第1章 健全な児童育成とは

1、子どもの健全育成のための条件
1947年「児童福祉法」
「子どもが心身ともに健やかに生まれるよう母子保健の徹底を図るとともに、子どもの生活の場として家庭及び地域社会においても、子どもが健全に育成されるよう、子どもに対する個別的・集団的な指導や、家庭の健全化、子どもの生活環境の整備が必要である」と解釈することが出来る

2、子どもと家庭を取り巻く環境の変化
■出生率の低下と少子化
2006年に1,32で2005年の1,26より上回ったものの、人口を維持できる2,07には程遠い。

合計特殊出生率
合計特殊出生率は、女性が一生の間に生む子どもの数の平均を示すものである



■少子化の原因と背景
①女性の社会進出とそれによる子育てと仕事の両立の難しさ
②育児の心理的、肉体的負担増
③住宅事情と出生動向
④教育費などの子育てコストの増大

少子化の原因
晩婚化、未婚化
女性の社会進出と、どれによる子育てと仕事の両立の難しさ、育児の心理的・肉体的負担増、住宅事情、教育費の子育てコストの増大などが考えられる



■社会環境の変化
上記以外に
・核家族化
・都市化
・受験戦争の激化
・子どもの遊び場、自然の減少
・地域コミュニティの弱体化

・女性の社会進出における母子接触時間の減少
・父親の長時間労働や通勤時間の長時間化
・父親の単身赴任などによる存在感の希薄さ

■子どもが自由かつ主体的に遊べる場
三間・・・時間、空間、仲間
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第2章 子どもの抱える問題

1、子どもの発達と環境

児童憲章昭和二十六年五月五日
われらは、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるために、この憲章を定める。
児童は、人として尊ばれる。
児童は、社会の一員として重んぜられる。
児童は、よい環境の中で育てられる。


子どもの心身の発達に深い影響を与えるのは、家庭環境と社会環境である

2、家庭環境と児童養護
1、家庭環境の重要性

児童養護におかる家庭環境の重要性
「児童権利宣言」で「社会及び公の機関は、家庭のない児童及び適当な生活維持のない子どもに対して特別の養護を与える義務を有する」とある。
「児童憲章」では、「全ての児童は、家庭で、正しい市場と知識と技術を持って育てられ、家庭に恵まれない児童には、それに代わる環境が与えられる」としている



2、子どもと家庭環境
青少年の非行問題や情緒障害の問題においても、それらの原因のひとつとして、家庭での乳幼児期における養育上の問題(人間関係)があると考えられる

■養育上の問題
①保護者の失業、貧困、病気、死亡などで、、保護者からの充分な養護が受けられない
②保護者の離婚、別居、蒸発など、保護者が家庭を顧みず、保護者からの養護が受けられない
③保護者の就労または疾病などにより、保護者からの保育が受けられない
④保護者の不適切な養護としつけなどにより、子どもの健全な成長・発達がゆがめられる

・養護・・・児童福祉においては、子どもの健全な発育のために日常生活の基本的なニーズを満たしながら、一人一人に対応して家庭や施設で行われる訓練治療を言う。
・保育・・・乳幼児を対象にした養護、教育を言う
・監護・・・民法の親権規定により、こどもを監督、保護、教育することを言う。要保護児童に対しては施設長などが「児童福祉法」によって親権を代行する


■児童虐待の防止などに関する法律 2000年
①身体的な暴力
②わいせつな行為
③養育の放棄、怠慢(ネグレクト)
④心理的な外傷を与える言動
の4項目にわたって定義する



3、子どもと社会環境
①大気汚染公害による子どもの慢性気管支喘息
②交通量増加による交通事故、後遺症から来る心身障害、交通遺児
③自然破壊、地域開発による環境悪化と遊び場の喪失
④保護者の就労から来る監護、保育問題や離婚、棄児、放任、虐待、殺人
⑤核家族化現象による都市の住宅の狭さ
⑥盛り場に出入りする青少年の非行問題

4、社会的養護としての施設養護

施設養護の目的
施設養護の目的は、保護、養育、保育、健全育成、養護、療育、治療、生活指導など、対象児童や施設によって多種多様である。これは、施設養護が身体的、精神的養護のみでなく、リハビリ、社会的自立への援助指導を積極的に行っていくことに重点を置いているためである


第3章 施設養護の歴史

1、わが国の施設養護の歴史
1岡山孤児院と石井十次
1887年日露戦争や飢饉などで孤児になった子どもの養護を目指す。
後に宮崎に里親村を設立、セツルメント活動(知識人や学生、宗教家たちが、スラム街などの貧しい地域へ移住し、生活に困っている人々を教育したり、自立するための手助けをすること)に取り組んだ

2、家庭学校と留岡幸助
1889年、少年の更生に限界を感じ、少年の感化を目指した。
1914年、北海道家庭学校を設立

3第二次世界大戦と児童好く司法の制定
1947年「児童福祉法」を制定

◆わが国初の知的障害者施設
石井亮一の滝野川学園

2、ボウルビィとホスピタリズム論争
施設で育った子どもの心身の発達に何らかの障害が現れるというホスピタリズムを1951年、ボウルビィが報告し、論争に。
・身体的発達の遅れ
・指しゃぶり
・無表情
・心身の発達の異常
これを防ぐために、子どもとのふれあいを密接にすることが効果的と論じる。

ホスピタリズムの原因と防止策
原因・・・母性的養育の喪失(母性剥奪)
防止策・・・職員の増員、施設の小規模化、母性的な接触の重視、ケースワーク(個別援助技術)、グループワーク(集団援助技術)


第4章 児童養護の意義

1、児童養護を考える
養護が実践的な概念であるとされるのは、実際に援助する側(大人)とされる側(子ども)との対人関係を通して、活動が展開され、その関係のあり方が問われるものであるからである。最も重要なのは、養護に対する理論であり、子どもへの援助の方法、内容、姿勢である。

2、子どもの特性とその権利
1、子どもの特性と児童養護
①子どもは日々成長する存在であるので、発達段階に応じて適当な環境を与える必要がある
②社会的に自立していない存在である
③自分の考えや感じたことを言葉で表現する力が弱い存在である

児童養護の意味
児童養護は、子どもの特性に配慮して、社会の責任において行われる実践活動である。その意味では、養護すると言うことは、子供を大人の責任や社会の責任において養育すること、保護することであり、広い意味での教育することをも含む



2、子どものニーズとその保障
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(上に行くほど高次)


3、権利の主体としての子ども
子どもの持つ基本的人権・・・生存権、生活権、発達権

1959年:児童権利宣言・・・子どもは権利の主体であり、権利を享受するものであるが、権利を行使する主体は親や保護者であった。
1989年:子どもの権利に関する条約・・・子どもみずから権利を行使する主体であると明確にされる(法的拘束力がある)

児童の権利に関する条約
子どもは、成長し発達する途上にある人間であり、最善の利益が保証される存在であると同時に、社会の中の個人として権利を行使する主体として、関係した制度や施策、その処遇の決定などに参加していく存在であることを規定している


第5章 児童養護の体系

1、家庭養護と社会的養護
■子どもの育成の責任
①私的責任の段階
保護者による養育が可能である段階
②社会的援助の段階
保護者や住民や地域の社会資源による援助が必要な段階
児童福祉の機能・・・増進、予防、支援
③公的責任の段階
私的責任や公的援助では無理で、国や地方公共団体の施策が必要な段階。
児童福祉の機能・・・保管、代替機能

2、社会的養護の体系
■家庭的養護
(1)里親制度
「児童福祉法」で規定される制度。里親は、養育里親及び要保護児童を養育することを希望するもので、都道府県知事が児童を委託するものとして適当と認めたものを言う。

両親の養育拒否や行方不明、離婚などの理由によって家庭での養育の欠ける子どもに、愛情と理解のある家庭を与え、両親に代わって養育、保護し養育することを保障する制度


①養育里親・・・要保護児童を養育する里親として研修を受け認定を受けたもの
②親族里親・・・児童が里親の三頭身以内の親族であり、児童を監視すべき両親等が死亡等で養育できなくなった場合に認定をうける
③短期里親・・・1年の期間を決めて、児童を養育する
④専門里親・・・2年以内の期間を決めて、児童虐待等の行為により、心身に有害な影響を受けた児童を養育する
(ア)養育里親として3年以上の委託経験を持つ
(イ)3年以上児童福祉事業に従事したもので、都道府県知事が認めたもの
(ウ)知事が(ア)(イ)と同等以上の能力を持つと判断し、専門里親研修の過程を終了しているもの

■里親の必要要件
・心身ともに健康であること
・児童の養育に理解と熱意を持ち、児童に愛情を有していること
・経済的に困窮していないこと
・虐待などの問題がないこと
・「児童福祉法」「児童買春、児童ポルノにかかる行為」の罰金以上の刑に処されたことがないこと

■里親の養育に関する最低基準
①養育の一般原則
②児童を平等に養育する原則
③虐待等の防止
④教育
⑤健康管理
⑥衛生管理
⑦養育計画のせん守
⑧秘密保持
⑨記録の整備
⑩苦情への対応

(2)里親が行う職業指導
保護受託者による職業指導が廃止され、2005年から里親による職業指導が実施されている

■職業指導とは
児童の自立を支援することを目的とし、勤労の基準的な能力及び態度を育てること(里親との雇用関係は存在しない)

■職業指導を行う里親の要件
①指導にかかる職業について相当程度の経験を有していること
②指導にかかる職業及び職場が、児童の福祉の増進を図る観点から適当であり、児童の自立に資するものであること

■職業指導の要件
①1日8時間以上、週40時間以上を越えない
②重量物を取り扱う作業や、有害物を取り扱う作業に従事させない
児童に仕事につく能力が身についたときに、職業指導は終了するが、里親委託が継続できる年齢ならそのまま継続することも可能である

里親
要保護児童を養育することを希望するものであって、都道府県知事が、適当と認めるものを言う


(3)養子縁組制度
保護者のない子ども、家庭に恵まれない子どもに家庭の暖かさと法的安定性を与えることにより、子どもの健全な育成を図る制度。児童相談所所長が調査、認定を行う。
■普通養子
戸籍上は夫婦の養子であると明記され、協議によって離縁可能な制度。当事者同士の合意で成立する
■特別養子
実子として戸籍謄本に記載され、養子であることや実父母の名前は記載されない。家裁に申し立てをし、6ヶ月の観察期間ののち審判により決定される

(4)ファミリーグループホーム

■ファミリーホーム・・・里親が5~6人の子どもを一般家庭の中で養育する
■グループホーム・・・児童養護施設本園とは別の独立した家屋で、5~6人の子どもを児童福祉の専門員が養育する
■小規模グループケア・・・要保護児童の養育に関して相当な経験を有するもの(里親を除く)の住居において養育を行うもので、2008年「児童福祉法」の改正により創設された


第6章 施設における児童擁護

1、施設擁護の意味
■施設擁護とは
①養育環境に問題のある子ども(ひとり親家庭、家庭崩壊、虐待、放任)
②心身に障害のある子ども
③情緒、行動に問題のある子ども

■形態
・入所型「助産施設」「乳児院」「児童養護施設」「母子生活支援施設」「知的障害児施設」「自閉症児施設」「盲ろうあ児施設」「肢体不自由児施設」「重症身体障害児施設」「情緒障害児短期治療施設」「児童自立支援施設」

・通所型「知的障害児通園施設」「難聴幼児通園施設」
・利用型「児童厚生施設」

2、施設擁護の特質
1、施設擁護の利点
①様々な行事など、集団で決定しなければならないことに参加することによって自分の役割を認識し、自分の存在価値を知る
②集団で生活を行うことで、規則や日課などを受け入れることが出来るようになる
③悩みを持っているのは自分だけではないと言う、自己の認知と他者の理解ができるようなる
④情緒的に混乱・動揺している子どもにとっては、集団生活に備わった生活の枠組みによって、日常生活の処理を容易にするとができる
⑤集団生活を通じて、適切な社会行動、自己抑制、自己表現などを身に着けるように出来る
⑥一人の訓練は退屈であるが、他の子どもと一緒に行うことによって楽しみが理解できるようになる

<グループダイナミクス>
複雑な相互関係作用によって成り立つグループの発展過程。発達や衰退の要因、種類、個人に与える影響、リーダーシップ、グループの問題解決などの事象を、実証的にかつ学術的に明らかにすること

2、施設擁護の問題点
①個々の子どもが持つ問題や性質を、保育者が把握することが困難である
②あらゆる活動を集団で行うことによって、個々の子どもの持つ特製にまで保育者の関心が行き届かない
③子どもの自由な時間の確保が困難である

施設擁護の特性
施設における養護では、実の親子における自然発生的な愛情関係の形成は難しい。しかし乳幼児期に必要なマザーリングが不十分であったり、母子分離の経験をしたことでパーソナリティにゆがみを持つ子どもにとっては、保育者の経験と技術を基礎としたさまざまな働きかけが、その養護と治療に、効果的に作用する


3、施設養護の機能
①生活指導と教育を通じて、情緒の安定と成長を図る機能
②心理的、精神的な治療の機能
③施設の社会的な機能

1、生活指導と教育の機能
・生活指導・・・彼ら自身の問題解決能力を高めていく

施設での生活指導は、施設の規則や約束事は最小限にとどめ、入所児童に自由な時間を与えること、自主性を尊重し、指示的にならず、情緒の安定を図り、心理面の成長を促進することが大事である



4、児童福祉施設(児童福祉法の14種の施設)
①助産施設・・・・第一種助産施設(病院)、第二助産施設(助産所)
②乳児院(幼児を含む)
③母子生活支援施設(配偶者のいない女子及び監護する必要のある児童)
④保育所
⑤児童厚生施設(児童館、児童遊園)
⑥児童養護施設(乳児を除く、保護者のいない児童、虐待児など。場合によっては乳児も可)
⑦知的障害者施設・・・・大一種自閉症施設(病院)、第二種自閉症施設(病院以外)
⑧知的障害者通園施設
⑨盲ろうあ児施設・・・盲児施設、ろうあ児施設、難聴幼児通園施設
⑩肢体不自由児施設・・・肢体不自由児施設、肢体不自由児通園施設、肢体不自由児療護施設
⑪重症心身障害児施設
⑫情緒障害児短期治療施設
⑬児童自立支援施設(不良行為、虞犯少年(罪を犯す恐れのある児童))
⑭児童家庭支援センター
児童に関する家庭その他の相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応じ、必要な助言を行うとともに、市町村の求めに応じ、技術的助言その他の援助を行う

第7章 施設養護の基本原理

1、人権の擁護と個別化の原理
1、人権が守られるとは
■精神面
①容認の自覚・・・自分がみなから認められている
②善意への信頼・・・人から同情や哀れみでなく、暖かく見守られていて、人として同等に扱われ、感謝が出来る状態
③成長への期待・・・施設での生活に楽しみを持ち、将来の進路に夢を持ち、生きがいを求める

■物質面
①生命の保証・・・衣食住が整い、生命が維持できる
②健康の保持・・・入所前の生活から脱却し、健康的な生活を営める
③快適な環境の調整・・・快適な生活空間の保持について、細心の注意が払われ、居室や食堂が整備され、遊び場(娯楽室、運動場)図書室、学習室、作業室などが設置されている状態

2、個別化
・継続的なカウンセリングにより、心のふれあいを持つ
・特技の発見、趣味の開拓などを通して、素直な気持ちを表現させ、自分の個性に自覚を持たせ、自信のある生活を送らせる

子どもに心から生きがいを感じさせることが個別化の基本である。いかにして子ども一人一人のニーズを充足させるかが重要な課題である。

2、親子関係の調整
1、子が親を思う気持ち
・子の帰宅を快く思わない親・・・子どもが親を慕う気持ちを知らせ、我が子を思う心を持たせる
・帰るところのない苛立ちを持った子は、怒りを保育者に向けてくるのでゆとりを持った保育が重要

2、親が子を思う気持ち
特に障害児の親は、様々な困難を克服しながら成長を見守って行きたい気持ちが強い。子育て経験や得た知識の積み重ねがあるので、保育者に対して人間性と専門性を期待している。

3、社会参加の原理
1、家庭への復帰
保育者を中心とした日々の生活の中で、規律を守る態度や豊かな心が育成されるように導かれなければならない

2、施設内における社会参加の基盤
年齢差があっても部屋単位、もしくは施設内の生活の中で心が通じるものが出来てくることがある。血の繋がりがなくても大切に育てていくことが重要である。

3、地域社会への参加
気後れする子どもは出来るだけ地域のボランティア活動や行事に積極的に参加させ、地域の人々と普段から顔なじみにするなど、そのつきあいをごく自然のうちに定着させることが大切である。

4、職業社会への参加
将来の自立を考えると、基礎的職業訓練の機会を授けることも大事ですが、地域での実習の機会が持てることが望まれる。実習の場を広く開拓できるように行政や地域に働きかけていくことが望まれる

第8章 施設養護における援助

1、施設における生活リズムと援助

ケースワークとグループワーク
・ケースワーク・・・問題を抱えている子どもに対して、専門的な立場から心理的・社会的に個別に援助すること。個別援助。
・グループワーク・・・集団の中で個人が自発的に行動し、社会的な適応を身につけていくことを専門家が援助すること。集団援助


1、生活日課
生活日課とは、子どもが朝、起床して、夜、就寝するまでの一日の生活プログラムを言う。この生活リズムは固定された不変的なものではなく、子どものQOL(クオリティ オブ ライフ)を考えた生活リズムで、変更可能な融通性のあるものであることが大切である

QOLの向上
QOLの向上は、入所児童と施設職員との共生やお互いに生きがいを持ち充実した日々を送ることに繋がる。


2、生活サイクル
施設における生活サイクルは、子どもの規律正しい生活習慣の形成と生活意欲の増進を図るため、日々の生活リズムに添って、週間、月間、年間という一定の節目を形作りに展開される。

2、衣食住の充足と基本的生活習慣の獲得
■身体的な養護・・・衣食住の基本的なニーズ
これが精神的にも安定を得ると同時に、一日の生活活動の基礎を築き、人格の形成にも大きな影響を与える

1、基本的生活習慣の獲得
食生活の基本は楽しい食事のあり方を工夫することから始まる。食事の内容はもちろん大事だが、生活を共にする子どもたちが、和気藹々とした雰囲気の中で楽しく食事をすることが基本となる。
成長を続けていくなかで、生活圏の拡大とともに、周囲の大人に批判の目を向けながらも、生活者としての人間観や価値観を培っていく。これが生活態度の確立と行動様式の習得に繋がる。

身辺自立が困難な子どもに対する指導
個別的配慮に基づいた処遇方針を立て、一貫性のある助言、指導が必要になる


2、ほめかた・叱り方の工夫

ほめることの意味
子どもは、ほめられることによって、身近にいる大人や子どもから受け入れられ、認められた喜びからくる自負心で、自信を持って行動が出来るようになり、生活態度も意欲的になる


罰は、約束事や生活上のルールを守れなかった時だけに与える。体罰を加えたり、食事を与えなかったり、遊び、親との面会、通信などを禁止したりしてはいけない。

3、心身の健康と性の理解
1、精神的健康
全面的介助を必要とする乳幼児や心身に障害のある子ども、ならびに母性的養育に欠ける子どもにマザーリングやスキンシップが与えられれば、子どもは依存心が満たされ、身体的・情緒的安定を得ることができる。

2、身体的健康
早寝、早起き、適度な運動、食前の手洗い、入浴、清潔な身だしなみを心がけることが、健康維持と増進に欠かせない態度であることを、子ども自身が自覚するように奨励したり援助したリする必要がある。
病気や異常が発見された場合は、看護師や医師に連絡を取り、具体的な指示を仰ぎ、必要に応じて診察、治療を受けさせるようにする。

3、性の理解と援助について
一般家庭となんらかわることがない。人間性尊厳の理念に基づき、子どもの心身の成長、発達段階に応じた自然な形で、正しい知識に基づき素直な態度で行う

4、レクリエーション活動
職員は、四季折々にあわせて、子どもの要望を組み込んだ、生活リズムに変化を与えるようなプログラムを、レクリエーション活動として展開することが望ましい。
例:キャンピング(キャンプ)

第9章 学校教育・地域社会との連携

1、地域との連携の必要性
施設で生活する子どもたちが、地域にある学校で教育を受け、必要に応じて各種の公共機関や施設を利用する機会恵まれ、さらに、近隣地域児童とともに自由に楽しく交わることが出来るようになることは、子どもたちが社会の一員として成長していく上で大切なことである。

2、連携への働きかけ
1、学校教育との連携
施設児童が学校教育と直接関わるのは義務教育の一環として、地域の小中学校や特別支援学校に通学することである。

心身に重度の障害があったり養護にかけるなど、地域の学校に通学が不可能な場合は、施設併設の特別支援学級、ベットサイド学習(病院に入院している子ども)などがある。

幼児の場合は、施設内のプログラムや地域の保育園や幼稚園への通園が実施されている。

2、地域社会との連携
■施設の子どもの社会化
学校での友達関係は、遊びや学習を通じて、人間関係を強化し、色々な生活様式を学ぶことである

■社会資源としての施設
施設が、しい記者会に開かれた施設として機能していくもうひとつの働きは、施設が持つ、人的・物質資源を、地域住民に解放する工夫である。

3、ボランティアとの連携
施設にボランティアを導入することは、地域住民とのふれあいを緊密化し、地域の新鮮な話題や感覚を送り込むことになる。入所児童の生活意欲や精神的健康にプラスになるだけでなく、地域の一住民として自覚ある生活態度にも反映してくることになる。

第10章 施設の運営と管理

1、児童福祉施設の運営と管理
児童福祉施設を運営する上で指標となるのは「社会福祉法」第61条の「事業経営の準則」であり、この条文で、福祉施設を運営する上で、国・地方公共団体・社会福祉法人などの責任を明確にすることをうたっている

2、児童福祉施設職員の資質
・情緒が安定していること
・活動的であること
・リーダーシップがとれること

1、施設長としての職務と資質
スーパービジョンを行うスーパーバイザーとしての資質が必要である

スーパービジョンとスーパーバイザー
個々の専門職員の、専門職としての資質向上を図るための指導・訓練・監督など、一連の職員指導の方法をスーパー簿ジョンという。これを担当する指導職員をスーパーバイザーという


2、援助職員としての職務と資質
専門技術はもちろん、人間性や協調性、向上心や子どもに共感する心も必要である。また、関係機関との連携や職員のチームワークは欠かせない

3.小規模施設におけるスーパービジョン
以前は保育士・栄養士・調理員などの職務が明確に分かれていたが、グループホームなどの小規模では家庭的な養護を展開する施設が増えていて、様々な仕事をこなさなくてはならなくなっている。このため、子どもに接する職員に対するスーパービジョンが重要性を増している。

プロフィール

Mikami Kako

Author:Mikami Kako

おことわり

保育士・図書館司書に関しては、旧システムによるものなので、現在のもの科目編成や内容にずれがあります。放大についても閉講科目が含まれます

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