにはA、D、B1、B2、B12などが含まれる
・鶏肉は消化がよい

○ハム・・・豚のもも肉を塩漬けしたあと燻製したもの。保存が利く
○ソーセージ・・・牛、豚、羊などの腸に、肉や内臓を砕いたものに食塩や香辛料を加えて調味したものを詰めて蒸したり、燻製にしたもの
○ベーコン・・・豚肉の脂肪の多いものを燻製にしたもの

4、魚介類とその製品
■魚介類の栄養的特色
・たんぱく質は獣鳥肉に劣らない
・消化がよいが腐敗しやすい
・エネルギーは獣鳥肉より少ない
・骨ごと食べられる小魚はカルシウムの給源になる
・脂質は種類によって異なるが、白身魚は少ない
・貝類にはグリコーゲンが多く含まれる
・かまぼこ、ちくわ、はんぺんなどの練り製品は、添加物が多いため離乳期に与えないほうがよい
・干し物類はビタミンDに富んでいる
・魚卵は栄養価が高いが、コレステロールを多く含む

5、卵類
■卵類の栄養的特色
・牛乳と並んで完全栄養食
・水分は70%で、消化吸収もよく、保存性もよい
・卵白はほとんどたんぱく質。脂質は卵黄のみに含まれ、発育に必要なレシチンやコレステロールを含む
・無機質はリンと鉄が多い
・ビタミンは、卵黄にAとB1、B2が含まれるが、ビタミンCは全く含まない

6、無機質やビタミンを多く含む食品
1、野菜類
■野菜類の栄養的特色
・糖質・脂質・たんぱく質をあまり含まない
・食物繊維が豊富で整腸作用がある
・無機質ではカリウムが多く含まれる
・ビタミンB1、Cなどを含む。緑黄色野菜にはカロテンが多く、ビタミンAの給源である

①緑黄色野菜
・外見的に緑や赤みの多い野菜で、可食部100gにカロテンを600マイクログラム含むものを言う(1マイクログラムは100万g分の1)
・カロテンに富み、主要なビタミンAの供給源である
・鉄、ビタミンB1、B2、Cなどの量も多い

○にんじん
カロテンを多く含むがビタミンCは少ない。ビタミンC酸化酵素(アスコルビナーゼ)を含むので、生食する場合には注意が必要
○ほうれん草
ほうれん草に含まれるシュウ酸は、カルシウム利用率を悪化させると言われるが、なべのふたを開けて茹で、水にさらせば問題ない
○かぼちゃ・・・くりかぼちゃは、カロテンが多く含まれ、糖質も多いのでエネルギーに富む
○トマト・・・カロテンとビタミンCを多く含む
○ピーマン・・・カロテンとビタミンCを多く含む

②淡色野菜
○ねぎ
たまねぎ、長ネギ、にんにくなどの刺激臭は、硫化アリルのために、吸収のよいビタミンb1化合物を作る働きがある
○大根
生・・・ビタミンCの供給源
でんぷん消化酵素のアミラーゼを含む
辛味成分はシニグリンと言われるもので、加熱により分解する

2、果実類
■果実類の栄養的特色
・水分が多いため、エネルギーは少ない
・ビタミンCの優れた給源
・無機質はカリウムが多く、りん、カルシウムなども含む
・脂質やたんぱく質はわずかである
・ペクチンが多量に含まれるので、砂糖を加えて加熱するとゼリー状になる
・酸味はりんご酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸などの有機酸である

○かんきつ類・・・ビタミンCが豊富。クエン酸が含まれる
○りんご・・・主成分が糖質で、ほとんどが果糖、ブドウ糖とペクチンである。酸はりんご酸で整腸作用がある
○バナナ・・・糖質が多いため、エネルギーが高い
○いちご・・・ビタミンCが多い。生食できるので効率よく取れる

3、海藻類
■海藻類の栄養的特色
・糖質は多いがエネルギーはごくわずか
・脂質もごくわずかで、たんぱく質も消化が悪いが食物繊維の価値がある
・ヨード(ヨウ素)を多量に含み、鉄、カリウム、カルシウムを多く含むので、無機質源として重要である

○こんぶ
・海藻類の中で最もヨードが多い
・うまみの成分はグルタミン酸である
○わかめ・・・海藻類の中で一番消化がよい
○のり
・たんぱく質の質がよい
・ヨード、鉄、カロテンを含むのでビタミンAの給源となる

4、きのこ類
■きのこの栄養的特色
・たんぱく質、糖質は消化が悪い。食物繊維が豊富である
・しいたけにはエルゴステロールが多く含まれるので、ビタミンDの給源となる。干ししいたけのほうが、エルゴステロールを多く含む

第9章ー2 食品の知識

7、その他の食品
1、特別用途食品
乳児用、幼児用、妊産婦用、病者用など特別の用途に適する旨の表示をした食品と保険健康食品を「特別用途食品」という。

■特別用途食品の分類
①特別用途食品・・・病者用食品、妊産婦・授乳婦用粉乳、乳幼児調整粉乳、高齢者用食品
②保険健康食品
・特定保健用食品・・・血中コレステロールの低下や整腸作用など、特定の作用が期待できる食品。許可申請と審査が必要
・栄養機能食品・・・基準を満たしていれば許可申請は不要(例:サプリメント)
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2、インスタント食品
簡単に調製でき保存性もよいので広く利用されているが、塩分や添加物、常食による栄養不足に注意する

3、レトルト食品
インスタントや冷凍に比べ種類も多く、すぐに食べられる

4、冷凍食品
保存性がよく、保存が簡単。季節や産地に関係なく供給、購入でき、価格が安定している。種類が豊富なため献立を計画的に立案できる。栄養価や品質についても劣化しにくくなっていますが、回答方法を間違えると品質が劣化するため注意が必要である。

プロフィール

Mikami Kako

Author:Mikami Kako

おことわり

保育士・図書館司書に関しては、旧システムによるものなので、現在のもの科目編成や内容にずれがあります。放大についても閉講科目が含まれます

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