第4章 子供の健康指標とわが国の小児保健水準

1、保健水準と評価の意義

保育水準・・・ある一定の集団(国・都道府県・市町村)における人々の健康状態の程度

2、保健水準の指標
■保健衛生関連の主要5統計
1、人口動態統計
時とともに変動する人口の状態を、一定期間(通常1年)の出生・死亡・婚姻・離婚・死産などの発生によって捉えた統計
2、人口静態統計
ある特定の日時に調査し、静止した状態での人口の状態
3、疾病統計
4、国民健康・栄養調査
5、学校保健統計

3、主要な健康指標

1、死亡に関する指標
①死亡率・・・死亡数÷人口×1,000
②年齢調整死亡率
毎年の性別・年齢別人口構成を昭和60年モデル人口に置きなおして計算したもの
③乳児死亡率・・・乳児死亡数÷出生数×1,000
④新生児死亡率・・・新生児出生数÷出生数×1,000
⑤平均余命・・・ある年齢に達したものが期待できる生存年数のこと
(0歳のものの返金余命を平均寿命という)
⑥50歳以上死亡割合・・・全死亡者数のうちで、50歳以上の死亡数の占める割合
⑦死因別死亡率・・・人口10万人に対して、ある死因で死亡した割合をさす

2、病気に関する指標
①受療率
一定時点内における人口10万人当たりの医療機関利用推計患者数
②有訴者率
医療機関・香以後保健施設への入院・入所者を除き、病気や怪我などの自覚の有るもの

4、わが国の保健水準の実際

1、保健水準の向上
①死亡率の低下
②乳児死亡率の低下・・・その地域の母子保健や医療状況、衛生状態や生活水準を反映するめやす

○乳幼児死亡原因
・先天奇形・変形及び染色体異常
・周産期に特異的な呼吸州外及び心血管障害
・乳幼児突然死症候群
・胎児及び新生児の出血性障害および血液障害
・不慮の事故(窒息や誤嚥)

③平均寿命の延長
2005年に男性78.53歳、女性85,49歳と世界で有数の長寿国になっている

2、人口

①人口の推移・・・明治以来増加の一途をたどっている
②年齢別人口構成と人口ピラミッド(形としてはひょうたん型になっている)
③年齢三区分(年少・生産年齢人口・老年人口)別人口
・人口は2005年にピークを迎えた
・老年人口の割合は、2055年に40.5%に達する
・年少人口の割合は、2055年に8,4%まで減少する
・生産年齢人口の割合は徐々に減少し、2055年には51.1%になる

3、死因別死亡率の変化
一位「悪性新生物」(ガン・白血病)
二位「心疾患」(心筋梗塞・心不全・狭心症)・・・20年前は3位
三位「脳血管疾患」(脳出血・脳梗塞)・・・20年前は2位
この3つは3大生活習慣病と呼ばれる

5、小児保健水準の実際

1、出生
①出生率・・・・出生数÷人口×1,000
わが国の出生率は下降の一途をたどっている。

○原因
・子供を産む年齢の女子人口が減っている
・晩婚化が進んでいる
・結婚している女子の出生力が低下している
(仕事と育児の両立が難しく、住宅事情が悪い)

②出生順位と母親の年齢
少子化のため第三子の出生が少なくなっている
③出生場所と立会者
医師立会いによる施設分娩は、母体と出生児の死亡を減少させ、出生児の障害を軽減することに役立っている

2、死産
①死産率・・・死産数(自然死産数+人工死産数)÷(出生数+死産数)×1,000
自然死産数は減少しているが、人工死産数は昭和50年ごろから上昇し、平成15年から再び低下している

②死産の原因
周さん期に発生した病態・・・先天奇形・変形及び染色体異常
母親の病態・・・腎臓及び尿路疾患、高血圧性障害、胎盤などの合併症

3、周産期死亡
①周産期死亡率・・・妊娠22週以後の死産と生後一周未満の早期新生児死亡をあわせたもの
②原因
周さん期に発生した病態・・・先天奇形・変形及び染色体異常
母親の病態・・・腎臓及び尿路疾患、高血圧性障害、胎盤などの合併症

4、妊産婦の死亡
①妊産婦の死亡率
1960年代は3ケタだったが年々減少し、2004年には欧米諸国と同じ水準になっている
②原因・・・妊娠高血圧症行群、肺決戦塞栓症、分娩後異常出血、分娩前出血

5、乳児の死亡
○原因
1位・・・不慮の事故
2位・・・先天奇形・変形及び染色体異常
3位・・・悪性新生物

○不慮の事故の種類
1位・・・交通事故
2位・・・溺死
3位・・・窒息
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第3章 保育における子供の健康

1、小児保健にとっての保育の意義

1、生命と成長を守る
①一人一人の子供に応じた順調な発育・闊達を促す
②その発育・発達段階に適した生活を送る
③次の段階の発育・発達への順調な足がかりとなる

2、ささいな異常に気づくことが出来る

2、健康を保つための保育の方法
①母親を含めた家族による育児活動
②保育所・幼稚園など集団生活の場における保育活動
③医療機関における個人を対象とした保健活動
④国・地方公共団体が実施する法律に基づいた保健活動などがある。

○健康管理・・・健康診断や予防接種などを行う直接な働きかけ
○健康教育・・・健康に必要な知識を与え、健康の保持・活性化のために日常生活での態度や行動を改善させる指導を行う、間接的な働きかけ

■健康づくりの三要素「栄養」「運動」「休養」
①正しい栄養摂取
②適度な運動と適度な休養
③安定した精神状態の保持
④病気の早期発見・早期治療

3、集団保育における保健活動の役割
1、一人一人の子供に健康障害が発生しないように配慮する
2、その健康障害が祖の集団の場にいる全ての子供に影響しないように配慮する

4、保育者に求められているもの
①保育に関する充分な知識
②しっかりとした技術
③ふさわしい態度

第2章 子供の健康に影響を与える環境要因

1、子供の生活環境の諸要因

○外的要因
・社会環境・・・家庭環境。地域環境、保育所、幼稚園など
・自然環境・・・物理的環境、化学的環境、生物学的環境など
○内的要因
・遺伝子素質(生まれつきの素質)

2、社会環境

1、家庭環境
○物的側面・・・住居、衣服、食物、日常の生活用品、使用機器
○人的側面・・・両親、祖父母、きょうだい

①両親
新生児期には、とくに母と子の間で緊密なふれあいを多く持つことが、その後の母子関係の確立や乳児期の心の安定、順調な発育・発達のために重要であるといわれている
②祖父母など
母親のしつけと祖父母のしつけが一致しない場合、子供が情緒不安定になる
③きょうだい
長子は、次子が生まれると退行現象を起こすことがある。このときは、周囲の人々の細やかな愛情ある心遣いが必要である

2、地域環境
○物的側面・・・道路や施設、子供の遊び場
○人的側面・・・近隣の住民、遊び友達

①遊び場
子供がのびのびと思い切り遊べるような遊び場が必要である。
②遊び友達
友達との遊びやけんかを通じて、お互いに社会性を育てていく。近隣の子供とよく遊ぶ機会を作ることが大切。

3、保育所・幼稚園環境
○物的側面・・・園舎や園庭、保育遊具
○人的側面・・・保育者や園児

①広さ・気温・湿度・通風・採光などの点で適していること
②公害などがなく、衛生面で適していること
③風紀の乱れた盛り場などが泣く、教育面で適していること
④交通面での安全性が保たれていること

4、現代社会における社会環境の変化
・都市化により住宅の高層化や縮小化、車の増加によって子供の遊び場が狭く、少なくなっている
・家庭用ゲーム機の普及
・核家族化により母親の育児不安が増え、過保護や過干渉になりがち
・少子化によりきょうだいも遊び友達も減少している

3、自然環境

1、空気
■空気の正常な成分・・酸素21%、窒素78%
■健康を害する空気中の異常な成分「一酸化炭素」・・許容量0.01%
(0.02%で頭痛が起こり、0.32%では30分で死亡)

2、気温・湿度・気流(風)
■至適温熱条件
・気温・・・冬季18~20℃、春秋22~23℃、夏季25~26℃
・湿度・・・年間を通じて50~60%
・気流・・・0.2~0.5m/秒

■不快指数
70未満・・・快適
70以上・・・不快に感じる人が出始める
75以上・・・半数以上が不快
80以上・・・全員が不快
85以上・・・我慢できないほどの不快

■気温の異常による障害
・熱中症・・・体温調節中枢が失調することでおこる。吐き気・頭痛・めまいなどで、重症の場合は意識障害やけいれんなどを起こして死亡することもある
・凍傷・凍死・・・体温が26℃以下まで下がると凍死する危険性がある

3、日光
■赤外線・・・血液の循環をよくする作用や鎮痛作用があるが、当たりすぎると熱中症ややけどをする
■紫外線
・ビタミンDを形成する(くる病や骨形成不全の予防に効果がある)
・殺菌作用がある
・新陳代謝を高め、赤血球、白血球、血小板を増加させる
・皮膚に強く当たると紅斑や水泡をつくり、色素沈着を起こす
・必要以上に当たると皮膚がんを起こす原因になる
・目に強く当たると眼炎を起こす

4、保育のための生活環境条件

1、子供の健康を支える住まいの条件

■住宅の基本条件
・住居面積にゆとり(一人当たり4.5畳程度)があること
・通風・換気・温度調節・採光など屋内気候が適当であること
・衛生的な生活を営める設備があること
・事故、災害を防止する備えがあること

■換気
空気中の二酸化炭素濃度が0.1%以下がめやす
○自然換気・・・建物のスキマなどから空気が自然に入れ替わること
○人口換気・・・機械を使って換気すること

■冷房・暖房
○冷房の適温は25℃だが、外気との差を5℃以内にすること
○20~22℃で換気に心がける

■採光と照明
○自然採光・・・窓の大きさ・形・方角・天候に影響される
○人工照明
・作業に適した照度があること
・室内の照度の分布が等しいこと(場所によって差があると目が疲れる)
・光が直接眼に入らないこと(眼精疲労の元になる)
・経済的で操作が簡単であること

2、健康のための衣服条件

■衣服気候(被服気候)
衣服と身体表面との空気の温度と湿度のことをいう。
気温32プラスマイナス1℃、湿度50プラスマイナス10%が至適条件

■衛生的な衣服の条件
・体温の調節に適している
・皮膚の保護に適している
・汚れにくく、汚れても洗濯し易い
・活動しやすい

3、飲料水としての水の条件

■水と健康
人体に必要な水は一日約2~3ℓ
乳幼児は体重あたりの必要量も多くなる。乳幼児は脱水症状を起こしやすいので、水分補給を心がける
■飲料水の条件(水質基準によって守られている)
・無色透明で臭気や味が異常でないもの
・ph5.8以上8.6以下
・病原微生物や寄生虫などがいない
・有害物質を含まない(鉄・銅・鉛などを必要以上に含まない)
・硬度は18度以内

5、健康を脅かす環境要因

1、公害の定義
大気汚染・水質の汚染・騒音・振動・地盤沈下・悪臭によって、人の健康または生活環境にかかる被害が生ずること

2、主な公害
○大気汚染
二酸化いおう、一酸化炭素、窒素酸化物、光化学オキシダント(環境ホルモンのひとつ。煤煙や排気ガスが紫外線によって化学反応を起こす。目や鼻、のどに刺激症状が起こる)、ダイオキシン
○水質汚濁
・有機水銀中毒・・・水俣病
・カドミウム中毒・・・イタイイタイ病
○騒音・・・ピアノ、カラオケ、クーラーの室外機
○振動・・・発生源は工場、建築現場、交通機関など

2、下水の処理
・家庭から出る家庭排水
・工場から出る産業排水
・街角や住宅から流出する雨水

3、廃棄物処理
○廃棄物の種類
・一般廃棄物・・・ごみ、し尿
・産業廃棄物・・・事業活動によって生ずるもの

■ごみ処理
ごみ埋立地の確保は困難になって来ているので、ごみ処理問題の解決のためには「ごみ排出量の制限」「再利用の推進」「廃棄物処理施設の整備」などがある
■し尿の処理
下水道を経て終末処理場で処理されるのが最も好ましい
■産業廃棄物の処理
最も多いのが汚泥、次いで家畜糞尿、がれき類である。

第1章 健康の定義と小児保健の意義

1、健康の定義

1、WHOの健康概念
健康とは、身体的、精神的および社会的に完全に良好な状態であって、単に疾病や虚弱でないと言うことではない

2、子供の健康の特徴

1、子供は発育・発達しつづける存在である
未熟な段階から、しだいに成熟した段階へと変化し続けている

2、適切な保育の必要性
個人差を考慮した、適切な保育によって、はじめて子供の健康が保持・増進され、成長を促すことが出来る

3、小児期の年齢区分
①出生前小児(胎児)期
②新生児期・・・出生後4週(28日)未満
③乳児期・・・出生後1年未満
④幼児期・・・1歳から小学校就学前
⑤学齢期・・・小学校入学から高校卒業まで
⑥思春期・・・年齢によっての区別は出来ないが、性成熟を基盤として生じるもので、およそ12~18歳ぐらいの期間を指す

4、小児保健の意義
小児保健とは、子供が健やかに育つこと(子供の健康の保持・増進)を目的とした保育活動を言う

第12章 心の問題と診断と治療

1、心の問題の診断

1、面接法
①自由面接・・・来訪者に自由に話させる方法で、個人的な情報を得るのに有効
②直接面接・・・問題となっている領域に対して、答えさせる方法
③統制面接・・・一定の法則にしたがって順序を追って質問し、答えさせる方法

2、観察法
①自然観察法・・・保育の場などで、現実の子供の行動を観察ポイントを設定しながら観察する
②実験観察法・・・対象者に一定の場面条件を与えて、その条件下での行動を観察する

3、知能テスト(個別式と集団式があり、子供には個別式が適切)
○ビネー式知能検査・・・実際の年齢に比べての精神年齢の進み具合を測定するもの(IQ)
・IQを求める式
知能指数(IQ)=精神年齢(MA)÷生活年齢(CA)×100
○ウェクスラー式知能検査(言語性検査と非言語性の運動検査があり、障害のあるものにもその特性に応じた検査が出来る)

4、性格検査
①投影法(どのようにでも解釈できる曖昧な刺激を与え、それに対する反応や解釈の仕方によって、個人の無意識な要求や感情などを分析して診断する方法)
・ロールシャッハテスト・・・シミを見せて何に見えたかを答えさせる
・TAT(絵画統覚テストまたは主題統覚テスト)・・・人物が描かれている絵を見せて物語を作らせ、その内容を分析する
・CAT(児童統覚テスト)・・・子供用に動物を擬人化した絵を用いる
・RFスタディ(絵画欲求不満テスト)・・・ある人物が困難に直面している場面を見せ、祖の人物がどのように応答するかを答えさせる
・SCT(文章完成法テスト)・・・不完全な文章を見せて、続きを書かせる
・バウムテスト・・・紙に木(バウム)を書かせて、その紙の使い方や位置、枝葉などから性格を分析する

②質問紙法・・・印刷された言語刺激に対する反応を見る(YGやMMPI(ミネソタ多面人格検査))など

③作業検査法・・・作業の経過や結果から性格を見る(内田・クレペリン検査)など

2、精神療法の方法

1、医学的治療法
薬物療法が主である

2、心理療法(狭義の精神療法)

①遊戯療法(プレイ・セラピー)
10歳ぐらいの子供を対象とし、治療者と1対1、もしくは小集団で行われる。
②カウンセリング
クライエントとの面接を通じて、クライエントの状態が良い方向へ向かうように相談を進めていく方法。
・指示療法・・・カウンセラーが積極的に意見を述べ、正しい方向へ導こうとするもの
・非指示療法・・・ロジャーズが提唱。来訪者の感情を理解し、来訪者の望ましい方向を発見して養育態度が改善されるように援助する方法。

3、ケースワーク(ソーシャルケースワーク)
社会的側面から見て問題を持つ個人や家族に個別的に働きかけ、社会環境に適応するように援助する方法

4、精神分析法
フロイトが提唱。何でも頭に浮かんだことを話しなさいと一切のの制限を排斥し自由に連想語を想起させる自由連想法を基本としている。主として大人や年長児に適用される。

5、心理劇(サイコドラマ)
あるテーマをめぐって劇を演じる中で、個人の自発性・創造性を促し、情緒的緊張や不安を解消しようとするもの

6、催眠療法
催眠中の心的特性を利用して行う方法。催眠を誘導すること自体にも治癒効果があり、精神の休息が得られ、自己回復・自己調整機能が促進される。

7、集団療法(グループセラピー)
あらゆる心理療法を集団を通じて行い、治療効果を期待する。共通の悩みを持つものの集団の中で、緊張の緩和や安定感を持つことが出来る

8、行動療法
・オペラント条件付け(良いことをしたら褒め、悪いことをしたら罰する)
・モデリング療法
目的の望ましい行動に至るまでのいくつかの中間目標行動を順次強化して行き、最終的な目的に到達させるもの

9、箱庭療法
箱の中に自由に作品を作らせて、その作品から心理状態を把握し、治療に役立てていく。
言語によるコミュニケーションに問題がある子供の治療に効果的である。

10、感覚統合療法
人間は、身の回りの情報を感覚を通じて受け止め、中枢神経に伝えている。これらを上手に利用する過程を感覚統合という。
エアーズが提唱。
感覚統合を通じて、周囲の環境との相互関係が円滑になり、満足できる経験が出来るようになるとし、学習障害の治療法として感覚統合療法を提唱。

11、音楽療法
芸術療法のひとつ。歌唱や演奏、音楽鑑賞を通じて、対象者の抑圧された感情を和らげる療法。

第11章 身体的障害の精神面への影響

1、肢体不自由の影響
四肢(手足)及び体幹(胴体と首)の運動機能に障害があり、日常生活を営むのに支障の有る子供を肢体不自由児という

■障害の精神面への影響
①日常の行動が制限されがちなため欲求不満を生じやすい
②親の過保護によりわがままになったり不安になったりする
③他の子供と異なっていることを強く意識し、劣等感を持ちやすい

■身体虚弱の精神面の影響
①安静または運動の制限など、行動が束縛されるために、不満や劣等感を持ったり反抗的になったりする
②養育者の過保護に寄って情緒の発達が未熟になり、周囲の環境への適応能力に欠けることが多い
③養育者の持つ様々な不安が子供に投影されて、強い不安を持つようになりやすい

2、感覚・コミュニケーション障害の影響

■視覚障害の精神面への影響
①歩行に制限を受け、会話でも表情や身振りなど非言語的手がかりが得られないため、身体発育や日常動作の能力に遅れが生じやすい
②①の理由で、自己中心性が強くなる。依頼心・依存心が強くなる。固執性・閉鎖性が強くなる。恐怖心や心配性が目立つなどの傾向が見られる

■聴覚障害の精神面への影響
言語の習得が非常に困難であり、身振りや物まね、または文章でコミュニケーションを図る。そのため意思の交換が即座に、または思うように出来ないこともあり、情緒不安定になりやすい。また、衝動的に行動したり、かんしゃくを起こすことが有る

■言語障害・・・3~4歳を過ぎても言語発達がなかったり、発音障害がある場合は専門家の診断が必要である。

1、言語発達遅滞
言語開始の遅れ、二語文が出来ない、言語の発達の遅れ

(原因)
・聴覚障害のために周囲からの言語的刺激が少ない
・知的障害などの知的発達の遅滞
・情緒障害
・脳性まひによる障害
・家族との会話が全くない

(対処法)
・遅延の要因を取り除くことが可能な場合には、これに努める
・充分な言語刺激を与える
・子供を受容し、聞き手になってやる(無理強いはしない)
・言葉を矯正したり、発音を注意しない

2、構音異常
①子音の入れ代わり・・・(例)サカナ→チャカナ
②音の省略・・・(例)ヒコーキ→コーキ
③音のひずみ、発音の不明瞭
6歳から7歳を過ぎても見られる場合は治療を必要とする

(原因)
発声器官の障害・知的障害・聴覚障害・情緒障害

3、音声の異常
(原因)
発声器官の障害・聴覚障害・情緒障害・環境の影響

4、吃音
(原因)
不明

5、特異的な言語障害
・特異的会話構音障害・・・発音の誤りや省略が生じるため、相手が会話を理解できない
・表出言語障害・・・適切な言葉を使うことが出来ない(男子に多い)
・受容性言語障害・・・言葉に対する理解の遅れがあり、コミュニケーションがとりにくい。知っている言葉でも反応しない、簡単な指示語、疑問や否定の言葉を理解できない。成人になっても障害が残る

第10章 知的障害と脳障害

1、知的障害
色々な原因によって知能の発達が遅れているために、社会的適応が困難な状態を言う。
○知的障害の分類
軽度:IQ75~55ないし50
中度:IQ55ないし50~40ないし35
重度:IQ40ないし35~25ないし20
最重度:IQ25ないし20以下

1、症状
初期症状・・・運動機能の遅れ(座れない・歩行開始が遅れる)
        感覚情緒の発達の遅れ(あやしても笑わない・物や人物に関心を示さない)
幼児期前半・・・言語機能の発達の遅れ
児童期・・・常同運動、異食、嘔吐癖、自閉的態度
知的障害児は、運動機能と言語機能がともに遅れている場合が多い

2、原因
■遺伝子・染色体の異常
①ダウン症(21トリソミー)
出生数1000に一人の割りで起こる。
短頭・指・耳・鼻・口などの末端の発育不全
皮膚や筋肉の強度な弛緩
目じりの上がった細い眼
しばしば心臓病などの内臓の形成異常がみられる
②クレチン症(甲状腺の機能不全)
甲状腺刺激ホルモンの欠損・胎生期のヨード(ヨウ素)不足が原因(?)
7000~8000に一人の割合で起こる
身長発育の遅れ
乾燥してざらざらした弾力性のない皮膚
むくんだ顔つき
低体温
不活発で緩慢な動作
食欲不振
乳児期前半で判明した場合は、甲状腺ホルモンの投与で知的障害を予防可能
③フェニルケトン尿症
先天性たんぱく質代謝障害
皮膚・毛髪の色素が少ない
身体が前傾ぎみで筋肉硬直がみられる
手先がふるえ、反射運動が亢進している
早期に発見して治療乳や治療食を与えることにより、知的障害を予防可能

■胎生期障害によるもの
影響を及ぼすものは放射性物質(レントゲン)・母体のウイルス感染(風疹など)・一酸化炭素中毒や貧血などによる酸素不足・母体の栄養障害・薬物(有機水銀・鉛・アルコール・ニコチン)・感染性疾患(トキソプラズマ症)など

■出生時の外傷と出生後の脳損傷
難産・早産・酸素欠乏による仮死状態・頭蓋内出血・血液型不適合による重度の黄疸
出生後の障害としては、頭部外傷・髄膜炎・脳炎・脳症など

2、知的障害の治療と指導
3歳ぐらいまでに総合的な器質的検査を行う必要が有る。
医学的治療としてはクレチン症やフェニルケトン尿症のように、予防・治療可能なものがあるが、大半は決定的な治療法がないのが現状である。

4、仮性知的障害児
知能が正常であるにも関わらず、知的障害児に似た行動や状態を示す子供。

①精神的環境が不十分な場合
幼児期の母性愛の不足による情緒障害
②身体上の障害が有る場合
運動機能や言語発達の遅れから知能検査の成績が悪く、知的障害と診断されてしまう場合
③知能を低下させる病気が有る場合
てんかん児・甲状腺機能不全の子供・脳水腫のある子供など、病気そのものが知能を低下させる。自閉症児も知的障害のように見えるから注意が必要である
④知能検査の不備
知能検査の判定の間違いがあったり、子供の状態を無視して検査を行った場合、誤った結果がでることがある。

2、脳障害
脳に気質的な病変があり、その結果、脳の機能にさまざまな障害が起こること

1、脳障害の原因
■酸素欠乏状態(低酸素症)
①胎児期・・・母体の貧血や胎児の仮死、胎盤の異常、へその緒が首に巻きつく
②出生時・・・胎児の仮死、低出生体重時、分娩時の不適当な麻酔
③出生後・・・100日咳、肺炎などによる胎内の酸素不足

■外傷による頭蓋内出血
・出生時の頭蓋圧迫(カンシ分娩など)
・非常に短時間または長時間の分娩
・出生後の頭部打撲、交通事故

■RH式血液型不適合による重度の黄疸
母親がRh-、父親がRh+の時に起こる。

■出生時の問題
脳炎・髄膜炎などの炎症や高熱、一酸化中毒で脳障害が起こる

2、主な脳障害の種類と注意点
■脳性まひ
・痙直型(けいちょくがた)・・・両手足が緊張し、突っ張って痙攣を起こす
・アセトーゼ型(不随意運動)・・・目的もなく顔や首、手足が動く

治療の主体は機能訓練である。
歩行・筋力など運動能力の回復を目指す・・・理学療法
日常生活の動作能力の改善を目的とした・・・作業療法
言語療法など
装具・自助具の利用を含めた総合リハビリテーションが必要

■てんかん
さまざまな原因により起こる慢性の脳の疾患。
症状は、全身の筋肉の硬直・けいれん・意識を失う・卒倒などがある。
抗てんかん剤を用い、充分な睡眠をとり、心身の疲労を避けるなど、日常生活の配慮が必要である。

第9章 子供の精神障害と神経症・心身症

1、小児精神障害

1、統合失調症(精神分裂病)
精神科入院患者の60~70%を占める。
典型的な内因性の精神障害で、現実と非現実を区別する能力が部分的に傷害されている事、慢性的になりやすいことが大きな特徴。
①破瓜型・・・現実への関心を失って自己の世界に閉じこもる。無表情・無気力
②緊張型・・・無活動性が高じる反面、突然興奮したり暴力的になる。独り言や意味不明な言葉が見られる
③妄想型・・・妄想や幻覚が見られる。被害妄想が多い。
発症年齢が低いほど精神の発達は阻害されやすく、のちの人格の欠損も重度になる。

■子供の統合失調症の主な症状
・周囲のものに対する無関心
・常同運動を繰り返し、阻止されそうになると激しく怒る
・落ち着きがなくなるときと、不活発に成る時とを交互に繰り返す

2、うつ病
感情の障害を主とした精神障害で、憂鬱感が周期的に現れる
■特徴
・悲しそうな表情が長く続く
・食欲減退、または明らかな体重の減少
・不眠または睡眠過多
・活動性の減少
・口数の減少
・無欲状態

3、幼年性進行麻痺(若年性進行麻痺)
母体から感染した梅毒によって、15歳前後に起こる。
初期に興奮、人格変化が見られ、瞳孔異常、言語障害、手足の振るえ、舌や唇の振るえがみられ、ついには歩行困難となる。進行すると認知症の症状が見られる。
発病は非常に緩慢だが、症状が出てからは悪化の一途をたどり、けいれんを繰り返して4~5年で死亡する

4、幼年性認知症(ヘラー症候群)
3~4歳頃から発病する認知症。それまで健全に発育していた子供が言語・態度ともに不安定になり発病後数ヶ月で認知症の状態になる。

2、子供の神経症
精神的要因によるもので、不安や大きな葛藤に精神的健康を脅かされたとき、これを克服できずに環境に適応できない状態になること。病識がある。

1、強迫神経症
明らかに不合理な概念や行為が、自分の意思に反して現れるもの。
・不潔への恐怖のために何度も手を洗う
・先のとがったものが怖くて近づけない
・戸締りを何度も確認する
・自分の健康に異常な注意を払う(心気症=ヒポコンドリー)
幼児期の場合、母親の不安が子供に投影されている場合が多いので、母親の症状が治れば症状も消える

2、解離性・転換性障害
何か困難な事態に直面したとき、病気になって困難を避けようとする機制。仮病ではない。
精神症状と行動症状がある

■解離型
・興奮による暴行
・怒号や空想的作話
■転換型
・手足の硬直、麻痺
・知覚の障害
・発作(失神・けいれん)
・自律神経系の失調(心悸亢進、不整脈・下痢)
大げさに騒いだり助けを求めたりして、人の関心を向けたい無意識的な傾向がある

3、子供の心身症

1、消化器系の症状
・食欲不振・・・身体上の病気からも起こるが、年長児や学童期になると、養育者に対する反抗の手段として食事拒否を起こすことがある
・嘔吐・・・食事の強制、愛情喪失、不安
・過食・・・内分泌系の疾患のほか、愛情の飢餓からも起こる
・異食・・・精神発達が遅れている場合や愛情不足の場合に起こる
・アセトン血清嘔吐症・・・周期性嘔吐症または自家中毒と呼ばれる。原因不明

2、泌尿器系の症状
・夜尿症・・・身体的・精神的原因を考える必要が有る
・遺尿症・・・日に数回の尿漏れがある
・頻尿症・・・糖尿病や膀胱炎でなく、睡眠時は症状が消失する場合は精神的な頻尿である

3、中枢神経系の症状
・頭痛・・・子供の場合は身体的・精神的な疲労によっても起こる。繰り返し頭痛を訴える子供では、母親の不安が子供に影響し、心気症のような症状を示している場合もある
・夜驚・・・度重なる場合は家庭の不和に原因があったり、心に不安をもっていたりし、幻覚を伴うことも有る
・チック・・・多くは養育者の干渉のしすぎや環境の変化を原因とする心因性のものであると考えられている。親子両方のカウンセリングや遊戯療法が有効である

4、循環器系の症状
・起立性低血圧・・・精神的緊張が続くとき、強い不安などがあるときに起こる。
・その他・・・動悸が激しくなったり、頻脈や徐脈があるが、幼児期には少ない

5、呼吸器系の症状
・息とめ発作(憤怒けいれん)・・・泣き入りひきつけ。親が心配性だったり過保護だったりする場合に多くみられる。発作を繰り返す子供でも5~6歳になると自然におさまる
・過喚起(過呼吸)症候群・・・精神的な不安から起こることも有る
・その他・・・咳による発作、喘息を繰り返す子供は、不安定な親子関係や親の不安からくる精神的な要因が少なくないと考えられている

第8章 自閉症・注意欠陥多動性障害・学習障害

1、自閉症
自閉症は広汎性発達障害(障害がいくつもの領域にわたって発達の遅れやゆがみが現れる)のひとつで、おおむね3歳以前に症状を示し、知覚、発達速度、言語、運動などに障害が現れる。
現在でも原因不明。

1、症状
①コミュニケーションの障害
言葉を覚えても、ひとりごとと反響言語(おうむ返し)、同じフレーズの反復などが多い
②対人関係の障害
他人に関心を持ったり、相手の気持ちを理解したり、思いやるということが難しい。同時に、自分の気持ちや興味を相手に伝えることが少ない
③変化に対する病的な抵抗(同一性保持の要求)
ある特定の環境・設備・物への強い執着を示し、日常生活に一定の決まりを作り、それに固執したり、同じ遊びを何時間も繰り返す。また、常同運動を長時間行ったり、奇妙な癖を持っている。

○自閉症の子供に多く見られる黄道上の特徴
・あやしても反応しない
・名前を呼んでも振り返らない
・人と目線を合わせない。無視することが多い
・抱こうとしても抱かれる姿勢をとろうとしない
・理由もなく突然泣き出したり、笑い出したりする
・ある決まった感覚刺激に異常な反応を示すことが有る

■自閉症と関連する発達障害
・高機能自閉症・・・自閉症のうち、知的発達の遅れを伴わない場合を言う
・アスベルがー症候群・・・知能が正常で、なおかつ言葉によるコミュニケーションにも問題はない。しかし、決まったパターンへの強い固執や、他人に関する関心が薄いなど、自閉症と同様の特徴が見られる
・小児期崩壊性障害・・・2歳前後まで正常に発達するが、成長とともに一度獲得した言葉や対人関係が失われ、自閉症と同じ障害が見られるもの

2、対応
自閉症児を保育するに当たっては、自閉症特有の障害及び行動上の特長について理解しておく必要が有る。
日常のプログラムにおいては、何をやるのかわかりやすい構造的プログラムが向いている

2、注意欠陥多動性障害(ADHD)

1、症状
・歩き始めの頃から過剰な運動が見られる
・落ち着きがなくじっとしていられない
・常に体のどこかを動かしている
・ささいなことでかんしゃくを起こす
・人の言うことをきかない
・集中できる時間が短く、興味がめまぐるしく移り変わる
・他人の行動を妨害する
・遊びを含む活動の順序立てが出来ない
学童期には学習の遅れが顕著に現れ、また、自分勝手な行動が抑えられないため学校生活になじめない。

2、対応
落ち着きのない子供ではなく、独自の人格・個性を持った子供として接することが大切。
スモールステップ(一つ一つに達成感を感じさせながら、最終的にまとめ上げていく方法)

3、学習障害(LD)
・特異的読字・・・字や文章を読む能力の障害
・特異的書字障害・・・字や文章を書く能力の障害
・特異的算数障害・・・計算など算数能力の障害

保育や教育の場では、このような障害を持つ子供の特徴をよく理解し、わかりやすく簡潔な指示をすることが求められる

第7章 子供の問題行動

1、情緒障害と問題行動
■情緒障害・・・人間関係による葛藤や特定の感情に強く固執するなど、環境や心理的な原因によって情緒が混乱し、身体的症状や問題行動が表われること

<狭義>
・非社会的行動・・・不登校・緘目(かんもく)・引っ込み思案
・反社会的行動・・・反抗・怠学
・神経性習慣・・・吃音・チック・夜尿
<広義>
・器質的障害・・・脳障害
・神経症・・・自閉症、知的障害

2、性格行動上の問題
問題行動の要因には、持って生まれた素質よりも、子供の性格が形成される時期の周囲の環境が与える影響のほうが大きい。
また、何らかの先天的なものや脳疾患後に表われた問題行動で、病理学的に説明されているものも有る

3、子供の問題行動の種類と対応

1、非社会的行動
■原因
①家庭内の問題
・祖父母や成人の多い家庭で、過干渉に育つと、成人への固着が生じて家庭外での対人関係を発展できない
・家庭内でわがままな振る舞いが許されている場合、集団に入ると不自由を感じる
・親が過保護や溺愛または、子供の自主的行動を抑圧するような態度を取ると、子供の自主性の発達が阻害される
・家庭内にもめごとがあると、家庭内での不安が強くなる
・親が非社交的であったり、神経質で用心深かったりすると子供がその生活態度を取り入れてしまう
・親が自分よりも弟妹の方の養育にかける比重が多いと感じてしまうと、のけもの感を持ち、家にいたがる
②劣等感
・集団の経験が乏しく、子供同士の交流方法を知らない
・運動機能の発達・基本的生活習慣の習得が遅れていると皆と遊べない
③不安や恐怖
・集団の経験に乏しく、集団に対して威圧感を感じる
・過去に集団に対して恐怖や嫌悪感を感じる体験をした
・素質的要因を基盤とした逃避的傾向が有る

■対応
程度が軽い場合・・出来るだけ集団に参加させるようにし、焦らず段階を踏む。
しかし、家庭内においても無口で消極的な子供については、専門家による遊戯療法などの治療を受けたほうがいい場合も有る。その場合は親のカウンセリングも必要である。

2、退行的行動
実際の年齢よりも、明らかに幼い子供のような行動を示すこと
・赤ん坊のように他人に依存しようとする
・泣く
・甘える
・指しゃぶり
・ツメ噛み
・指噛み
・夜尿
・赤ちゃん言葉
・かんしゃく
・拒否的態度

■原因
①過保護による場合
子供に献身的に尽くす家族がいるため、いつまでもその人を頼って自立できない。また、自己中心的態度が容認されているため、欲求不満の状態に耐えることが出来ない
②愛情の欲求が満たされていない場合
弟や妹の誕生で母親の愛情がそちらに移ると、乳幼児的行動に退行することが有る。過保護の子供は退行しやすい
③家庭の養育態度が拒否的な場合
保育所などでしきりに甘えるのは、3歳以下の場合は母親から分離された不安(分離不安)による正常な行動である
④はじめての集団(保育所など)に入ったとき
不安と緊張から来る

■対応
集団保育の中で、協調性と自律性を養うようにする。家庭内に問題が有る場合は、保護者と連携し、養育態度の改善に努める必要が有る。

3、反社会的行動
社会秩序を乱したり、社会規範に反する行動を取ることを言う。
非行行動と家庭観環境には密接な関係が有る。

■原因
①虚言(うそつき)
・他人のものと自分のものの区別がつかない(幼児の場合は、嘘という自覚がない場合が有る。これを空想的虚言という。叱らずに認識能力が発達するのを待つ
・非難や攻撃から自己を防衛するため
・親や関係者からの注意を引くため
・親への復讐や反抗のため
・大人の嘘への模倣

②盗癖
・他人のものと自分のものの区別がつかない
・放任や過保護によって、物品への欲望を抑える耐力が不足している
・収集の欲望が強く、抑えることが出来ない
・学童期以降、仲間との遊びのひとつとして、または仲間の気を引くため
・学童期以降は、親の愛情欠如への復讐として盗みを行う

③家出・放浪
・冒険欲による無断外出は、独立心が形成される幼児期に多い(発達の証拠では有るが、危険が伴うため安全に教育する必要が有る
・不快な家庭からの逃避・親の叱責に対する復讐
・精神的な障害が有る場合

④規則・約束の放棄・暴力
・家庭内で溺愛され、規律が与えられていない場合、自己中心的な行動が多くなる
・放任され、しつけを受けていない場合
・家庭内で暴力を受けている場合、情緒的にも不安定で外で暴力を振るう場合が有る

■対応
子供の反社会的行動の要因の多くは、家庭内に有る。養育者と関係書記官が協力して温かい環境作りに努めることが大切

4、習癖障害
意図的でない習慣的行動(習癖)のなかで、性格の不健全な発達や社会生活においてマイナスであると考えられるものを習癖障害という。

①指しゃぶり
乳児の60~70%にみられる正常な発達過程。食事に緘する欲求が満たされていないことも考慮する。発達段階によって必要な刺激を与えられていない場合に見られることも有る。
②ツメかみ
緊張緩和のため、あるいは攻撃が自己に向かうときに見られる。起因としては過干渉・過保護のため情緒発達が未熟。禁止や罰を与えない。爪かみの背景に有る情緒不安が強いときは、親子に対する心理療法が必要である
③チック
養育者の過干渉の場合によく出る
④常同運動・・・同じ運動を繰り返すこと
養育者の温かなふれあいが極端に少なく、愛情欠乏が原因となって起こることが有る。
⑤性的悪癖
友達と遊ぶ機会が少なかったり、活動を制限されている場合が多い

5、ホスピタリズムの症状
■身体症状
・食欲不振
・睡眠障害
・体重減少
・発熱
・嘔吐や下痢
昔は施設でまれにあったが、近年では逆に、家庭から施設に入所してくる子供に見られる

■精神面の症状
①知的発達の遅れ
②情緒的発達の遅れ
・表情に乏しい
・見なれないものへの恐怖
・対人関係の不安定性
・頑固な習癖

■原因
母性的養育の喪失。家庭の中でも母親(養育者)との温かな交流がない状態で養育された場合起こる。この悪影響は3歳以下の場合に顕著である。

第6章 保育・児療育環境と子供の精神保健

1、保育所における精神保健

1、保育士の基本姿勢
・子供一人一人の心を受け止め、理解を深める
・子供の人権を守り、プライドを尊重する
・性別や傷害の有無に対して、差別的な固定観念を抱かせるような態度は絶対やめる
・自分の気持ちをうまく表現できない子供の気持ちを汲み取る
・不必要な禁止や指示をしない
・子供の欲求に対しては、出来る限りその場で対応する
・体罰によるしつけは、子供の心を傷つけるだけであることを自覚する

2、生活習慣などの指導における注意点
①食事・・・子供の体調や個人差によって量を加減させるメニューや室内の雰囲気を工夫する
②排泄・・・保育士が何でもするのではなく、子供の「やりたい気持ち」を尊重する

3、養育者への援助と連携
養育者との信頼関係を築くことが大事である。理解を得られない養育者でも、気持ちを受け止めながら焦らずに努力を重ねていく必要が有る

4、保育士の精神保健
①個別的留意点
・知識や技術の向上に努め、専門性を自覚する
・保育士の精神状態が子供に投影するため、自己の心身の健康を心がける
・愛情は人間関係の基本であるため、全ての子供に愛情を持って接する
②集団的留意点
・不足しがちな職員数の問題を検討し、人的・物的条件を良好にする
・研修会への参加・学習会などによって専門性の向上を目指す
・職員相互の人間関係を円滑にし、指導的立場にあるものは職員の状態を常に把握する

2、障害者保育と精神保健

1、障害児保育の理念と基本姿勢

■保育士の基本姿勢
・障害の有る子供を特別視しない。また、障害のあるなしで子供を区別しない
・子供の人格を尊重し、普通の態度・言葉で接する
・子供の障害の程度を正確に把握する
・障害の程度・内容にあった働きかけをする
・障害の有る子ともが使いにくい環境の改善や参加が困難な日常スケジュールの見直しを図る

2、障害を持つ子供への対応と注意点

■知的発達障害
理解力に問題が有るため、保育士の指示がわからなかったり、友達とトラブルになるなど、集団生活の中で戸惑うことがある。保育士は子供の障害の程度と内容を正確に把握しておくことが重要。

■自閉症・情緒障害
自閉症の子供は保育士との信頼関係を築きあげるのが困難。また、生育環境に問題があり、情緒障害を起こしている子供の場合も関係作りに難しい点がる。急いで友達と交わらせようとせず、まずは保育士との関係を深めていくことが大切である

■肢体不自由児・内部障害
医療機関・保護者との連携が重要。注意事項については保育所の全職員に徹底させるようにする

3、専門機関との連携
■障害児保育に関係する専門機関
・医療機関・・・小児科・児童精神科及びそれぞれの障害に関係する専門科
・早期療育関係機関・・・通所施設・療育センター
・その他・・・保健所・児童相談所・福祉事務所

4、教育の場における精神保健

■予防対策
①発生予防(第一次予防)
教育の現場で、精神的な健康を損ねると思われる要因を早く発見して取り除く
②早期発見・早期対処(第二次予防)
児童・生徒が送っている日ごろと違うサインを的確に掴み、問題が深刻化する前に対処する
③再発予防(第三次予防)
理解の有る環境作りが再発防止に有効

4、学校の中の精神保健
養護教諭・スクールカウンセラー・心の教室相談員

5、施設における子供の精神保健
施設において養育される子供には、母性愛に基づく身体的・精神的保育の不十分さが原因となり、身体的症状や情緒的障害が現れることも有る(ホスピタリズム)近年は消失してきている。
現在、児童養護施設に入所している子供の大半が被虐待児である。
一人一人の個性にあった緊密さの有る家庭的な処遇、家庭的雰囲気をつくりあげていくことが大事である。

6、精神保健活動と保育の連携

1、児童精神医療の現状
児童期の精神医学の専門家が少ないわが国では、児童精神期間も豊富ではない。したがって、児童精神科医・小児科医・臨床心理士・言語聴覚士・メディカル・ソーシャルワーカーなど医療・保健・福祉関係者が連携して治療に当たることが大切である。

2、地域精神保健活動
家庭・学校・職場などあらゆる活動の場に含んだ一定の地域全体で行われる活動を言う。

3、心の健康づくり
1997年「子供の心の健康づくり対策事業」を交付
①出産母子支援事業
出産前後において身体面・精神面に問題の有る妊産婦や育児不安を抱える家庭の相談を受ける
②虐待・いじめ対策事業・・・相談
③乳幼児健診における育児支援強化事業
1歳6ヶ月児・三歳児検診の際の育児相談
④児童虐待防止市町村ネットワーク事業
・児童虐待についての関係機関などの相互の情報交換・状況把握
・地域における児童虐待防止や早期発見のために、関係機関の効果的な連携
・児童虐待に関する理解を深めるための啓発活動
・その他の防止策
⑤子育てグループリーダー育成・活動支援事業
⑥健康情報の管理事業
小児期を通じた健康手帳を作成し、乳幼児期の健康状態、予防接種に関すること、小学校における健康診断などを記録できるようにする

第5章 家庭環境と子供の精神保健

1、家族関係と子供の精神保健

1、養育者との関係
ポールドウイン(アメリカの発達心理学者)の5つの分類
「専制型」
親・・・干渉が目立ち、命令と指示により子供を服従させようとする
子・・・最初は従順だが、自立性に欠け、依存心が強く嫉妬深い。強いものに服従し、弱いものを軽蔑する
「溺愛型」
親・・・甘やかし型で子供に奉仕する
子・・・わがままで自己中心的。すぐに癇癪を起こす。自発性・責任感に乏しく、根気がない
「拒否型」
親・・・子供を邪魔者扱いし、また強制的に命令をして従わないと罰する
子・・・強い不安感や劣等感を持ち、逃避的となる。反面強情で冷淡な性格になりやすい
「放任型」
親・・・無関心な養育態度で、子供を束縛しないが愛情も乏しい
子・・・自立心は育ちやすいが、情緒不安定で攻撃的な正確になりやすい
「民主型」
親・・・子供の欲求と興味をよく理解し、客観的な視野を持って子供の自由を認める
子・・・明るく、創造性・自発性に富み、責任感や思いやりのある性格になる

2、きょうだい関係
2人きょうだいは比較対照にされやすく、また養育者の愛情の取り合いになることからライバル関係になりやすい。

3、祖父母との関係
孫に対する過保護・過干渉が目立ち、また母親との養育態度の違いが大きい場合には、家族関係に不調和をもたらす場合が有る。

第4章 子供の発達と精神保健

1、精神的健康と発達
精神的発達に何らかの問題が有る場合には、問題行動として表われる

2、乳児期までの精神保健
乳児期・・・生後1年まで

1、胎児期
■胎児期に影響を及ぼす要因
・胎児への栄養供給の欠乏
・母体への物理的ダメージ
・ストレス・・・母体の長期のストレスは胎盤から胎児に送られる血液の量を減らす
・アルコール・・・アルコール分は胎児の中枢神経の働きを抑える
「出生前・出世後の発育障害」「中枢神経系の障害」「頭部・顔面部の形成障害」
(全部の場合を「胎児性アルコール症候群、1つまたは2つの場合を「胎児性アルコール徴候」という
・たばこ・・・胎児の酸素不足
「知的障害」「出生時の体重減」
・ウイルス(風疹)感染
・原虫(トキソプラズマ)感染
・有害物質(有機水銀・鉛・放射線物質など)
・一酸化炭素
近年問題視されているのはストレス・アルコール・たばこである。

2、新生児期
■出生時
・仮死などの酸素欠乏状態
・頭蓋内出血
・血液型不適合による強度の黄疸

■出生時以降
高熱・嘔吐・けいれん・激しく泣く・動きが鈍い・・・脳障害
授乳の際の吸引力が弱い・・・何らかの障害を持っている

3、乳児期
■食事・発育
乳児期の食欲不振や発育が思わしくない場合、多くはその時の体調や個人差によるものである。
親の不安感や焦燥感が子供に影響する結果になる場合もある。

■病気
重症の病気にかかった子供や、病気を繰り返す子供に対して親が慎重になるあまり保護過剰になることがある。継続的にハンディを背負うような病気の場合は、人生に希望が持てるような精神的な指導も必要

■愛着関係の形成
授乳や抱っこなど養育者と具体的な接触頻度は、子供の心や身体の発達や性格形成に影響する

3、幼児期の精神保健
生後1年から小学校入学まで

1、幼児期の発達課題と精神保健
■エリクソン・・幼児前期の発達課題を「自律性」という。この時期に幼児のすることを養育者が禁止したり批判したりすると、幼児は自信を失い、新しいことに挑戦する力を失う。結果的に手のかかる子供になる。

2、幼児期の発達と心の問題
①運動機能の発達
②生活習慣の発達・・・過保護にすると大人への依頼心が強くなり、行動の遅い子供になる。祖父母に育てられた子や一人っ子に多い
「排泄」・・・排泄のしつけを急いで強制すると、かえって幼児の抵抗を招き、育児が困難になる
「食事」・・・自分で食事を取ろうとする時に家族が手を出すと嫌がる。偏食はあせらず対応する
③言語の発達
④社会性(3歳ごろから始まる)

3、幼児期に生じやすい心の問題
攻撃的行動・退行的行動・自閉的行動など

①登所拒否・・・年齢が低いため原因がわかりやすく、解決しやすい
■よくある一般的な原因
・食事やおやつが嫌い、量が多くて食べられない
・昼寝をしたくない
・おもちゃを一人占めしたい
・いじめっこがいる
・行事が苦手

■家庭環境によるもの
・母親が何でもしっかりと決めるので、自分の意思で決定しなくてはいけない場に対応しにくい
・親や周囲がやっていいこと・悪いことの枠組みを強いるために内向的になり、友達とうまく遊べない
・甘やかされて育っているので自己中心的。集団に入れない

②いじめ・・・小学校高学年以上とされているが、単純ないじめは幼児期後期でもある
・思いやりの有る行動を取った時に必ずほめる
・保護者が個々の子供の好き嫌いの感情を見せない
・仲間との協力やルールを遊びの中から学ばせる
・不潔さなどがいじめの原因になる場合には、家庭に改善を求め、本人には自信を持って行動することや、自己主張する働きかけをする

③事故性格(災害性格)・・・子供に対する配慮不足で起こる事故
■子供の側の原因
・注意散漫、感覚機能の障害
・判断力の不足
・情緒不安定で攻撃的、衝動的行動を取りやすい
・自己中心的行動が強い
■その子供は事故にあわなくても周りの子が事故にあう・・事故誘発児
・過保護→依存心が強い
・放任→注意力散漫
・感情が不安定な子供
・神経質な子
・能力以上の冒険をしようとする子

4、学童期の精神保健

1、学童期の精神保健
■エリクソン・・・学童期の発達課題を「勤勉」とし、その対極に有るのが劣等感であるとした

2、学童期に生じやすい心の問題
■幼児期から引きずる問題が表出する場合
■学校に入学したことによっておこる問題

①不登校・・・学校に行きたいけどいけない
登校の強制は、かえって心身の状態を悪化させ、子供の不安や緊張をさらに高める

②学業不振・・・学業不振児(アンダーアチーバー)
■子ども自身の原因
・意欲や興味の欠如
・学習動機の低さ
・基礎学力の不足
・知識・経験の不足
■学校原因
・指導方法の問題
・学習内容の高度化
・学習量の過重
・クラスの友人との関係
■家庭要因
・親子関係・家族関係の不満
・家庭の教育に対する意識の低さ

5、思春期の精神保健
12~13歳頃から15~16歳ごろを思春期という。
思春期には、自己意識の高まりから自己嫌悪に陥ったり、周囲を必要以上に気にするなど強い緊張感が生じやすい
①逸脱行動
・暴力行為
・窃盗
・性非行
・薬物の乱用
これらの非行の背景には家庭の機能不全・道徳観の低下・社会環境の悪化などがある
②ひきこもり
ひきこもりの中には統合失調症・うつ病など深刻な精神障害が背景に有る場合もある
③摂食障害(思春期やせ症)
・幼少時の親子関係の不全(幼児虐待など)
・要望に対する劣等感
・成熟の拒否
・家族への反抗
・友人の関心を引くため

第3章 心の健康に影響する要因

1、基本的欲求
■生理的欲求・・・呼吸欲・食欲・排泄欲・睡眠欲・活動欲・性欲
■社会的欲求・・・社会生活の中で起こる欲求
生理的欲求の満足→安全の欲求→愛情と所属の欲求→社会的承認の欲求→自己実現の欲求
と変化する

2、適応・不適応
何かの欲求を満たそうとする→阻止するものが表われる→生理的・心理的に緊張状態になる・・・この感情が適度であれば適切な解決を図ることが出来る=適応
これが出来ないのが不適応

3、欲求不満
1、欲求不満の原因
①物理的要因・・・時間・空間・気候などの条件のこと
②経済的要因
③社会的要因・・・社会の風習や偏見、社会や集団の規則、法律などによるもの
④個人的要因・・・個人の要求水準が高すぎる・個人の能力不足

2、欲求不満耐力(フラストレーション・トレランス)
欲求不満が過剰であったり、逆に周囲から溺愛されているとこの能力は養われにくい。

4、適応規制(防衛機制)
適応規制とは、欲求不満を合理的な方法で解決できなかった場合に、心理的緊張や不安、葛藤によって自我が崩壊するのを防ぐために起こる心理的働きを言う

1、欲求不満の合理的な解決
・障害を積極的に解決する
・代理の目標を設定する
・欲求不満の水準を下げる
・障害を避けるための迂回経路を設ける
・対立する欲求のひとつを整理する

2、様々な適応規制
①代償・・・欲求が阻止された場合、本来のよっきゅうを容易に達成できる目標に置き換える
②補償・・・何らかの劣等感や弱点があり、そのために達成できない欲求が有る場合、他の面で他人より優越することによって、自我が傷つくのを防ぐ
③昇華・・・直接的に実現することが不可能な要求を、社会に受け入れられ、人々の役に立つ形に変えて実現することで満足を得る
(例)弟妹のいない子が近所の小さい子の面倒を見て、周囲から感謝されて満足を得る
④同一視(同一化)・・・自分と似た人物や自分の欲求を実現してくれる自分物と自分を同一化する
(例)アニメのヒーロー
⑤合理化・・・欲求が阻止されたとき、原因を他人のせいにすること。
・相手の価値を下げる(すっぱいぶどうの論理)
・自分の関わりの有るものの価値を上げる(甘いレモンの論理)
⑥投射・投影・・・自分の持っている人から歓迎されない願望や想いを他人のものと考え、それを非難したり責めたりすること
(例)実際には自分が相手を嫌っているのに「自分はなんとも思わないが相手が自分を嫌っている」と思い相手を非難する
⑦抑圧・・・法律・道徳・社会習慣・家庭習慣などの影響を受け、欲求が阻止されたと言う結果を心の中に閉じ込めること→爪かみ・指しゃぶり・食欲異常などになる
⑧反動形成・・・抑圧した自分の衝動や願望とは正反対の行動をとる
(例)他者に対する敵意を抑え親切にふるまう
⑨攻撃・・・攻撃的反応
⑩退行・・・欲求不満に陥ったとき、実際年齢の発達段階より前の段階に後戻りしたり、外界の刺激に拒否的な態度を示す
(例)赤ちゃん返り
⑪逃避4つのパターン
・退避・孤立・拒否・・・実際に現実から逃げる
・別の現実への逃避・・・自分の好きなことなどに逃げる
・病気への逃避・・・病気になって現実から逃げる
・空想への逃避・白昼夢・・・非現実的な空想の世界に逃げる
⑫知性化・・・欲求不満に関する感情的側面を知的・客観的に処理する。青年によく見られる
(例)父親に対するコンプレックスを「私はエディプスコンプレックスがある」などと哲学や論理を用いて説明する

第2章 脳神経機能と精神発達

1、神経系の分類
神経系の最も重要な働きは、刺激を伝えることである

2、中枢神経系の構造と機能
脳が体重に対して占める重量は、成人で2%、新生児で10%。
脳の重量的な発育は乳幼児に著しく、生後半年で出生児の二倍、4~5歳で成人の80%、7~8歳で成人の90%になる。

1、大脳
大脳皮質のみが精神的な機能を含んでいる
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■大脳皮質
①新皮質・・・言語活動・精神活動のような人間的な活動を支配する。動物にはなく、子供は未発達
②旧皮質(古皮質)・・・自律神経の調整、統合

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■大脳半球の区分
①前頭葉・・・感情・想像・推理・計画・言語・随意運動
②頭頂葉・・・体感感覚・認識
③側頭葉・・・聴覚・記憶機能
④後頭葉・・・視覚

2、小脳
手足の複雑で敏速な運動をスムーズに伝えるよう調節を支配している。
体のバランスを保つ

3、間脳
視床と視床下部からなる。
■視床・・・皮膚・粘膜・筋肉に与えられた刺激を刺激として、視床下部や大脳皮質に伝える役目をする
■視床下部・・・自律神経の中核。体温調節・摂食調節・情動行動も支配する。ホルモン分泌にも影響を与える

4、脳幹
呼吸・心臓の活動・体温調節など生命に関する重要な役割を果たしている
■中脳(四丘体)・・・上丘は視野、下丘は聴覚の調整を行う
■橋(錐体路)・・・運動を命令する神経線維が通っている
■延髄・・・自律神経の中枢が多数存在する

5、脊髄
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■前柱・・・運動神経
■後柱・・・感覚神経
■側柱・・・自律神経系
に属する神経細胞がある

3、神経細胞と神経伝達
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■髄梢(ズイショウ)=ミエリン梢・・・神経線維の中心
この髄梢が出来ていく過程を「髄梢化」といい、胎児期の後半から始まり、これにより多くの神経細胞が機能を発揮する。
神経細胞の数は出生後から増加はしないが、シナプスの形成が複雑になり髄梢化が進むことによって精神活動が発達していく。この発達はほぼ20歳で終了する

第1章 精神保健の意義と目的

1、精神保健の概要

1、精神保健の目的
・精神的健康の維持増進
・精神疾患をはじめとする精神的不健康(不適応状態)の予防、早期発見および治療

2、精神保健の歴史と担当分野
18世紀にフロイトが精神障害原因・治療の中に精神分析学を導入した。しかしまだ、精神保健の思想は導入されていなかった。
20世紀に最初に精神保健の発展に寄与した精神医学者ヒーリーは、罪を犯した子供を罰するのではなく、予防のための教育指導が必要であると考えた。
その後、ピアーズが治療教育の先駆となる。

2、精神保健の研究分野
児童精神医学・発達心理学・臨床心理学・児童社会学など
文化人類学・脳神経学・行動学などとの関連も有る

3、心の健康と精神保健の考え方

1、心の健康の定義
■WHOによる健康の定義
健康とは、身体的・精神的および社会的に完全に良好な状態であって、単に疾病や虚弱ではないと言うことではない
このことから、健康的な心の状態とは、明らかな精神疾患がなく、精神的・情緒的に安定しているとともに、社会的にも充分適応している状態であることを言う
①適応・・・個人が周囲の人や環境と適切な関係を維持するとともに、安定が保たれている状態
②不適応・・・上記のような調和が崩れ、不安や緊張を強いられる不満足な状態

2、心の健康維持
①身体的な健康状態
②人間関係を中心とした周囲の環境
③個人の適応能力(器質的な障害も含まれる)

4、子供と健康保険
■子供にとっての精神保健
・年齢に応じた精神的発達をとげることを目的とする
・成長段階に応じた関わり方が必要である
・周囲の環境に大きく影響されやすい
・乳幼児の精神的環境は、その後の精神保健に大きく影響する

第16章 ひとり親家庭への福祉

1、母子家庭等・寡婦に対する福祉

1、母子自立支援員による母子相談
2、母子福祉資金の貸付
3、母子福祉関係施設

■児童福祉法によるもの
・母子生活支援施設(中心的存在)
児童が20歳になるまで入所でき、利用者が希望する施設を都道府県などに申し込む方式
・助産施設
保健上必要であるにもかかわらず、経済的理由により入院助産を出来ない妊産婦を入所させて助産を受けさせることを目的とする。
第一助産施設(病院)・第二助産施設(助産所)がある
利用者が希望する施設を都道府県などに申し込む方式

■母子及び寡婦福祉法によるもの
・母子福祉センター
無料または低額な料金で、母子家庭に対して、各種の相談に応じるとともに、生活指導及び生業の指導を行う母子家庭の福祉のための便宜を総合的に供与することを目的とする施設
・母子休養ホーム
無料または低額な料金で、母子家庭に対して、レクリエーションその他の休養のための便宜を供与することを目的とする

4、児童扶養手当
父と生計を同じくしていない児童に手当てを支給し、その家庭の安定を図ることによって、児童の福祉を増進することを目的とする

5、母子家庭等日常生活支援事業
母子家庭及び父子家庭を対象として、病気自立のための就学、冠婚葬祭等の社会的事由により、一時的に介護・保育などのサービスが必要な母子家庭及び父子家庭に家庭生活支援員を派遣し、必要な介護・保育を行う事業

6、寡婦に対する福祉
寡婦家庭は社会的・経済的に自立が困難なことから、寡婦福祉資金の貸付などの措置が行われる。

■母子自立支援員
都道府県知事・市長(特別区の区長を含む)及び福祉事務所を管理する町村長は、社会的信望があり、かつ次項に規定する職務を行うに必要な熱意と誠意をもっているもののうちから、母子自立支援員を委託するものとする
1、相談に応じ、その自立に必要な情報提供及び指導を行うこと
2、職業能力の向上及び求職活動に関する支援を行う
3、母子自立支援員は非常勤とする。ただし、前項に規定する職務につき政令で定める相当の知識経験を有するものは常勤とすることが出来る

2、父子家庭に対する福祉
父子家庭については、母子家庭に比べると経済的な面では問題が少ないものの、家事や養育面では問題を抱えていると言われている。こうした家庭には母子家庭に準じる措置が取られている。
・児童訪問援助事業(ホームフレンド事業)・・・子供が気軽に相談出来る大学生などを父子家庭に派遣する

3、ひとり親家庭生活支援事業
母子家庭及び父子家庭ならびに寡婦を対象として、地域での生活を総合的に支援していくことを目的とする事業
・生活支援講習会事業
・健康支援事業
・土日・夜間電話相談事業
・児童訪問援助事業(ひとり親のみ)
・ひとり親情報交換事業(ひとり親のみ)

第15章 母子及び寡婦福祉法

1、母子及び寡婦福祉法の制定とその理念
母子及び寡婦福祉法は、母子家庭・父子家庭・寡婦の福祉に関する法律である。

1、母子福祉法の制定まで
1946年(S21年)・・・(旧)生活保護法の成立・施行に伴い、それまでの救護法(母子家庭のみに特別の保護を与えていた)や母子保護法が廃止される
1952年(S27年)・・・母子福祉資金の貸与等に関する法律を制定
1959年(S34年)・・・国民年金法により、死別母子世帯に対し、母子年金、母子福祉年金が支給されることになる
1961年(s36年)・・・生別母子世帯に対して児童扶養手当が支給されることになる
1964年(s39年)・・・経済面だけでなく、母子家庭の福祉を推進する母子福祉法が制定される

2、母子及び寡婦福祉法の制定
母子福祉法は、その対象を20歳未満の子供を養育している母子家庭としていたため、子供が20歳を過ぎると保護の対象から外れていた。しかし、母子家庭の母は経済面や就労面で困難を抱えており、高齢化の健康面の配慮もあり、1969年(s44年)資金の低金利の貸付を行う「寡婦福祉資金貸付制度」を創設し、母子福祉法と総合し、さらにこれを総合的な福祉法とするため1981年(s56年)「母子及び寡婦福祉法」とした。

3、母子及び寡婦福祉法の理念
全ての母子家庭等には、児童が、そのおかれている環境に関わらず、心身ともに健やかに育成されるために必要な諸条件と、その母等の健康で文化的な生活が保障されるものとする

2、母子及び寡婦福祉法の対象者
■母子家庭の母
・離婚した女子で現在婚姻をしていないもの
・配偶者の生死が明らかでない女子
・配偶者から遺棄されている女子
・配偶者が精神または身体の障害により長期に渡って労働能力を失っている女子
・配偶者が海外に有るためその扶養を受けることが出来ない女子
その他法令で定めるもの(未婚の母・配偶者が留置所に入っているなど)
なお、この場合の児童は20歳未満のものをさす

■父子家庭の父
父子家庭において、児童を現に扶養しているもの

■寡婦
配偶者のない女子であって、かって配偶者のいない女子として民法の規定により児童を扶養していたことのあるもの(妾?)

第14章 地域における子育て支援の方法

1、地域子育て支援センター事業
実施主体・・・市町村
指定施設・・・保育所・小児科医院なども可
支援内容
・育児不安等についての相談指導
・子育てサークルおよび子育てボランティアの育成、支援
・地域の需要に応じた保育サービスの積極的実施・普及促進
・地域の保育資源の情報提供
・家庭的保育を行うものへの支援
職員・・・保育に関する相当の知識と経験を有するもの

■子育て支援とは
保護者への働きかけを通じ、子供の育成を社会的に支援することである。これは「全ての国民は、児童が心身ともに健やかに生まれ、かつ、育成されるよう努めなければならない」という「児童福祉法」第一条の理念を具体化したものである。

2、その他の施設での子育て支援

■子育て支援短期利用事業
保護者の病気や出張・出産などの理由で、一時的に養育が困難になった場合に子供を児童養護施設や乳児委員、母子生活支援施設・里親などで保護し養育する事業
「トワイライト事業」・・・児童養護施設や母子生活支援施設で実施
「ショートスティ事業」・・・原則として7日以内の一時預かりを実施

第13章 児童福祉施設における自立支援の方法

1、児童福祉法改正の概要と自立支援

1、児童養護施設の自立支援
(1)子供をめぐる状況の変化について
①子供の最善の利益の尊重
②少子化がもたらす子供の成長への影響
③家庭や地域の子育て機能の低下
④児童虐待が深刻化・複雑化する前の早期発見・早期対応の重要性

(2)、問題の多様化・複雑化
①児童福祉法制定当時の要保護児童は、貧困・親の死亡が中心であった
②現代は両親が揃っていて、貧困でなくても社会的援助の必要な子供が多い
③虐待・不登校・いじめなどの問題が深刻化している

(3)、今後の支援のあり方について
①子供を保護し、養育するだけではなく、一人一人の個性を尊重し、情緒豊かでたくましい、自立した社会人に導くことが必要である
②児童問題の多様化・複雑化には、一人一人の状況に応じた対応が必要である

2、児童相談所の機能強化
(1)第三者機関の専門家によるバックアップ機能の創設
(2)指導力の強化
①児童相談所の全面的見直し
②虐待児については迅速に対処する
③児童相談所と児童家庭支援センターの役割を明確にする

3、地域社会における支援社会の強化
(1)児童家庭支援センターの整備
①児童相談所のみのネットワークではなく、民間施設を中心とした機関を利用する
②児童家庭支援センターは、福祉関係者・保険医療機関・教育関係・司法・警察関係などの福祉施設と充分連携を取る
(2)問題の早期発見と早期対応
①虐待の早期発見と早期対応が重要
②早期発見・早期対応のため、児童委員などの地域の福祉関係者・保健医療・教育・司法・警察などの関係者と充分連携を取る
(3)地域におけるアフターケアの充実
(4)里親制度について
子供の年齢・家庭環境などをふまえ、子供にとって再算絵の利益を確保できるように、実態を踏まえた里親制度の見直し

2、児童福祉施設における自立支援

1、施設における自立支援(インケア)
(1)生活管理と日常生活について
(2)余暇の過ごし方
(3)学習の進め方
2、退所前後の指導(リービングケア)
3、退所後の指導(アフターケア)

第12章 児童福祉のためのソーシャルワーク実践

1、個別援助技術
社会福祉援助技術はケースワーク・グループワーク・コミュニティワークに分けられてきたが、近年は「直接援助技術」「間接援助技術」「関連援助技術」に分類されている。

1、リッチモンドのケースワーク理論
①ケースワークの目標がクライエントのパーソナリティの発展におかれていること
②その目標を達成するために、クライエントと社会環境との間の相互調整・改善の方法を取ること
・洞察・・・「個人性」「環境」
・行為・・・「直接的行為」「間接的行為」
子供の場合は、とりわけ子供の相互作用を視野に入れ、展開していくことが大切。

2、パール万のケースワーク理論
・4つのP・・・「人 parson」「問題 problem」「場所 place」「過程 process」
ケースワークを展開していく過程をいい、調査・診断・評価・治療・処遇・問題解決の過程で行われる

3、ケースワークの援助技術の原則
■個別化の原則・・・他社と比較しない
■意図的な感情表出の原則・・・クライエントの感情をありのままに表現できる状況を意図的に創り上げる
■統制された情緒的関与の原則・・・ケースワーカーはクライエントとの関わりの中で湧き上がる感情をコントロールしながら対応すること
■受容の原則・・・クライエントの立場を理解し、話に耳を傾ける
■非審判敵対殿原則・・・クライエントの言動を一方的に評価しない
■自己決定の原則・・・自分のことは自分で決めていくことが出来るように援助する
■秘密保持の原則

4、ケースワークの過程
①インテーク・・・相談に入る導入
②情報収集
③アセスメント・再アセスメント・・・援助を始める前の事前評価
④計画(プランニング)・・・
⑤介入(インターベーション)・・・実際に援助を行うために働きかけること
・直接的介入(子供に対し、さまざまな直接的援助を行う)
・間接的介入(家裁への働きかけなど他の機関の連携を図る)
⑥評価と終結
・効果測定(モニタリング)・評価(エバリュエーション)(援助過程が、ゴールである目標に達しているか見極める)
・終結(子供にとっての問題が、子供の希望に反映しているものが望ましい)

2、集団援助技術

1、コノブカの定義
社会事業の一つの方法であり、意図的なグループ経験を通じて、個人の社会的に機能する力を高め、また、個人、グループ、地域社会の諸問題に、より効果的に退所しうるよう、人々を援助すること

2、トレッカーの定義
グループ内で他の人々との社会的な相互作用によって、クライエントが成長・発達していくのを援助すること

3、グループワークの過程
①準備期・・・ワーカ(組織)によって、目的や活動内容が決められ、メンバーが集められ、グループが構成される時期
②開始期・・・その日の活動の目標をメンバー全員が理解し、活動内容を明確にし、さらにメンバーが積極的に参加できるように役割分担をはっきりさせる
③作業期・・・参加したメンバーが、その日の活動を活発に展開していけるように援助する
④終結・移行期・・・援助の目標が達成され援助の必要がなくなったとき・これ以上の効果が見られない時

3、地域福祉援助技術

1、コミュニティワークとは
地域における住民の自主的な活動や利用者の組織化を通じて、地域における様々な福祉ニーズを把握するとともに、社会資源を通じて、ちいきとしてかいけつしなければならない問題の解決を図る

2、コミュニティワークの方法
主体はあくまで住民だが、住民の自主性を尊重しながら援助するのがコミュニテイワーカーの役割である
①ガイドとしての役割・・・地域のニーズやサービスの需要と供給のバランスを考慮して援助体制を作る
②組織間の調整と計画・・・組織間のネットワークを整え、円滑な運営を図る
③技術専門家としての役割
④治療専門家としての役割

3、コミュニティワークの過程
①ニーズの把握
②計画の査定
③計画の実施
④評価

第11章 関連分野での専門職

1、医療・教育・司法の場での専門職

1、医療機関で働く福祉職
・医師
・薬剤師
・看護士
・保健士
・助産婦
・理学療法士
・作業療法士
・言語聴覚士
・医療ソーシャルワーカー・・一般病院において病気や障害によって生じる様々な生活上の問題をもつい患者や家族に対して援助を行う
・精神保健福祉士

2、学校における福祉と関連する専門職
■養護教諭・・・学校教育法に基づいて配置される。
a,個人及び集団の健康問題を把握する
b、怪我や病気など児童生徒の応急措置や休養の場の提供
c、心身の健康に問題を有する児童生徒の保健指導・健康相談・健康相談活動
d,情報の収集・活用・管理
e,感染症及び疾病予防のための措置
f,保健教育推進のための資料の収集・管理・調査
g,児童生徒の保健活動の場としての機能

■スクールカウンセラー
不登校や学校生活に適応していない子供を対象に、教師・学校の友人・さらに家族などと調整を図りながら、子ども自身が問題をかいけつしていけるようにケースワークを中心とした方法で援助する

3、警察・司法の分野で働く福祉職
■警察・・・警察官以外の職員による相談指導・少年補導員(ボランティア)・少年警察共助員(ボランティア)

■司法(家庭裁判所)
<業務>
養子縁組の許可
親権者の変更や親権喪失の宣言
親権者が施設入居に同意しない場合の証人
離婚や養育費の決定
・司法ケースワーカーの役割も果たす家庭裁判所調査官が配置されている

2、児童福祉とボランティア
ボランティアとは、自発的に自己の労力を提供して、援助を必要とする人や施設・団体などに協力する人をさす。

1、行政委嘱(いしょく)型ボランティア
■地域における子供の健全育成に関するもの・・・社会教育指導員、体育指導員、母子保健推進員
■要保護児童の福祉に関するもの・・・保護司、少年補導員
■障害児(者)の福祉に関するもの・・・身体障害者相談員、知的障害者相談員
■児童福祉全般にかかわるもの・・・児童委員(民生委員)

2、民間の自主的なボランティア
■地域における子供の育成に関するもの・・・地域スポーツ指導員、少年スポーツ指導員、VYS(地域の子供会の指導)
■要保護児の福祉に関するもの・・・更生保護婦人会
■障害児(者)の福祉に関するもの・・・点訳、朗読、手話などによる活動
■児童福祉全般に関わるもの・・・施設ボランティア、子供ホットライン、託児ボランティア、子育てインストラクター、スポーツ少年団、NPOの保育ボランティア、不登校児に対するボランティア活動

3、ファミリーサポートセンター
育児支援サービスを行うために、1994年(平成6年)から労働省の補助事業として実施されている事業。
地域に設置されたファミリーサポートセンターに子供を預ける人・保育する人がそれぞれ利用会員・援助会員として登録し、援助会員が保育所への送り迎えや育児の援助を行い、利用会員の就労と育児の両立を支援する。会員同士の助け合いがシステムの基本となる。

第10章 児童福祉の機関・施設における専門職

1、児童福祉における専門職とは

1、児童福祉における専門職の資格の概要
児童福祉事務所の社会福祉主事などは、都道府県知事または市町村長の補助機関の職員であることを要件としており、さらに社会福祉主事は20歳以上であって、人格が高潔で、思慮が円熟し、社会福祉の地道に熱意の有るものを基礎的要件としている。
それぞれ「社会福祉法」「児童福祉施設最低基準」「社会福祉法」に定められた資格要件を必要とする。

2、児童福祉における専門職の養成
児童福祉機関の職員は、福祉や心理学系の大学のほか、厚生労働大臣の認可を受けた社会福祉施設などで養成されたものが多くみられる。

2、児童福祉の機関・施設における専門職

1、児童相談所
・所長
・児童福祉司(児童ケースワーカーの一種)・・・児童相談所長の命を受けて、児童の保護その他の児童の福祉に関する事項について、相談に応じ、専門技術に基づいて必要な指導を行う
・心理判定員
・医師
・看護士
児童指導員
・保育士
・社会福祉士

2、福祉事務所の職員
・所長
・査察指導員
・社会福祉主事
・知的障害者福祉司
・身体障害者福祉司
・ケースワーカー
・家庭相談員・・・都道府県または市町村の非常勤職員。家庭児童相談室に配置

3、児童福祉施設の職員
・施設長
・児童指導員
・保育士
・児童自立支援専門員
・児童生活支援員
・児童の遊びを指導するもの
・母子指導員
・心理療法を担当する職員
・保健士
・看護士
・助産婦
・医師
・理学療法士
・作業療法士
・栄養士
・調理員
・事務職員

4、児童福祉における資格
国家資格として確立しているもの、「児童福祉法」関連の法令に規定されている任用資格のままのもの(児童指導員や社会福祉主事など)がある。

第9章 非行問題・情緒障害

1,非行問題の対策
1,非行問題の概要
■非行少年とは
非行は、反社会的な行為を行ったり、盛り場などを徘徊するなどして警察の補導対象になっている場合を指します。警察に補導されなければ非行少年としては扱われないこと

<非行少年の定義>
・罪を犯した少年(犯罪少年)・・・14歳以上で犯罪を行った少年
・14歳に満たないで刑罰法令にふれる行為をした少年(触法少年)
・その性格または環境に照らして、将来罪を犯し、また刑罰法令に触れる行為をするするおそれのある少年(虞犯(グハン)少年)

■少年非行の傾向・特徴
・第二次世界大戦後・・・貧しさが原因の窃盗が多かった
・高度経済成長期・・・豊かさの中の非行・非行の低年齢化
・昭和40年代以降から今まで・・・いじめ・家庭・家庭内暴力が代表になる

2,非行問題対策の実施体制
■内閣府の取り組み・・・青少年の非行問題に取り組む全国強調月間を定めた
■法務省の取り組み・・・保護司会やボランティア団体などの協力により「社会を明るくする運動」を毎年7月に行っている
■警察庁の取り組み・・・例年、学校の長期休暇(春休み・夏休み・冬休み)明けの時期に、家で少年の発見保護活動を強化し、家出人の捜査発見、及び非行化防止のための活動を行っている
■非行問題解決のための対策の概要
家庭環境の問題があり、非行傾向を持つ子供については、児童相談所における判定結果に基づいて
・児童または保護者を調整し、誓約書を提出させる
・児童福祉司、社会福祉主事、児童委員などに指導させる
・里親に委託する。または児童自立支援施設などの児童福祉施設に入所させる
■家庭裁判所に送致する
警察が非行少年を発見→その場で調査及び捜査をする→検察官・家裁・児童相談所などに送致・通告

少年鑑別所が行った鑑別結果を総合的に考え、少年院への送致・児童自立支援施設・児童養護施設への送致が行われる

■2007年(平成19年)少年法改正
・警察が触法少年を発見した場合、調査を行う権限を持つことが明記された。
・家裁は処分決定に満たない14歳未満の触法少年に保護処分を行うことが出来るようになった
・少年院送致の下限が14歳以上から12歳以上へ
・保護観察の措置の強化
・保護処分で本人の更正を図ることが出来ない場合は、児童自立支援施設や少年院への送致を行うことが出来るようになった

少年非行に関わる機関・施設・根拠法
■機関・・・警察・家庭裁判所・児童相談所
■施設・・・児童自立支援施設・少年院・少年鑑別所・少年刑務所
■根拠法・・・児童福祉法・少年法

2、情緒障害への対策

1、情緒障害
心因性あるいは環境に起因するものとされ、施設での治療対象となる問題行動をさす。
・場面寡黙・・・家庭以外では話せない
・不登校
・心気症・・・身体的な病気がないことははっきりしているが、自分は病気ではないかと不安になる
・家庭内暴力
・摂食障害
・抑うつ状態
・不安
・不眠

2、情緒障害児短期治療施設
軽度の情緒障害を有する児童を短期間入所、または通所させて治し、あわせて退所した者について相談他の援助を行うことを目的とした施設
最近は虐待のトラウマの問題の対処が増えている

第8章 障害児のための福祉対策

1,障害児問題の理念と概要
■バリアフリー・・・障壁から自由になる、障壁に縛られないこと
■ノーマライゼーション・・・基本的には、誰もが社会や地域で生活できるように互いに支え合っていること

1,障害者福祉の理念
1975年、第30回国連総会において、「障害者の権利宣言」が採択される。
障害者は、その人間としての尊厳が尊重される生まれながらの権利を有している。障害者は、その傷害の原因、特質および程度にかかわらず、同年齢の市民と同等の権利を有する

2,障害者問題の概要
1,傷害とはなにか
「障害者基本法」では、障害者について「身体障害、知的障害または精神障害があるため、継続的に日常生活または社会生活に相当な制限を受けるもの」をいう
近年では、障害児(障害者)を一般と変わらないニーズを持つノーマルな市民として理解する考え方が、国の内外に広まっている

2,身体障害児とは(身体障害者福祉法)
・視覚障害
・聴覚または平衡機能の障害
・音声機能・言語機能・または咀嚼機能の障害
・肢体不自由
・心臓・腎臓・呼吸器・膀胱・直腸・小腸・ヒト免疫不全ウイルスによる免疫機能障害等の傷害
であり、1~7級の等級が設定されている

3,知的障害とは(学校教育施行令)
「知的発達の遅滞があり、意思疎通が困難で日常生活を営むのに頻繁に援助を必要とする程度のものおよびその程度に至らないが社会生活への適応が著しく困難なもの」としている。
おおむねIQ75~70程度以下

2,障害児問題の実施体制

1,障害児施策の概要
■障害児の早期発見と予防
・フェニルケトン尿症(先天性代謝異常)
・先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)
などは、早期発見(マス・クリーニング検査=集団検査)で障害の発生を予防することが可能。
・ポリオ(急性灰白髄炎)はワクチンの投与により、我が国ではほとんど発生していない

■在宅の障害児のための支援施策
・児童居宅介護事業(ホームヘルプ)
・児童デイサービス事業
・児童短期入所事業(ショートスティ)
・障害児相談支援事業
・補装具の交付、修理、日常生活用具の給付、自立支援医療の給付

■施設における福祉施策
・自閉症児施設
・難聴幼児通園施設
・肢体不自由児通園施設
・肢体不自由児療護施設・・・病院等に通院させるほどではないが、家庭での療育が困難な児童

2,自立支援医療費と療育の給付
■自立支援医療費の給付
指定自立支援医療機関で治療を受けかかった費用の1割を負担。一定の所得以上のものは3割負担。

<対象となる給付内容>
・診察、薬剤または治療材料の支給
・医学的処置(手術・治療・施術)
・居宅での療養上の管理・世話・看護
・診療所への入院・世話・看護
・移送
<給付の対象>
・視覚障害によるもの
・聴覚・平衡機能障害によるもの
・音声・言語・咀嚼機能障害によるもの
・内蔵機能障害によるもの(一部を除き先天性のものに限る。手術により将来生活能力を得る見込みのあるものに限る)
・肢体不自由によるもの

■療育の給付
都道府県は、結核にかかっている児童に対し、療育の給付を行うことができる
・医療
・学習および療養生活に必要な物品の支給

■療育の指導
都道府県知事は、保健所を指定して療育の指導を定期的に行うことになっている。保健所長は、身体に障害のある児童につき、診査を行い、相談に応じ、必要な療育の指導を行わなければならないと規定している。

■小児慢性特定疾患治療研究事業
厚生労働大臣が定める慢性疾患にかかっていることで、長期にわたる療育を必要とする18歳未満の児童、または政令で定める疾患にかかっている18歳以上20歳未満の者の健全な育成をはかるために研究をする事業

第7章 保育問題と福祉対策

1.社会の変化と保育問題

夫婦共働きの家庭の増加が要因のひとつ。わが国の経済は女性の労働力なくしては成長できないといわれており、女性の労働力は量的・質的に大きく変化してきている。
また出生率の減少も変化のひとつである。

1、少子化がもたらす子供への影響
・親から過度の干渉を受け、子供の自立性が損なわれる
・子ども自身が兄弟姉妹や近隣の仲間の中で切磋琢磨する機会や思いやりを培ったり、我慢することを学ぶ機会が減少する→社会性が育ちにくくなる

2、家庭や地域における子育て機能の低下
女性の就労と育児の両立という課題から、保育所制度のあり方に変化が求められる

2、保育施策の概要

1、保育所における保育
■保育所における保育の目的
保育所は条例に定める理由により、保育に欠ける状態の乳幼児を保育することを目的とする。
保護者が
・昼間労働することを常態としていること
・妊娠中または出産後間がないこと
・疾病にかかり、もしくは負傷し、または精神もしくは身体に障害を有していること
・同居の親族の常時介護
・震災・風水害・火災など災害の復旧に当たっていること

■保育所の最低基準
・乳児や満二歳に満たない幼児を入所させる保育所は、乳児室またはほふく室(ハイハイが出来る部屋)・医務室・調理室・トイレを設けること
・乳児室の面積は、乳幼児(満二歳未満)一人につき1.65㎡以上、ほふく室は3.3㎡以上であること
・満二歳以上の幼児を入所させる保育所は、保育室または遊戯室、野外遊技場、調理室・トイレを設けること
・保育に必要な用具を備えること

■職員の基準
保育所には、保育士、嘱託医および調理員をおかなくてはならない
・乳児おおむね三人につき保育士1人以上
・満一歳~満三歳未満はおおむね6人に保育士1人以上
・満三歳~満4歳未満はおおむね20人に保育士1人以上
・満4歳以上の幼児おおむね30人に保育し1人以上

2、特別保育対策
近年、特に低年齢児保育や延長保育、緊急、一時保育などのニーズが高まり、2005年(平成17年)に「保育対策等促進事業」として次のように再編される
・一時、特定保育事業
・乳幼児保育等促進事業
・地域子育て支援センター事業
・休日・夜間保育事業
・待機児童解消促進事業
・保育環境改善等事業

3、認可外保育施設
認可外保育施設の設置者は、事業開始や必要事項を都道府県知事に届けることが義務づけられる
(2001年)
■事業所内保育施設・・・従業員の子供を保育する施設。国からの補助あり
■へき地保育所・・・保育所が設置されていない地域の保育所。国からの補助あり
■その他の保育施設・・・私人、団体、民間企業などによる乳幼児のための保育施設(ベビーホテルを含む)がある。現在職員の配置基準や環境について指導されている。

第6章 母子保健の施策

1、母子保健の概要と実施体制

1、母子保健の概要
結婚前から妊娠・出産、そして乳幼児の子育て期を通じて、一貫して総合的な母子保健が推進されている。健康保険施策は健康診断・保健指導など、療養援護等及び医療対策等の領域において対策が行われている。

2、母子保健の実施体制
母子保健行政の実施機関は市町村である。
都道府県は、母子保健を担当する部局を設置し、母子保健事業に関する企画・立案・予算の計上・配分、及び市町村の母子保健の指導を行う。
市町村は、母子保健を担当する部局を設置し、基本的なサービス
・母子健康手帳の交付
・保健指導
・健康診査
に関する業務を担当する

3、健やか親子21の策定
2001年から2010年までの10年間の母子保健の取り組みとして、健やか親子21を策定
・思春期の保健対策の強化と健康教育の推進
・妊娠・出産に関する安全性と快適さの確保と不妊への支援
・小児保健医療水準を維持・向上させるための環境整備
・子供の心の安らかな発達の促進と育児不安の軽減

2、母子保健施策の実際

1,妊産婦および乳幼児の健康診査(実施機関は市町村)
・妊婦健康診査
・乳幼児健康診査
・一歳六ヶ月健康診査
・三歳児健康診査

2、妊産婦及び乳幼児の保健指導
・妊娠の届出
・母子健康手帳

3、妊産婦及び小児に対する医療援護
・妊娠高血圧症候群など療養の援護
・未熟児養育医療・・・低出生体重児の届出義務、養育医療の給付
・自立支援医療
・小児慢性特定疾患治療研究事業

4、周産期医療対策
5、乳幼児健康支援一時預かり事業・・・保育所に通所している子供が病気回復期で自宅療養が必要な期間に、保護者の勤務などで育児が困難なときに保育所や病院で一時的に預かる事業
6、緊急サポートネットワーク事業・・・子供が急病のときに、退職した看護士や保育士が預かる事業

第5章 子育てを支援する取り組み

1.地域社会と家庭の変化への対応

1、子供と家庭を取り巻く環境の変化
<出生率の低下への背景>
家庭や地域における子育て機能の低下、女性の社会進出に伴う、育児と就労を両立させることへの困難、育児・子育てに対する心理的・身体的な負担増、住宅事情の問題、保育・教育費など子育てコスト増などの問題が指摘されている。

2、子育て支援社会の構築に向けて
■1994年(平成6年)エンゼルプラン
・子育てと仕事の両立支援
・家庭における子育て支援
・子育てのための住宅及び生活環境の整備
・ゆとりある教育の実現と健全育成
・子育てコストの軽減

■緊急保育対策等5ヵ年事業
エンゼルプランの施策を具体化するために作成される
・低年齢児保育の促進
・延長保育
・一時保育
・乳幼児健康支援ディサービス事業
・放課後児童クラブ
・多機能化保育所の整備
・保育所の人的配置の充実
・保育料の軽減
・地域子育て支援センター
・母子保健医療体制の充実

■新エンゼルプラン
1999年、少子化対策推進基本法方針の決定を受けて、従来のエンゼルプランの見直しが図られ、策定される。2000年度から5ヵ年の施策計画「少子化対策推進基本方針」を具体化したもの。

■子供・子育て応援プラン
2005年の新エンゼルプラン終了に伴い、2004年(平成16年)策定される。平成21年度までの5ヵ年に実施される具体的な内容と目標が示されている。
・子供が健康に育つ社会
・子供を産み、育てることに喜びを感じることが出来る社会

3、子供の健全育成
■児童館・・・児童の遊びを指導するもの2人以上が配置される
■児童遊園・・・児童の遊びを指導するものが配置される

2、児童虐待への対応

1、児童虐待の定義
保護者(親権を行うもの、未成年後見人その他のもので、児童を現に監護するもの)が、その監護する児童(18歳に満たないもの)について以下にあげる行為
・児童に対する身体的外傷、または生じる恐れの有る暴行を加えること
・わいせつな行為、または児童にわいせつな行為をさせること
・減食または放置など、保護者としての監護を著しく怠ること
・激しい暴言、拒絶的な対応、児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力、その他児童に対して心理的外傷を与える言動を行うこと

■厚生労働省における定義
・身体的虐待・・・生命・健康に危険のある身体的な暴行
・性的虐待・・・性交・性的暴行・性的行為の強要
・ネグレクト・・・保護の怠慢や拒否により健康状態や安全を損なう行為
・心理的虐待・・・暴言や差別など心理的外傷を与える行為

2、児童虐待の実態
■原因
・親の側の要因・・・親自身の虐待の経験・経済的困難、親族・近隣・友人からの孤立・夫婦の不和
・子供の側の要因・・・望まぬ妊娠の子、頑固で育てにくいなど育児に負担を感じやすい、低体重・多胎など養育に苦労を感じやすい子
・親子関係による要因・・親または子供が長期入院していたため親子関係が形成しにくいなど

3、児童虐待防止への対策
虐待された児童の自立を図るには、トラウマの修復など精神的なケアが必要である。
児童養護施設の職員
1999年・・心理療法を担当する職員の配置
2001年・・被虐待児個別対応職員の配置
2004年・・家庭支援専門相談員の配置(児童養護施設・乳児院・情緒障害児短期治療施設・児童自立支援施設)、被虐待時個別対応職員(母子生活支援施設・情緒障害児短期治療施設・児童自立支援施設)に配置

4、児童虐待の通告義務
児童福祉法または児童虐待の防止等に関する法律により、虐待されている児童を発見した場合は福祉事務所または児童相談所への通告が義務づけられている。その際の調査や一時保護の権限は児童相談所所長にあるため、児童は福祉事務所を通じ、児童相談所に送られる。

5、虐待への措置
子供が虐待されている恐れが有る場合、児童委員などによる立ち入り調査が行われる。また、保護者が児童を虐待し、著しくその監護を怠るなど、保護者に監護させることがその児童の福祉を害する場合は親権者の意に反しても、児童相談所が家裁の承認を受け措置をとることが出来る

第4章 福祉施設の機関と施設

1、児童福祉に関わる行政及び審査機関

1、行政組織
国・・・厚生労働省
地方公共団体・・・都道府県・特別区(東京23区)・市町村
政令指定都市は都道府県と同じ権限を持つ
中核市(人口が30万以上・面積が100平方キロメートル以上)

2、審議機関(児童福祉審議会)・・・合議制の機関
都道府県には設置義務が有る。市町村は任意。
・行政の諮問機関
・文化財の推薦・勧告

2、児童福祉の実施機関
1、市町村
・児童及び妊産婦の福祉に関し、必要な実情の把握に努めること
・児童及び妊産婦の福祉に関し、必要な情報の提供を行うこと
・児童及び妊産婦の福祉に関し、相談に応じ、調査・指導を行うこと並びに付随する業務を行うこと

2、都道府県
・各市町村の区域を越えた公益的な見地から、実情の把握に努めること
・相談のうち、専門的な知識及び技術を必要なものに応ずること
・必要な調査及び医学的・心理学的・教育学的・社会学的・及び精神保健上の判定を行うこと
・必要な指導を行うこと
・児童の一時保護を行うこと

3、児童相談所
都道府県・政令指定都市には設置が義務づけられている
■児童相談所の措置手引き
・児童福祉司の指導や児童福祉施設への入所処置について、児童相談所所長は、都道府県における措置を必要と認めるときには、都道府県知事への報告書の記載事項に、家庭環境ならびに措置について子供と保護者の意向を記載するものとする。
・措置に関する児童福祉審議会への意見聴取
施設入所の措置の決定及び解除を行うときは、都道府県児童福祉審議会に意見を聞かなければならない

1)職員・・・所長・児童福祉司・心理判定員・医師・児童指導員
2)児童福祉に関する業務(相談)
・家庭からの相談
・地域住民や関係機関からの通告、福祉事務所や家庭裁判所からの送致
・相談・・・養護・障害・非行・育成
■調査・診断・判定
■指導
■措置など
■一時保護・・・原則として子供及び保護者の同意で行う

4、福祉事務所
生活保護・身体障害者福祉・知的障害者福祉・母子及び寡婦福祉・高齢者福祉の業務を行う
1)設置の基準
都道府県と指定都市、市、特別区は設置義務がある。町村は条例を定めた上で設置
2)職員・・所長・職員・査察指導員・社会福祉主事・身体障害者福祉司・知的障害者福祉司・老人福祉指導主事
3)業務
・子供及び妊産婦の福祉に関して、必要な実情の把握を行う
・子供及び妊産婦の福祉に関する事項について相談に応じ、必要な調査・指導を行う
■福祉事務所長の措置
・専門的判定や児童養護施設の入所措置を要するとみちめられる時は「児童相談所」に送致すること
・要保護児童または保護者を福祉事務所の知的障害者福祉司または社会福祉主事に指導させること
・母子生活支援施設、助産施設への入所が適当と認められる事例について、母子保護や助産の実施機関である都道府県知事・市町村の長に報告・通知すること
・保育を必要とする児童がいたときは、保育の実施機関である市町村の長に報告または通知すること

5、家庭児童相談室
福祉事務所に設置され、社会福祉主事と非常勤の家庭相談員による指導を行う

6、保育所
・児童の保健について、正しい衛生知識の普及を図る
・健康診断や健康診査を実施し、必要に応じて保健指導を行う
・身体に障害の有る児童・疾病により長期療養を要する児童に療育指導を行う
・児童福祉施設に対し、栄養の改善その他衛星に関し、必要な助言を行う

7、児童福祉施設

■助産施設・・・保健上必要であるにも関わらず、経済的理由により入院助産を受けることの出来ない妊産婦を入所させて、助産を受けさせる施設
・第一種助産施設・・・医療法の病院で医師が管理する
・第二種助産施設・・・医療法の病院で助産院が管理する

■乳児院・・・家庭での療育が困難な乳幼児を養育する施設
■母子生活支援施設・・・配偶者のいない女子の監護すべき児童を入所させて自立の促進を図る
■保育所・・・保護者の委託を受けて、保育に欠ける乳児または幼児を保育する事を目的とする施設で、子育て支援の活動の拠点となる
■児童更正施設・・・児童遊園・児童館など児童に健全な遊びを与え、その健康を増進し、情操を豊かにすることを目的とする施設
■児童養護施設・・・保護者のいない児童・虐待されている児童で満18歳に満たない子供を養護し、退所した子供も含めて自立を援助する施設
■知的障害者施設
■知的障害者通園施設
■肢体不自由児施設・・・上肢または下肢または大幹(頭と上肢・下肢を除いた部分)の機能障害の有る児童を治癒するとともに、独立自活に必要な技能を与えることを目的とする施設
■重症心身障害児施設・・・重度の知的障害及び肢体不自由が重複している児童を入所させて、これを保護するとともに、治癒及び日常生活の指導をする施設。おおむね三歳以上
■情緒障害児短期治療施設・・・軽度の情緒障害を有する児童を短期間入所・または保護者の下から通園させ、情緒障害を治し、退所した後も相談に応じる施設
■児童自立支援施設・・・不良行為をなし、またはなす恐れの有る児童、及び環境上の理由より生活指導を要する児童を入所させ、または保護者の下から通所させ、自立を支援し、退所したあとも相談や援助を行う施設
■児童家庭支援センター・・・家庭・地域住民その他からの相談に応じ、必要な助言を行い、保護者に対する指導を行い、合わせて児童相談所・地域福祉施設と連絡調整を総合的に行う施設。児童養護施設などの児童福祉施設に附属されている

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