第1章 健康の定義と小児保健の意義

1、健康の定義

1、WHOの健康概念
健康とは、身体的、精神的および社会的に完全に良好な状態であって、単に疾病や虚弱でないと言うことではない

2、子供の健康の特徴

1、子供は発育・発達しつづける存在である
未熟な段階から、しだいに成熟した段階へと変化し続けている

2、適切な保育の必要性
個人差を考慮した、適切な保育によって、はじめて子供の健康が保持・増進され、成長を促すことが出来る

3、小児期の年齢区分
①出生前小児(胎児)期
②新生児期・・・出生後4週(28日)未満
③乳児期・・・出生後1年未満
④幼児期・・・1歳から小学校就学前
⑤学齢期・・・小学校入学から高校卒業まで
⑥思春期・・・年齢によっての区別は出来ないが、性成熟を基盤として生じるもので、およそ12~18歳ぐらいの期間を指す

4、小児保健の意義
小児保健とは、子供が健やかに育つこと(子供の健康の保持・増進)を目的とした保育活動を言う
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第2章 子供の健康に影響を与える環境要因

1、子供の生活環境の諸要因

○外的要因
・社会環境・・・家庭環境。地域環境、保育所、幼稚園など
・自然環境・・・物理的環境、化学的環境、生物学的環境など
○内的要因
・遺伝子素質(生まれつきの素質)

2、社会環境

1、家庭環境
○物的側面・・・住居、衣服、食物、日常の生活用品、使用機器
○人的側面・・・両親、祖父母、きょうだい

①両親
新生児期には、とくに母と子の間で緊密なふれあいを多く持つことが、その後の母子関係の確立や乳児期の心の安定、順調な発育・発達のために重要であるといわれている
②祖父母など
母親のしつけと祖父母のしつけが一致しない場合、子供が情緒不安定になる
③きょうだい
長子は、次子が生まれると退行現象を起こすことがある。このときは、周囲の人々の細やかな愛情ある心遣いが必要である

2、地域環境
○物的側面・・・道路や施設、子供の遊び場
○人的側面・・・近隣の住民、遊び友達

①遊び場
子供がのびのびと思い切り遊べるような遊び場が必要である。
②遊び友達
友達との遊びやけんかを通じて、お互いに社会性を育てていく。近隣の子供とよく遊ぶ機会を作ることが大切。

3、保育所・幼稚園環境
○物的側面・・・園舎や園庭、保育遊具
○人的側面・・・保育者や園児

①広さ・気温・湿度・通風・採光などの点で適していること
②公害などがなく、衛生面で適していること
③風紀の乱れた盛り場などが泣く、教育面で適していること
④交通面での安全性が保たれていること

4、現代社会における社会環境の変化
・都市化により住宅の高層化や縮小化、車の増加によって子供の遊び場が狭く、少なくなっている
・家庭用ゲーム機の普及
・核家族化により母親の育児不安が増え、過保護や過干渉になりがち
・少子化によりきょうだいも遊び友達も減少している

3、自然環境

1、空気
■空気の正常な成分・・酸素21%、窒素78%
■健康を害する空気中の異常な成分「一酸化炭素」・・許容量0.01%
(0.02%で頭痛が起こり、0.32%では30分で死亡)

2、気温・湿度・気流(風)
■至適温熱条件
・気温・・・冬季18~20℃、春秋22~23℃、夏季25~26℃
・湿度・・・年間を通じて50~60%
・気流・・・0.2~0.5m/秒

■不快指数
70未満・・・快適
70以上・・・不快に感じる人が出始める
75以上・・・半数以上が不快
80以上・・・全員が不快
85以上・・・我慢できないほどの不快

■気温の異常による障害
・熱中症・・・体温調節中枢が失調することでおこる。吐き気・頭痛・めまいなどで、重症の場合は意識障害やけいれんなどを起こして死亡することもある
・凍傷・凍死・・・体温が26℃以下まで下がると凍死する危険性がある

3、日光
■赤外線・・・血液の循環をよくする作用や鎮痛作用があるが、当たりすぎると熱中症ややけどをする
■紫外線
・ビタミンDを形成する(くる病や骨形成不全の予防に効果がある)
・殺菌作用がある
・新陳代謝を高め、赤血球、白血球、血小板を増加させる
・皮膚に強く当たると紅斑や水泡をつくり、色素沈着を起こす
・必要以上に当たると皮膚がんを起こす原因になる
・目に強く当たると眼炎を起こす

4、保育のための生活環境条件

1、子供の健康を支える住まいの条件

■住宅の基本条件
・住居面積にゆとり(一人当たり4.5畳程度)があること
・通風・換気・温度調節・採光など屋内気候が適当であること
・衛生的な生活を営める設備があること
・事故、災害を防止する備えがあること

■換気
空気中の二酸化炭素濃度が0.1%以下がめやす
○自然換気・・・建物のスキマなどから空気が自然に入れ替わること
○人口換気・・・機械を使って換気すること

■冷房・暖房
○冷房の適温は25℃だが、外気との差を5℃以内にすること
○20~22℃で換気に心がける

■採光と照明
○自然採光・・・窓の大きさ・形・方角・天候に影響される
○人工照明
・作業に適した照度があること
・室内の照度の分布が等しいこと(場所によって差があると目が疲れる)
・光が直接眼に入らないこと(眼精疲労の元になる)
・経済的で操作が簡単であること

2、健康のための衣服条件

■衣服気候(被服気候)
衣服と身体表面との空気の温度と湿度のことをいう。
気温32プラスマイナス1℃、湿度50プラスマイナス10%が至適条件

■衛生的な衣服の条件
・体温の調節に適している
・皮膚の保護に適している
・汚れにくく、汚れても洗濯し易い
・活動しやすい

3、飲料水としての水の条件

■水と健康
人体に必要な水は一日約2~3ℓ
乳幼児は体重あたりの必要量も多くなる。乳幼児は脱水症状を起こしやすいので、水分補給を心がける
■飲料水の条件(水質基準によって守られている)
・無色透明で臭気や味が異常でないもの
・ph5.8以上8.6以下
・病原微生物や寄生虫などがいない
・有害物質を含まない(鉄・銅・鉛などを必要以上に含まない)
・硬度は18度以内

5、健康を脅かす環境要因

1、公害の定義
大気汚染・水質の汚染・騒音・振動・地盤沈下・悪臭によって、人の健康または生活環境にかかる被害が生ずること

2、主な公害
○大気汚染
二酸化いおう、一酸化炭素、窒素酸化物、光化学オキシダント(環境ホルモンのひとつ。煤煙や排気ガスが紫外線によって化学反応を起こす。目や鼻、のどに刺激症状が起こる)、ダイオキシン
○水質汚濁
・有機水銀中毒・・・水俣病
・カドミウム中毒・・・イタイイタイ病
○騒音・・・ピアノ、カラオケ、クーラーの室外機
○振動・・・発生源は工場、建築現場、交通機関など

2、下水の処理
・家庭から出る家庭排水
・工場から出る産業排水
・街角や住宅から流出する雨水

3、廃棄物処理
○廃棄物の種類
・一般廃棄物・・・ごみ、し尿
・産業廃棄物・・・事業活動によって生ずるもの

■ごみ処理
ごみ埋立地の確保は困難になって来ているので、ごみ処理問題の解決のためには「ごみ排出量の制限」「再利用の推進」「廃棄物処理施設の整備」などがある
■し尿の処理
下水道を経て終末処理場で処理されるのが最も好ましい
■産業廃棄物の処理
最も多いのが汚泥、次いで家畜糞尿、がれき類である。

第3章 保育における子供の健康

1、小児保健にとっての保育の意義

1、生命と成長を守る
①一人一人の子供に応じた順調な発育・闊達を促す
②その発育・発達段階に適した生活を送る
③次の段階の発育・発達への順調な足がかりとなる

2、ささいな異常に気づくことが出来る

2、健康を保つための保育の方法
①母親を含めた家族による育児活動
②保育所・幼稚園など集団生活の場における保育活動
③医療機関における個人を対象とした保健活動
④国・地方公共団体が実施する法律に基づいた保健活動などがある。

○健康管理・・・健康診断や予防接種などを行う直接な働きかけ
○健康教育・・・健康に必要な知識を与え、健康の保持・活性化のために日常生活での態度や行動を改善させる指導を行う、間接的な働きかけ

■健康づくりの三要素「栄養」「運動」「休養」
①正しい栄養摂取
②適度な運動と適度な休養
③安定した精神状態の保持
④病気の早期発見・早期治療

3、集団保育における保健活動の役割
1、一人一人の子供に健康障害が発生しないように配慮する
2、その健康障害が祖の集団の場にいる全ての子供に影響しないように配慮する

4、保育者に求められているもの
①保育に関する充分な知識
②しっかりとした技術
③ふさわしい態度

第4章 子供の健康指標とわが国の小児保健水準

1、保健水準と評価の意義

保育水準・・・ある一定の集団(国・都道府県・市町村)における人々の健康状態の程度

2、保健水準の指標
■保健衛生関連の主要5統計
1、人口動態統計
時とともに変動する人口の状態を、一定期間(通常1年)の出生・死亡・婚姻・離婚・死産などの発生によって捉えた統計
2、人口静態統計
ある特定の日時に調査し、静止した状態での人口の状態
3、疾病統計
4、国民健康・栄養調査
5、学校保健統計

3、主要な健康指標

1、死亡に関する指標
①死亡率・・・死亡数÷人口×1,000
②年齢調整死亡率
毎年の性別・年齢別人口構成を昭和60年モデル人口に置きなおして計算したもの
③乳児死亡率・・・乳児死亡数÷出生数×1,000
④新生児死亡率・・・新生児出生数÷出生数×1,000
⑤平均余命・・・ある年齢に達したものが期待できる生存年数のこと
(0歳のものの返金余命を平均寿命という)
⑥50歳以上死亡割合・・・全死亡者数のうちで、50歳以上の死亡数の占める割合
⑦死因別死亡率・・・人口10万人に対して、ある死因で死亡した割合をさす

2、病気に関する指標
①受療率
一定時点内における人口10万人当たりの医療機関利用推計患者数
②有訴者率
医療機関・香以後保健施設への入院・入所者を除き、病気や怪我などの自覚の有るもの

4、わが国の保健水準の実際

1、保健水準の向上
①死亡率の低下
②乳児死亡率の低下・・・その地域の母子保健や医療状況、衛生状態や生活水準を反映するめやす

○乳幼児死亡原因
・先天奇形・変形及び染色体異常
・周産期に特異的な呼吸州外及び心血管障害
・乳幼児突然死症候群
・胎児及び新生児の出血性障害および血液障害
・不慮の事故(窒息や誤嚥)

③平均寿命の延長
2005年に男性78.53歳、女性85,49歳と世界で有数の長寿国になっている

2、人口

①人口の推移・・・明治以来増加の一途をたどっている
②年齢別人口構成と人口ピラミッド(形としてはひょうたん型になっている)
③年齢三区分(年少・生産年齢人口・老年人口)別人口
・人口は2005年にピークを迎えた
・老年人口の割合は、2055年に40.5%に達する
・年少人口の割合は、2055年に8,4%まで減少する
・生産年齢人口の割合は徐々に減少し、2055年には51.1%になる

3、死因別死亡率の変化
一位「悪性新生物」(ガン・白血病)
二位「心疾患」(心筋梗塞・心不全・狭心症)・・・20年前は3位
三位「脳血管疾患」(脳出血・脳梗塞)・・・20年前は2位
この3つは3大生活習慣病と呼ばれる

5、小児保健水準の実際

1、出生
①出生率・・・・出生数÷人口×1,000
わが国の出生率は下降の一途をたどっている。

○原因
・子供を産む年齢の女子人口が減っている
・晩婚化が進んでいる
・結婚している女子の出生力が低下している
(仕事と育児の両立が難しく、住宅事情が悪い)

②出生順位と母親の年齢
少子化のため第三子の出生が少なくなっている
③出生場所と立会者
医師立会いによる施設分娩は、母体と出生児の死亡を減少させ、出生児の障害を軽減することに役立っている

2、死産
①死産率・・・死産数(自然死産数+人工死産数)÷(出生数+死産数)×1,000
自然死産数は減少しているが、人工死産数は昭和50年ごろから上昇し、平成15年から再び低下している

②死産の原因
周さん期に発生した病態・・・先天奇形・変形及び染色体異常
母親の病態・・・腎臓及び尿路疾患、高血圧性障害、胎盤などの合併症

3、周産期死亡
①周産期死亡率・・・妊娠22週以後の死産と生後一周未満の早期新生児死亡をあわせたもの
②原因
周さん期に発生した病態・・・先天奇形・変形及び染色体異常
母親の病態・・・腎臓及び尿路疾患、高血圧性障害、胎盤などの合併症

4、妊産婦の死亡
①妊産婦の死亡率
1960年代は3ケタだったが年々減少し、2004年には欧米諸国と同じ水準になっている
②原因・・・妊娠高血圧症行群、肺決戦塞栓症、分娩後異常出血、分娩前出血

5、乳児の死亡
○原因
1位・・・不慮の事故
2位・・・先天奇形・変形及び染色体異常
3位・・・悪性新生物

○不慮の事故の種類
1位・・・交通事故
2位・・・溺死
3位・・・窒息

第5章 子供の身体発育

1、子供の特徴
①子供は常に発育・発達している
②子供は心身共に未熟な状態であるが、成熟した段階へと変化し続けている
③子供の発育には個人差が大きい
④子供は月例が低いほど母体からの影響を強く受けている
⑤感染による抵抗力が弱いが、それにより免疫を獲得する
⑥自分自身の状態や、危険に対する認識が低い

2、子供の身体発育の特徴

1、身体発育のピーク
受精から出生に至るまでの発育・・・第一発育急進期
第二次性徴(女子は11歳・男子は13歳ごろ)・・・第二発育急進期

2、新生児期

■体重
○出生時の体重
2500グラム未満のもの・・・低出生体重児
そのうち生理機能や身体発育が未熟なものを未熟児と呼ぶ
○生理的体重減少
生後3~4日ぐらいの間に5~10%減る(哺乳量より排泄量が多いため)
■頭囲と胸囲・・・胸囲より頭囲のほうが大きい
■泉門・・・頭蓋骨の縫合部が癒着していないためのすきま
前・・・大泉門、後・・・小泉門

3、乳幼児期
■体重・・・生後三ヶ月で出生時の約三倍になる
■身長・・・1歳で出生時の約1.5倍、4歳前半で二倍
■頭囲と胸囲・・・生後二ヶ月で頭囲より胸囲のほうが大きくなる
■泉門・・・小泉門は生後三ヶ月で閉じるが、大泉門は生後10ヶ月ごろまで大きくなり、一歳半で閉じる
■乳歯・・・乳歯の生え始めは生後6~7ヶ月
満一歳で上下4本ずつとなり、三歳頃に生え揃う

4、学童期・思春期
■身長・・・15歳で出生時の約3~3.5倍(第二次性徴期の出現が女子のほうが早いので、身長は女子が上回っている)
■永久歯・・・5,6歳ごろから抜け始める。永久歯は全部で32本あり、20歳ごろに生え揃う

3、子供の身体発育の評価

1、発育指数を用いる方法
①カウプ指数・・・体重÷身長の二乗
15以上~18(普通)
22以上(肥満)
13~15以下(やせ)

②ローレル指数(学童期以降)・・・体重÷身長の三乗×10の7乗
②肥満度・・・(実測体重-標準体重)÷標準体重×100

第6章 子供の精神・運動機能発達

1、子供の精神機能発達

1、感覚機能の発達
・視覚・・・新生児期から光を感じることが出来、視力は1歳で0.2ぐらいになる
・聴覚・・・生後6~14時間で音に反応するようになり、生後1~2ヶ月で母親の声を聞き取れるようになる
・皮膚覚・・・新生児期から敏感。痛覚は生後一週間ぐらいで発現する

2、情緒機能の発達
新生児期は興奮のみだが、生後3ヶ月より快・不快を区別するようになる

3、言語機能の発達
・なん語・・・生後3ヶ月ごろの反復的要素(アーアー、ブーブーなど)
・模倣・・・生後7ヶ月に周囲の人の言葉を真似る
・発語・・・生後10ヶ月ごろ一語文(ワンワンなど)

4、社会性機能の発達
・2~3ヶ月・・・人があやすと笑う
・4ヶ月・・・母親と他人との区別が出来る
・7~8ヶ月・・・人見知りするようになる
・1歳3ヶ月・・・「~してはいけない」という禁止に従う
・1歳半・・・「~してちょうだい」ということを理解する
「平行遊び」(他の子供に話しかけるが基本的に自分のペースで遊ぶ)をする
・2~4歳・・・自我が芽生え、「イヤ」という
・5~6歳・・・ルールに基づいた仲間遊びが出来る

2、子供の運動機能発達

1、運動機能発達の原則
①発達は一定の順序に従い、連続的に進む
月例に個人差は有るが、ある段階を飛び越したり、順序が逆になることはない
②発達には一定の方向性が有る
・頭から足に向かって発達する
・中心から抹消に向かって発達する
・大まかな動きから細かい動きへ
③発達の速度は一定ではない
神経系は乳幼児期に、生殖器系は思春期以降に
④特定の機能を獲得するために、決定的に大切な時期が有る
発育を阻害する要因が作用すると、その後の成長に重大な影響を及ぼす

2、新生児期の運動機能発達(代表的な原始反射)
・吸てつ(吸い付き)反射・・・口の周りに何か触れると吸い付こうとする
・自動歩行反射・・・脇を支ええて足の裏を床につけると歩くようなしぐさをする
・モロー反射・・・大きな音などの刺激を与えると、抱きつくようなようすをみせる
・ほふく反射・・・わきの下を支えて床にうつぶせさせると這うようなしぐさをみせる
・バビンスキー反射・・足の裏を柔らかくこすると足の指を手のように開く
・把握反射・・・掌に物が触れると、強く握る
・凝視反射・・・目でものの動きをゆっくり追う
・探索反射・・・唇や口角を刺激するとそっちをむく
・緊張性頚反射・・・仰向けで頭を一方に向けると、頭を向けた側の上肢を伸ばし、反対側を曲げる

3、乳幼児期の運動機能発達
・2ヶ月・・・腹ばいにすると少しの間頭を上げる
・3ヶ月・・・首が据わる
・4ヶ月・・・腰を支えると座ることが出来る。手に触れたものを掴むことが出来る
・5ヶ月・・・目に付いたものをつかむ
・6ヶ月・・・寝返りをする、支えが有ると座る
・7~8ヶ月・・・ハイハイが出来る。お座りしておもちゃを持つ
・9~10ヶ月・・・つかまりだちが出来る
11~12ヶ月・・・つたい歩き、ひとり立ちが出来る。片手を持つと歩ける

4、用事の運動機能発達
13~15ヶ月・・・歩き始める。小さなものを掴む
16~18ヶ月・・・ぎごちなく走る
19~21ヶ月・・・手すりに捕まって階段を上がる
22~24ヶ月・・・転ばないで走る、本のページを一枚づつめくる
2歳半・・・両足でジャンプ出来る
3歳・・・片足とびが出来る・ゆっくりボタンをかける・三輪車をこぐ・丸を描く・ハサミを使う
4歳・・・階段をあがる
5歳・・・スキップをする・爪先立ちが出来る

3。精神運動機能発達の評価

1、発達スクリーニングテスト
対象は0~6歳
4つの領域「個人ー社会、微細運動ー適応、言語、粗大運動」について
正常・疑問・異常・不満の4つの判定をする

2、発達検査
対象は1~12ヶ月と1~3歳
日常生活から親が回答したものを評価する

3、知能検査
・ビネー式知能検査
・ウェクスラー式知能検査

第7章 小児の生理機能発達

1、循環器の生理機能

1、乳児期の循環
胎児循環では胎盤やへその緒を通して母体の血液から酸素や栄養を受け取っている。
しかし、出生と共に肺の拡張が見られ、自分の心臓の力による成人循環に移行する。

2、脈拍の生理
①年齢が低いほど脈拍数は多くなる
②発熱・授乳・号泣・入浴、その他運動や精神的興奮などで脈拍数は増加する

3、脈拍の測定方法
①安静時に(睡眠中がよい)手首の付け根の親指側で測定する
②人差し指・中指・薬指の3本の指を軽く当てて、1分間の数を測定する
③はかりにくいときは、首やこめかみで測る方法もある

4、脈拍の測定の仕方
①一定のリズムで打っているか
②リズムが狂っていたり、途中で脈が途切れたりしていないか
③打ち方は弱くないか、力強く緊張感があるか
④速さはどうか。非常に早かったり遅かったりしていないか

5、呼吸器の生理機能

1、乳児期は肺胞が未熟な上に、胸膜や横隔膜も未熟なため、呼吸を上手に出来ない

2、呼吸の生理
①出生後、最初に行う呼吸を「第一呼吸」と言う
②乳幼児は腹式呼吸である
③年齢が低いほど呼吸数は多くなる
④呼吸器疾患や授乳・号泣などで呼吸数は増加する
⑤乳児は呼吸困難に陥りやすく、感染が起こりやすい
⑥幼児期前半に胸式呼吸が見られる
⑦睡眠時は無呼吸が起こりやすく、乳児や新生児にたびたび見られる

3、呼吸の測定方法
①吸い始めから次のすい始めまでを1呼吸といい、1分間測定する
②安静時に静かに胸に手を当てたり、肩の上下運動を見る
③泣いているときや泣いた直後の測定は避ける

4、呼吸の観察の仕方
①速さや深さはどうか
②規則的な呼吸をしているか
③ゼイゼイと音を立てていないか
④顔色が悪かったり、唇の色が悪くないか

3、体温調節機能

1、体温機能の生理
①早朝の体温が一番低く、午後の体温との差は0.1~0.4度
②体温は睡眠時と活動時では1度の差が有る
③わきの下<口腔内<直腸の順で高い値を示す

2、小児期の体温
①新生児期は体温調節機能が未熟なため、衣服や環境温度の調整に配慮する必要が有る
②小児は成人より体温が高い
③小児は身体の異常が体温の異常となって現れやすいので、様子が可笑しいときは検温する

3、体温の測定方法
①脇検温・・・7~8分以上(出来れば10分)
②直腸検温・・・3分

4、熱型(発熱の経過の形)
○けいりゅう熱・・・38度以上が続き、一日の高低が1度以内のもの「腸チフス・髄膜炎・ワイル病など
○弛張熱・・・高い熱があり、一日の高低が1度以上だが、下がっても平熱にならないもの「肺血しょうなど」
○かんけつ熱・・・1~2日おきに熱が高くなるもの「マラリア」

4、消火器の生理機能

1、口腔内
①乳児の摂食行動は、哺乳運動から始まる
②生後6ヶ月から、咀嚼運動が可能になり、離乳食が食べられる
③1~2歳ごろには固形物が食べられる

2、胃腸の生理

■胃の形態
乳幼児の胃は筒状なので溢乳しやすい。生後3~4ヶ月までは哺乳の後に排気(げっぷ)を充分にさせる
■排尿の生理
乳幼児期は膀胱に尿がたまると反射的に排尿が見られる。
2歳前後から、自分の意思による排尿が可能になる
3~5歳で尿意を制御できるようになるため、夜間の排尿も自立する
■排便の生理
乳幼児期は反射によって排便が見られる。1歳半~2歳頃に言葉やしぐさで便意を訴えるようになる
■便の性状
①胎便・・・柔らかく粘りがあり無臭
②便の異常
消化管上部出血の場合は黒便色、消化器官下部出血の時は赤色便、胆汁分泌不足の時は灰白色便となる

第8章 発育・発達を促す生活の支援

1、睡眠

1、睡眠時間
・0~2ヶ月・・・授乳から次の授乳までほとんど眠っている
・3ヶ月~3歳・・・14時間~15時間(夜間12時間、昼寝2~3時間)
・4歳以降・・・10~11時間

2、睡眠習慣のしつけ
①寝る時間を一定に定め、習慣づける
②ひとり寝の習慣をつける
③寝る前の排泄、挨拶の習慣
④気に入ったタオルなどをしゃぶりながら寝る子もいるが、無理に取り上げない
⑤睡眠時間が長すぎる子供には、昼間運動などをさせ、生活にリズムをつける

3、睡眠のための環境づくり
ふとんは柔らかすぎず、堅すぎず
枕は背骨が曲がるので使わない(乳児は頭部の発汗が多いので適度にタオルを取り替える)
寝室は騒音を防ぎ、カーテンなどで光をさえぎり、室温を一定に保つ
そばにいて子守唄を歌う、手を握るなどの安心感を与える

2、排泄

1、おむつ使用時のおしりのケア
■おむつの選び方
①柔らかい素材で、皮膚になじみ、刺激のないもの
②吸水性が有るのと同時に、保水性があるもの
③選択が容易で、丈夫なもの
④色は汚れが見えやすい白

■おむつ交換の方法
①ぬれるところを厚くするため女子は後ろを、男子は前を厚めにする
②乳児は腹式呼吸なので、腹部をしめつけないように、へその下に小さくまとめる
③足の運動を妨げないように(横から締め付けたり、太ももを覆ったりしない)
④おむつ交換をするときは子供に声をかけながら、爽快感を味わえるようにする

■おしりのケア
①食事の前後だけでなく、頻繁に代える
②タオルを湯に浸して、ぬれたおむつの当たっていたところを拭き、おむつかぶれを防ぐ
③汚れがひどいときは洗面器でおしりを洗う
④おむつ交換のたびにおしりを観察する

2、排泄のしつけ
■しつけの時間
一歳半~2歳ごろをめやすにするが、個人差があるので成長に合わせて無理のないようにする
■しつけの方法
①1歳半頃・・・時間を見計らって便器に座らせるようにする
②1歳半~2歳・・・サインを見逃さないようにして、意思表示があったらすぐにトイレに行かせる
③2歳半ごろになると夜のおむつもとれるようになる
④女子については前から後ろに拭くようにしつける
⑤失敗してもおおらかな気持ちでしつけを進める
⑥上手に出来たら褒める

3、清潔

1、沐浴の効用と注意点
■効用
①身体の清潔を保ち感染を予防する
②血液の循環がよくなる
③新陳代謝を高める
④心身ともに爽快感が味わえる
⑤清潔の習慣を身に着ける

■注意点
①室温を20~24度に保ち、隙間風が入らないようにする
②適温は37度~39度
③5~7分程度
④授乳後や空腹時には行わない。少なくとも授乳後1時間は経ってから

第9章 子供の栄養の意義

1、小児期の栄養の必要性と意義

1、エネルギー源となる栄養の必要性
2、発達にみあった栄養
3、病気の予防のための栄養
4、将来への影響を考えた栄養(ここでバランスの崩れた食生活を身に着けてしまうと、将来肥満・高血圧・糖尿病などの生活習慣病に繋がる)

2、小児期の栄養と食生活の関係

1、発育・発達段階との関係
食生活は、子供の摂食能力の発達程度、消化吸収および排泄機能、さらに精神・運動機能発達の程度にも左右されている。反対に食生活も発育・発達段階の影響を受けている

2、病気との関係
充分に栄養摂取できる食生活は、身体的な病気を防止するだけでなく、予防にも繋がる。

3、マナーと社会性との関係
栄養を適度に摂取するためには、適切な食生活のマナーを小児期に確立しておく必要がある。また、食習慣を確立すると言うことは、食事を作ってくれる人との関係や、一緒に食事をする家族や友達との社会性を共に学んでいくことでも有る

3、小児期の各時期の食生活

■乳児期
乳児期の栄養は主に母乳に頼っているため、母体の栄養状態によって乳児の健康状態が左右される
■幼児期
たんぱく質は年齢が大きくなるほど多く必要となる。またカルシウムは骨や歯の形成に、鉄は貧血予防になる

4、小児期の栄養状態評価
栄養摂取の目的
・発育・発達の促進
・生体組織の組成の維持
・疾病の予防
さらに社会性を身につけ、ストレスにも正常に対処できているかを見る

第10章 乳幼児期の食生活の実際

1、乳汁栄養期の食生活

1、母乳栄養
■母乳栄養の特徴
①乳児の発育と健康保持増進に必要な栄養素が最も適したバランスで含まれている
②免疫物質を多く含んでおり、感染症に対する抵抗力がつく
③乳児の身体を構成しているたんぱく質と同種のたんぱく質のため、アレルギーを防ぐことが出来る
④母子間の相互作用に有効である

■母乳の成分と子供の健康
・分娩後、数日間分泌される母乳・・・初乳
エネルギー源が高く、免疫物質を多く含んでいる
・分娩後10日目ごろから分布される母乳・・・成熟乳
・母乳栄養児の便中にはビフィズス菌が多く含まれていることから、母乳の成分がビフィズス菌の腸内増殖を助けていることがわかる。

■母乳不足
①身体発育不良となり、体重増加の程度が低い
②不機嫌でぐずることが多く、睡眠時間が不規則
③授乳間隔が短くなり、1回の授乳時間が長くなる
④排便回数が減り、便の状態も悪く、便量も少ない
<原因>
・母体の疾病異常
・母体の栄養不足
・精神的ストレス
・母乳保育に関する母親の意欲の欠如

2、人工栄養
■調乳の仕方
①50~60ccの湯と粉乳を鍋に入れる
②①を泡立てないように拡販して溶かす
③②を哺乳瓶にいれ、乳首とキャップをゆるくつける
④蒸し器に哺乳瓶を入れ、100度で5分間消毒する
⑤消毒が終了した後、哺乳瓶のキャップをしっかり閉め、流水で冷まし、冷蔵庫に保管する。
授乳の時に取り出して温めて与える

■人工栄養の問題点
・アレルギー
・不潔な調乳作業
・神経質な授乳態度(哺乳量に神経質になる)

2、乳汁栄養期の栄養上の問題

1、摂取量に関する問題
■食欲不振・・・先天性心疾患や感染症、生まれつき少食など原因は様々
■母乳嫌い・・・混合栄養児に見られる。哺乳瓶の乳首の穴を小さくするなど工夫が必要
■ミルク嫌い・・・気分転換を図ったり、空腹に鳴ってから授乳する

2、身体的な問題
■吐乳・溢乳
・吐乳・・・感染症、中枢神経系疾患、消化器系の病気による場合がある
・溢乳・・・哺乳後の身体の動きがや不十分な排気

3、離乳期の食生活
①生後5~6ヶ月ごろが適当
②アレルギーの心配のないおかゆからはじめる
③スプーンを使い、吸う以外の食べ方に慣らす
離乳完了期・・・栄養の大部分を乳汁以外の食物によって摂取できること。
1歳~1歳半ごろがめやす

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