第1章 小児の発育・発達と食生活

新生児期(出生後4週間)、乳児期(満1歳まで)、幼児期(1~6歳)、学童期(小学校時代)、思春期・青年期(12歳~20歳ごろ)
生後一年で「身長1,5倍、体重3倍)

1、身体発育・精神運動機能の発達
■乳児期
運動面の発達が中心

■幼児期
精神面・情緒面の発達が活発
満1歳ごろから歩き始める
3歳で走る、階段の上り下りが出来る。スプーン・フォーク・箸のシツケの時期
脳の発達・・・満1歳で出生時の二倍、6歳で成人と同じ重量
2~3歳は自己主張も出来るので、排泄などの生活習慣のシツケの好機

2、食べる機能・消化吸収機能発達
■生後2・3ヶ月ごろに、もっとも旺盛な哺乳力を示す。
■乳汁を吸引する反射運動・・・「探索反射」「補足反射」「吸てつ反射」「嚥下反射」
■生後3ヶ月以内は「提舌反射」があるので固形物を与えるのは難しい
■離乳の時期・・・生後5ヶ月、体重7kg


唾液
胃液
膵液
腸液
その他
糖質
プチアリン
(唾液アミラーゼ)


アミロプシン(膵アミラーゼ)
マルターゼ
ラクターゼ
スクラーゼ
マルターゼ
ラクターゼ


たんぱく質


ペプシン
カテプシン
レンニン(乳児
)母乳のカゼイン
を固まらせて消化
しやすくする
トリプシン
キモトリプシン
カルボキシペプチターゼ
エレプシン
アミノペプチターゼ


脂質


リパーゼ
ステアプシン
(膵リパーゼ)
腸リパーゼ
胆汁酸
その他


塩酸(殺菌作用)
炭酸水素ナトリウム





3、小児の健康と食生活の実態
学童期の肥満はそのまま成人の肥満につながることが多い→生活習慣病
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第2章 栄養に関する基礎知識 1

1、栄養素・栄養生理・代謝
■5大栄養素
「有機物」・・・(炭水化物)糖質・脂質・たんぱく質・・・熱量素
「無機物」・・・ビタミン・無機質


(1)炭水化物
炭水化物の種類
単糖類
少糖類(オリゴ糖)
多糖類
繊維
ブドウ糖
果糖
ガラクトース
ショ糖(ブドウ糖+果糖)
・・砂糖


麦芽糖(ブドウ糖2つ)
・・水あめ


乳糖(ブドウ糖+ガラクトース)・・牛乳・人乳


ラフィノース(3つ全部)
・・・てんさい
でんぷん(アミロースとアミロペクチン)


アミロペクチンはねばねば







デキストリン・・あめ
セルロース、ペクチン、ガラクタン、グルコマンナン(こんにゃく畑)


水溶性
不溶性
消化されない


甘い
甘くない
食物繊維として役に立つ

・乳糖を構成するガラクトースは脳・神経系の構成物質としての役割を担っている
・オリゴ糖・・・虫歯予防、整腸作用、血糖値改善作用、血圧低下などがある
・食物繊維摂取量は1000kcalあたり10g

(2)脂質
■特徴
①1gあたり9kcal(炭水化物は4kkal)
②腹持ちがよい
③必須脂肪酸(かならずいる脂肪酸で「リノール酸・リノレン酸・アラキドン酸」)の給源になる
④脂溶性ビタミンの媒体となる
⑤ビタミンB1の節約作用

■脂肪酸の種類
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■コレステロール
HDLコレステロール(悪玉)
LDLコレステロール(善玉)

■脂質の食品摂取基準
総脂質は決められているが、脂肪酸については18歳以上のみ決められている(それ以下はめやす)

(3)たんぱく質
人間の身体の60%は水で残りがたんぱく質である
■特徴
・体液のPHを調整する
・血液中のヘモグロビンは酸素や二酸化炭素を、血漿タンパク質は脂質やホルモン、カルシウムと結合して血液中を運搬する
・酵素やホルモンの合成材料で、感染から生体を予防
・エネルギー源としては1gあたり4kcal
・成長期の小児は、動物性たんぱく質の摂取比率は40~50%

■必須アミノ酸・・・食物から摂取しなければならないもの
イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、ヒスチジン(小児の発育に必要)、などがある
必須アミノ酸ではないが、可決アミノ酸のアルギニンも小児の発育に必要である

■たんぱく質の分類
①単純たんぱく質
卵アルブミン・・・アレルギーの元
コラーゲン
②複合たんぱく質(糖や色素が入ったもの)
カゼイン・・・乳児の発育に重要な役割を担う
ヘモグロビン・・鉄と結合する

(4)無機質の働き、欠乏症
名称
働き
カルシウム
骨・歯の構成成分
神経の興奮を鎮める
りん
(摂りすぎのほうが心配)
マグネシウム
酵素の活性化
ナトリウム


カリウム


ヘモグロビンの構成成分
亜鉛
味覚機能・性機能


ヨウ素
甲状腺ホルモンの構成成分
セレン
抗酸化作用

(5)ビタミン
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(6)水
乳幼児は新陳代謝が盛んなので、水分必要量は成人の約二倍である。体重の12~14%以上の脱水は、循環器障害を起こして危険である

第2章 栄養に関する基礎知識 2

1、食事摂取基準とその活用
平成17年間から5年間使用する、「日本人の食事摂取基準」では、疾病の一次予防(病気にならないこと)に重点が置かれている

■見直しのポイント
増やすべき栄養素・・・食物繊維、n-3系脂肪酸、カルシウム、カリウム
減らすべき栄養素・・・コレステロール、ナトリウム(食塩)

①エネルギー
推定エネルギー必要量を策定(過不足のリスクがもっとも少ない値)
②栄養素
・推定平均必要量・・・該当する人々の50%が必要量を満たす
・推奨量・・・ある性・年齢階級に属する人の97~98%が1日の必要量を満たす摂取量
・めやす量・・・ある性・年齢階級の人が、良好な健康状態を維持するのに十分な量
・目標量・・・一次予防をするために、当面の目標とする摂取量
・上限量・・・過剰摂取によって健康障害をおこすことのない最大限の量
③年齢区分
6~8歳、9~11歳を学校給食基準との整合性から6~7歳・8~9歳・10~11歳にした。

■男女差
総エネルギー消費量は、12~14歳は女子、15~17歳は男子が上回る

2、献立作成と調理の基本

赤軍(血の色)・・・血や肉を作る・・・主にたんぱく質・・・無機質、魚肉、卵乳、豆類
黄軍(燃える色)・・エネルギーの元となる・・・主に炭水化物・・・脂質、穀類、イモ類、油脂類
緑色・・・体の調子を整える・・・主にビタミン・・無機質、野菜、果物、海藻類


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(1)献立作成の留意点
調理に使用する食品は鮮度のいいものを。食中毒の危険性の高い食品は避ける

第3章 妊娠・授乳期の食生活

1、妊娠過程と妊婦の食生活
妊娠中に喫煙すると、胎児の発育を遅延させ、低体重児(2500g以下)の未熟児の生まれる場合がある。また、乳児の受動喫煙は、乳幼児突然死症候群の発症と関係がある。

2、妊娠中のトラブルの予防と食生活
(1)貧血・・・妊娠中は鉄が供給される必要がある
(2)肥満・・・妊娠中はホルモンの影響で便秘になりやすい
(3)妊娠高血圧症候群(妊娠中毒症)・・・妊娠20週以降~分娩後12週までに高血圧が見られる場合、また高血圧に蛋白尿が見られる場合を言う。過重性妊娠高血圧腎とは、元々高血圧症や腎臓病がある場合である。

3、母乳分泌と授乳期の栄養・食生活

脳下垂体前葉から「プロラクチン」(乳汁の生産を促進)
脳下垂体後葉から「オキシトシン」(射乳反射を促進)
で、乳汁分泌がはじまる


異常分娩や高血圧症、精神的ストレスなどは乳汁分泌を遅延させる
コーヒー、紅茶などのカフェインやアルコールは30分から一時間以内に母乳中に出現するので、出来るだけ控える

第4章 乳児期の栄養と食生活

1、乳児期の心身の特徴と食生活
生後5ヶ月ごろから離乳をはじめ、12~18ヶ月で完了する

2、乳汁栄養
(1)母乳栄養
母親の乳房が化膿している、次の子を宿した、伝染病、糖尿、心臓病などの慢性疾患があるばあいは授乳をやめること。
乳児の自己リズムに合わせて授乳する自律授乳が一般的である
■母乳と牛乳の栄養成分比較
・たんぱく質・カゼイン・・・牛乳のほうが多い
・糖質・・・母乳の方が多い

3、離乳の意義と離乳食の進め方
■食事の目安
(離乳開始時)
粥(米)→じゃがいも、野菜、果物、白身魚
蜂蜜はボツリヌス菌予防のため、満1歳まで与えない
(生後9ヶ月ごろ)
鉄分が不足し始めるのでレバーを与える。フォローアップミルクは9ヶ月以降に


生後5.6ヶ月
7~8ヶ月ごろ
9~11ヶ月
1218ヶ月
食べ方の目安
1日一回1さじ
母乳・ミルクは好きなだけ
1日2回食
1日3回食
自分で食べる楽しみ(手づかみ)
調理状態
なめらかにすりつぶした状態
舌でつぶせる堅さ
歯茎でつぶせる堅さ
歯茎で噛める堅さ
内容
粥・豆腐・白身魚
全粥・卵黄
柔飯
ご飯

第5章 乳幼児の食生活

1、乳幼児の心身の特徴と食生活
(1)心身の発育
・乳歯・・・満1歳で上下4本、2歳半から3歳で上下10本の乳歯が生えそろう

(2)食生活の配分
食事の区分
1~2
3~5歳
朝食
20~25%
25~30%
昼食
30%
30%
夕食
25~30%
30%
間食
15~20%
(午前・午後の2回)
10~15%
(午後1回)

2、間食の意義と実践
(1)間食の与え方
一日のエネルギーの10~20%を目安とし、食事との間隔は二時間以上あけるようにする

(2)間食の注意点
①穀類、イモ類、豆類、乳製品、果実類を中心とし、高脂質・高タンパクは少なめに
②水分の多い牛乳や果物、果汁を与える
③甘みの強い食品や塩分、油脂の多いものは避ける
④安全性、衛生に問題のある食品は避ける
⑤多種多様の市販の食品は、幼児の楽しみとして与える

3、栄養上の問題点
偏食は3歳ごろから増加する

第6章 学齢期・思春期の食生活

1、学齢期・思春期の心身の特徴
■第二次性徴ホルモン
・男子・・・アンドロゲン
・女子・・・エストロゲンとプロゲステロン

第二次急進期は、女子のほうが早く出現し、10~12歳ごろでは、身長・体重共に男子を上回る。男子は2~3年遅れて発育速度が著しくなる

2、学齢期・思春期の具体的な食生活

■神経性食欲不振症の診断基準
・標準体重のー20%以上のやせ
・食行動の異常(不食、大食、かくれ食い)
・体重に対する歪んだ認識(体重が増えることへの異常な恐怖)
・発症年齢:30歳以下
・無月経
・やせの原因と考えられる気質性疾患がない


第7章 小児の疾病・障害と食生活

(1)食事介助への手順
食事の準備
・食堂の準備
・箸やスプーン、おしぼり、補助具の準備
食堂への移動
・車椅子での搬送
・トイレ誘導
食事介助
・食欲の低下時には原因を考え、献立・味付けに留意し、食事量を観察する
・咀嚼機能の低下時は原因を考え、献立・調理方法に留意し、食事量を観察する
・手指に機能障害がある場合は自助具を選択する
後片付け
・与薬
・歯磨き
・車椅子移動
・下膳、食堂掃除

(3)糖尿病
食事管理には「糖尿病療法の為の食品交換表」を利用する。各食品が1単位(80kcal)にあたる量がgで示してある

第8章 児童福祉施設における食生活

1、給食の特性
食品検査保存食は、原材料及び調理済み食品を50gづつ、清潔な容器(ビニール袋など)に入れてー20℃以下で2週間保存する

2、保育所保育指針「食育推進」
保育所保育指針(平成20年3月告示)
①子どもが食べることを楽しみ、食事を楽しみあう子どもに成長していくこと
②食事の提供を含む食育の計画を作成し、保育の計画に位置づけるとともに、その評価及び改善に努めること
③子どもと調理員との関わりや、調理室など食に関する保育環境に配慮すること

■食育の目標
①おなかがすくリズムのもてる子
②食べたいもの、好きなものが増える子ども
③一緒に食べたい人がいる子ども
④食事づくり、準備に関わる子ども
⑤食べ物を話題にする子ども

プロフィール

Mikami Kako

Author:Mikami Kako

おことわり

保育士・図書館司書に関しては、旧システムによるものなので、現在のもの科目編成や内容にずれがあります。放大についても閉講科目が含まれます

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