第31章 母子保健サービスと保育との連携

1、母子保健行政における連携

1、厚生労働省
厚生労働省の内部部局の中で、母子保健に関係するのは「雇用均等・児童家庭局」であり、国・都道府県・市町村それぞれに現地策の見直し、運営の工夫を促すとともに、互いに連携を取り合う支援をする。

2、都道府県
厚生労働部の中の保健予防課または公衆衛生課において、母子保健を取り扱う。
都道府県においては各施策の市町村への運用を工夫し、技術的支援や専門的サービスや知識の普及、母子保健サービス方法などの指導を行う

3、市町村
母子保健主管部局・課・係が設置され、そのサービス施設として保健センターがある。
市町村においては、公的補助の有る施策を充分に取り入れて母子保健サービス計画を立て、地域にある保険医療機関との連携を強める

4、行政以外(民間)
行政組織を助ける民間人として、児童委員・民生委員・母子保健推進員などがある

2、情報収集のための連携
①対象となる子供の特性
②その子供の育児者の特性
③子供や育児者の住んでいる地域の特性
このような多方面にわたる情報は、多くの専門家の意見が重要である。

よりよい連携は、お互いの専門性を尊重しあい、対等な関係を保つと共に、個人情報に関する守秘義務が遵守(じゅんしゅ)されているような、互いに信頼できる関係でないといけない

3、子育て支援のための連携
・子育て支援センター・・・保育所に通っていない乳幼児を対象にして、育児相談や子育て指導を行ったり、子育てサークルへの支援を行ったりする
・各保育所間で連携を図り、乳児保育・障害児保育・延長保育・夜間保育・一時保育・長時間保育を積極的に実施している

4、児童虐待防止のための連携
子供の心の健康づくり対策として、市町村における虐待防止のネットワーク事業を実施し、地域ぐるみで福祉活動と保健医療の連携による体制づくりをしている

5、連携のための組織作りの必要性
母子保健サービスには、同じ組織・施設・機関内での他職種間の連携が必要となる。

6、国際的な連携の必要性
国際的な視点でみると、母子保健衛生水準がいまなお低く、乳幼児や妊産婦の死亡率が高い国も少なくない。小児保健の理念から考えると、国や人種の違いを超えて、全ての子供が、児童としての権利や福祉を充分受け入れられるよう、全世界が連携しあって母子保健サービスを提供する必要が有る。
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第30章 母子保健サービスの実際

1、母子保健サービスの実施施設

■保健所・・・母子保健サービス活動の拠点
都道府県・政令指定都市・中核市・特別区(東京23区)に設置されている

■母子保健センター
市町村の設置する施設で母子保健の拠点となる

■福祉事務所
都道府県と政令指定都市、市・特別国設置されている。
助産施設・母子生活支援施設・保育所への入所受付や福祉事務所内に家庭児童相談室をおき、
児童に関する相談に応じたり、必要に応じて児童相談所に依頼したりする

■児童相談所
都道府県及び政令都市に設置される。
18歳未満の児童およびその家庭の指導や保護を必要とする児童のための相談に応じる。
福祉事務所への入所手続きを行う

■医療機関(病院・診療所・助産所)
治療だけでなく、育児相談や健康診査などの保健活動の場として活用される。
・新生児集中治療施設(NICU)
・周産期集中治療施設(PICU)
がある。

2、母子保健サービスの具体的な内容

①保健対策
■健康診査
○妊婦健康診査・・・医療機関・市町村・保健所において、妊娠前期・妊娠後期の2回の健康診査と必要に応じて精密検査を一回公費で受診できる。
○新生児健康診査・・・新生児から微量の血液を接種し、先天性代謝異常発見のための「マス・クリーニング検査」などの検査を研究機関で行っている。
実施主体は都道府県および政令指定都市である。
○乳児健康診査・・・市町村で公費による2回の医療機関委託の健康診査を実施している。
○1歳6ヶ月児健康診査・・・特に心身の発育発達状態をチェックして、心身障害を早期に発見するために行われる。また栄養指導・う歯の育児指導にも重点が置かれる
○3歳児健康診査・・・3歳児の総合的な健康診査を行う。視聴覚検査や尿検査も行われる。

■保健指導
○妊産婦・乳幼児に対する保健指導・・・妊産婦に対して、妊娠・分娩・産褥に対する知識を与え、未熟児を減少させたり、妊娠中毒症を防止するための指導を行う。
集団指導と個別指導がある。
○妊産婦・乳幼児・未熟児に対する訪問指導

■健康教育・相談
母子の長期的な健康をめざして、思春期にある子供の時期から、結婚をひかえた男女・妊婦や育児中の母親や家族に対して、教育・指導を行う。また更年期を迎える女性の心理や不妊に悩む夫婦の相談など行う
○思春期における保健・福祉体験学習事業・・・思春期の子供を対象として、乳幼児や育児者とふれあうことで早期から父性・母性を育成することを目的とする。
○健全母性育成事業・・・思春期の子供や家族に性に関する問題・心身の問題などに相談に応じる

■母子健康保険手帳の交付
妊娠したものは、すみやかに市町村長に妊娠届けをし、母子健康手帳の交付を受けること(母子保健法 第15条)

■それ以外の健康教育や相談事業
・共働き家庭子育て休日相談支援事業
・海外在留邦人に対する母子保健情報の提供事業
・子供の心の健康づくり対策事業・・・虐待、いじめの対応を図る
・出産前小児保健指導事業
・乳幼児の育成指導事業

2、医療援護対策

■妊娠高血圧症候群などの療育対策
妊娠高血圧や糖尿病などの疾患を持つ妊婦は、出生児も疾病異常を起こしやすいため、早期に適切な医療を受けられるようにする

■未熟児養育対策
低体重児が出生した場合、保護者は保健所に届出を行わなければならない。
それに基づいて「未熟児訪問指導」が行われる。

■小児慢性特定疾患治療研究事業
治療に長期間を有し、医療費が高額になる特定の疾患(小児ガン・喘息など)に対しては、医療費の公費負担と治療の促進を図る研究が行われている。「小児慢性特定疾患児手帳」を交付。

■自立支援医療費の給付
治療によって効果が期待できる身体の障害に対して、自立支援医療費の給付(原則1割負担)を行っている

■療育の給付
結核にかかっている子供を入院させ、専門的な治療を受けやすくする。

3、基盤整備対策

■病棟保育士配置促進モデル事業
小児病棟などで、長期入院している子供に対し、保育士を配置して遊びを通して心身面のケアや発育・発達の援助を行う

■乳幼児健康支援一時預かり事業
通常の保育が困難である、病気の回復期にある子供で、保護者の勤務の都合で育児が困難な場合に、病院や保育所で一時的に預かり、子育て支援を行う

第29章 母子保健サービスの意義と法的根拠

1、母子保健サービスの必要性
家族だけで十分な保健活動が出来ない場合、母性(妊娠中や育児中の母親をさすが、思春期や更年期の女性もさす)と子供を支援するための、国・地方公共団体の支援が必要となる

2、母子保健サービスの変遷ヘルスプロモーション・・・健康を維持・管理し、問題点を改善するためには一人一人の努力や意識の向上が必要で、それを支援していく過程を言う

■新エンゼルプラン・・・1999年、重点的に推進すべき少子化対策の具体的実施計画。
保育サービスの充実
母子保健医療体制の整備
教育環境の整備
まちづくりによる子育て支援

■子供・子育て応援プラン
2004年、新エンゼルプランを継ぐ形で策定される。地方公共団体や企業とともに政府を挙げて取り組みの強化を図る。

■健やか親子21
21世紀の母子保健のピジョンを示すもの。国民全体で母子保健の向上に向けて活動する国民運動として位置付けられている

3、母子保健サービスの基本となる母子保健法
母性は子供の健全な出生と育成の基盤として重要な役割を持っているため、尊重され、保護されている権利がある。さらに保護者は自らの健康の保持増進に努めて、乳幼児の健康の保持増進にとっての知識を習得する必要が有る

4母子保健サービスに関連する法規

1、保健活動に関する法律
■地域保険法
地域における保健活動のあり方を示す。特に都道府県・市町村の役割を明確にした。
都道府県・・・広域的、専門的な内容を持つ活動を行い、市町村に対する連絡調整・指導・助言を分担する
市町村・・・健康診査、保健指導、健康教育などの基本サービス

■母体保護法・・・中絶・受胎調節
■予防接種法・・・予防接種の実施について
■学校保健法・・・幼稚園児の健康診断、児童・生徒の健康診断

2、医療に関する法律
■医療法・・・病院など医療機関の設置と役割について

3、社会的関係に関する法律
■戸籍法・・・出生・死亡などの人工動態について、当事者が届けるように定めている

4、福祉に関する法律
■児童福祉法・・・児童の自立を支援する対策・健全育成に関する対策について

第28章 保健活動における連携の重要性

1、施設内における連携

1、保健活動を行う職員
①嘱託医・・・子供の健康診断・日常的に相談に乗り、指導する
②保健士・看護士(幼稚園では養護教諭)
③栄養士・・・献立作り、栄養管理、栄養指導、栄養教育
④調理員
⑤心理関係職員(カウンセラー)

2、同じ職種同士の連携
全員が子供に関する知識を有し、同じ目標に向かって保健活動を行う

3、職種間の連携
それぞれの受け持つ専門分野は決めるが、それを相互に理解しながら、小児保健計画の立案や実践を協力していくことが大事である。そのためには相互に自由に意見交換ができる関係でなければならない。

2、施設外との連携

1、家族との関係
家族から小児について、機嫌や家族との関係について十分に情報を得る必要がある。
また反対にほかの子供との関係を親に話し、互いに理解しあうことも大切である。
連絡帳などを用いると情報交換がスムーズにいく。
さらに、これらの情報を職員間で話し合い、統一した育児方針の下で子供にかかわる事が大事である。

2、地域との連携
食中毒や感染症が発生したときに、被害の拡大を防ぐため、地域の保健所との連携が大切である。
さらに施設や家庭では、地域保険活動である乳児健康診断、一歳半検診・三歳児検診での結果が重要な情報になる

第27章 各種の児童福祉施設の特徴と健康管理の実際

1、助産施設
■特徴
健康上入院の必要があるにも関わらず、経済的理由から入院助産を受けることが出来ない妊産婦を入所させる。助産婦から申し込みがあれば、助産施設に入所させる義務が有る
■主な保健活動
安心・安全・安楽な出産
出産後の母子の健康管理

2、乳児院
■特徴
保護が必要な乳児(特に必要の有る場合は幼児を含む)を入院させ、養育し、退院したものには相談などの援助を行う
■主な保健活動
生活環境を整え、積極的な健康づくり
早期の感染症の発見、治療

3、母子生活支援施設
■特徴
配偶者のいない女子、またはこれに準ずる女子と児童を保護し、自立促進のために生活を支援し、退所したものには相談などの援助を行う。
申し込みにより母子生活支援施設に入所させたり、生活保護法を適用させたりする

4、保育所
■特徴
保護者の委託を受けて、保育に欠ける乳幼児を保育する通所施設。
近年は地域の子育て支援の場として、保育の情報提供や相談・助言をする役目を果たす

5、児童厚生施設
■特徴
児童に健全な遊びを与えるためのもので、児童遊園や児童館がある。
児童館の中には小型児童館・児童センター・大型児童館がある
■保健活動
少子化に伴い、子供同士が接触する機会が少なくなったので、子供の溜まり場・遊び場として存在する。保育所や幼稚園に入園する前の乳幼児や学校の放課後の児童の遊び場としての役割が有る

6、児童養護施設
■特徴
保護者のいない児童(基本的に乳児を除く)虐待されている児童・家庭環境上養護を必要とする児童を入所させて養護し、退所してからも相談などの援助を行う
■保健活動
近年虐待の割合が増加している。専門的な援助が必要な場合は児童相談所の協力を得る。

7、知的障害者施設・知的障害者通園施設
■特徴
知的障害児を入所させて、保護すると共に、独立自立に必要な技能を与えることを目的とする
■保健活動
①言語・・聴覚教材だけでなく、視覚・触覚・嗅覚・味覚などというあらゆる感覚刺激を生かした生活体験を通して行う
②運動・・知的障害児は、持続的な集中力・バランス能力・協調運動などの発達が不良である場合が有るので、遊びやスポーツ、深呼吸運動を通じてその機能を高める
③生活・・起床時間・食事時間・着替え・排泄といった生活リズムを整え、身の回りのことが出来たり、保育者の手伝いが出来るような生活習慣を身につけさせる。

8、盲ろうあ児施設
■特徴
盲児やろうあ児に、家庭では適切な保育指導が出来ない場合、入所させて保護するとともに、自立に必要な指導または援助を行う
■保健活動
積極的に毎日色々な運動を取り入れたり、生活習慣を確立したりして、自立性や社会性を育てていく

9、肢体不自由児施設
■特徴
上肢・下肢・体幹に機能障害があり、長期間の治療を必要とする児童を治療すると共に、独立自活に必要な知識技能を与えることを目的する施設。
■保健活動
主に脳性まひ児のリハビリテーションを行う。通園の場合は幼稚園や小学校での集団生活が円滑に行われるようにする

10、重症心身障害児施設
■特徴
重度の知的障害及び重度の肢体不自由が重複している児童を保護すると共に、治療や日常生活の指導を行う施設
■保健活動
最近は極低出生体重児でも後遺症のない場合が多いが、知的障害・脳性まひ・てんかん・摂食障害・呼吸障害などを併発している場合がある。こうした合併症に対する対策を根気よく続けながら子供の興味を引き出し、情緒の安定を図りながら、生きることへの意欲を持たせる

11、情緒障害児短期治療施設
■特徴
軽度の情緒障害「不登校・自閉的傾向・かんもく・チック・夜尿・吃音・反抗など)を有する児童を短期間入所させ、精神医学的・心理学的に治療や生活指導を行うと共に、退所したものについて相談や援助を行う

12、児童自立支援施設
■特徴
不良行為を行ったり、行う恐れの有るもの、あるいは家庭を含む様々な環境上の理由により生活指導が必要な児童を入所させ、自立を支援するとともに、退所したものに相談や支援を行う
■保健活動
職員が子供を心から受容することによって、子供の間に信頼関係が生まれ、そのような安定の中で子供は自ら成長し、自分の力で立ち直っていく。様々な生活指導・職業指導・スポーツ・レクリエーション・音楽を通じて子供の自立を支援する

13、児童家庭支援センター
■特徴
地域の児童福祉に関する問題について、児童・母子家庭その他の家庭や地域住民からの相談に応じる。必要な助言を与えると共に、児童相談所や他の児童福祉施設を連絡調整その他の援助を総合的にしている

第26章 児童福祉施設における保健活動の基本的方針

1、児童福祉施設とその保健的特性

<児童福祉施設の種類>
○不十分な育児環境にある子供や母親のための施設
児童養護施設・乳児院・助産施設・母子生活支援施設・児童家庭支援センター
○情緒行動面に問題の有る子供のための施設
児童自立支援施設・情緒障害児短期治療施設
○心身に障害のある子供のための施設
知的障害児施設・知的障害児通園施設・肢体不自由児施設・重症心身障害児施設・盲ろうあ児施設
○一般の子供の健康増進などのための施設
保育所・児童厚生施設

2、児童福祉施設の共通の特性
①一人一人の発育・発達段階に応じた生活が出来るような支援
②集団生活を支援することによって、より情緒的な要求を満たし、施設の生活に適応できるような支援
さらに障害者を対象とする施設においては
①それぞれの障害に関する保健活動を行う
②小児期特有の保健活動を行う

3、集団生活の影響力
・ある一人の子供の健康状態が他の子供の生活や健康に影響を与える
・その影響は、その子供の家族へ
・さらに他の家族や職員へ

2、施設における保健活動の基本

1、基本的な保健活動
「母子保健法」「学校保健法」「児童福祉施設最低基準」を基本とし
①健康の保持増進
②疾病の予防と早期発見
③順調な発育・発達の支援
④環境の整備

<児童福祉施設における保健活動>
①健康づくり
②食生活・栄養管理
③精神保健対策
④疾病対策(疾病予防も含む)
⑤事故に対する安全対策・救急処置

2、保健活動に影響を与える要因
■施設側の条件
安全性が高く、子供の行動や身体の大きさに適した環境であること。
保健活動は職員の立てる組織的・計画的な保健計画にも大きく左右される。
医師との連携もスムーズでなければならない。
家族の協力を得ることが何よりも大事

■利用者側の条件
把握する子供の特性
①出生時の状態
②体質やかかりやすい病気
③発育・発達の過程
④予防接種暦や健康診断結果
⑤事故と受傷状況

3、施設における保健役員の整備
・保健室(安眠室・休養室)の設置
・身体計測用具の準備
・応急処置備品の準備

3、具体的な保健活動内容

1、健康的な保健活動内容
子供自身が自主的に健康づくりが出来るように、健康を増進する方法などを教えることが大事。
・日常的な手洗い
・うがい
・乾布摩擦
・体操

2、食生活・栄養管理
・子供の成長に合わせた食事
・疾病や障害にあわせた食事
・正しい食生活の確立
・食中毒対策

3、精神保健対策
■対人関係における心の問題
①子供の精神的状態が原因で対人関係に問題がある場合の対策
②施設にいるほかの子供との関係による問題(いじめなど)への対策
③子供とその家族との関係が原因となっているもの(保護者の養育態度・虐待など)への対策

■施設の環境条件による心の問題
①施設に入所することによる心の問題への対策
②施設の建物・設備などによる心の問題への対策
③地域の条件(近隣住民の態度・地域環境)による心の問題への対策

4、疾病対策
児童福祉施設による健康診断は「児童福祉施設最低基準」において施行義務が定められており、学校保健法に準じる形で行われる

■疾病の早期発見のための健康診断
<健康診断のチェック項目>
①発育・発達状態の測定
②栄養状態(やせ・肥満を含む)の判定
③身体各部位の診察(虐待の発見を含む)
④う歯の有無・歯列や口腔内の歯科学的観察

■疾病の早期対処や早期治療
子供に何らかの変化や異常が見られたら、早期に適切な対処をする。
疲れている→午睡や休憩を増やす
便が異常→食事の工夫
湿疹が出ている→爪を切る
明らかに疾病が疑われるときは、嘱託医や専門的医療機関とすばやい連携をとる

■疾病予防対策
○感染症予防対策・・・予防注射の勧奨
○アレルギーや喘息など・・・健康増進のための保育・鍛錬・栄養改善

5、事故防止対策
■安全対策・・・施設の建物内外、備品や遊具の安全点検と整備
■安全教育・・・言葉で言うより、行動しながら説明するほうが効果が有る。
■災害対策・・・施設内での避難訓練、地域ぐるみの訓練が大事。PTSDへの対策を考えておく

6、環境保健対策
・施設内外の掃除と消毒
・施設内の物理的環境の整備
・水質検査
・動植物の管理
・職員の健康管理

第25章 事故・災害における子供の心の問題

1、子供の心の問題

1、事故や災害による影響
PTSD・・・心的外傷後ストレス障害

2、被災した子供の症状
被災した子供は、このことをよく話したり、暗闇を怖がったり、一人になることをおびえたりする。小中学生においては、集中力が低下したり、人に話しかけられるのを嫌がったりする

3、心の問題への対処
①安心感を持たせる・・・子供が不安に思うことは避け、子供を一人にせずに、スキンシップを心がける
②身体的な変化を見逃さない
③遊んで話を聞く・・・子供は遊びによって気持ちを表出したり、心の安定を取り戻したりするので、一緒に遊ぶ中で心のケアを行う
④保護者への支援・・・子供の気持ちを落ち着いて受け入れる大切さを保護者に説明する
⑤心の問題に対する家族への指導や、専門家と事前に連絡を取る。

2、避難訓練の重要性
保育所では月一回の訓練が定められている。
日ごろから訓練し、正しく誘導できるようにしておく。
子供の年齢や人数、部屋の場所や時間帯、活動の内容などによって対応に違いが有るので、訓練するときには色々な災害の状況を設定して練習することが大切。

第24章 救急処置と心身の被害

1、事故や救急処置に対する心構え

1、救急処置の目的
①小児の命を守ること
②小児の苦痛や不安を和らげること
③今の状態よりも悪化させないこと

2、救急処置を行うときの注意事項
①あわてず、落ち着いた態度をとる
②自分ひとりで処置を行わず、大声でたくさんの人を呼ぶ
③怪我や病気の状態を正確に把握する
④適切な処理を行う
⑤処置と同時に周りの人に救急車や医師の手配をとってもらう
⑥出来るだけに小児を動かさないようにする

3、日ごろの心構え
①応急処置に対して、正しい知識を身につける
②救急箱の常備。
③救急時の連絡体制(医療・家族)を整えておく

4、救急箱の準備
保管場所を決め、小児の手の届かないところに置く

2、救急処置の実際

■外傷
①出血を止める
②感染を予防する

1、すり傷
泥や砂を流水で洗い流し、消毒する。傷が深い場合は、抗生物質入りの軟膏をガーゼに伸ばして塗り、包帯をする

2、切り傷
傷が浅い場合は消毒だけで十分。出血が間接圧迫で止まらないときは医師の治療を受ける

3、刺し傷
浅く刺さっていて出血が少ない場合は、刺さっているものを取り除き消毒する。古い釘や泥のついているものは破傷風の予防注射を受けているか確認し、していない場合は医師に相談する。

4、打撲傷(うちみ)
皮下出血と痛みがある。打撲部位を高くして冷やす

■出血
<種類>
①動脈出血・・・鮮紅色の血液が、脈を打つように出てくる。自然にとまることはなく、出血量が多くなると死にいたる。
②静脈出血・・・暗赤色の血液がだらだらと出る
③毛細血管出血・・・暗赤色の血液がじわじわとにじみ出る

<止血する部位と注意点>
①出血している部位を心臓より高くする
②静脈出血の場合は、出血部位より末梢の血管を圧迫する
③動脈出血の場合は、出血部位より心臓に近い血管を圧迫する
④止血した時刻を記入しておく
⑤安静・保湿に気を配る

<止血の方法>
①間接圧迫止血・・・出血している部位より心臓に近い動脈(止血点)を、手や指で圧迫する。押さえるときは骨に向かって動脈を押しつけるようにする。主に医療機関で行われる
②直接圧迫止血・・・静脈・動脈にかかわらず、出血しているところにガーゼをあてて、包帯を強く巻く。ただし強すぎるとうっ血を起こして青くなるので注意する。
③止血帯法・・・三角巾や手ぬぐい、バンドなので出血部位より心臓に近いところの血管を圧迫する。直接圧迫止血で出血が止まらないときに用いる。
④鼻血の止血法
・座ったまま小鼻を強くつかむ
・それでもとまらない場合は、前かがみにして鼻をつまむ
・血がのどに流れたら、器に吐かせる
・出血が100ml超えたら医師に診せる

■頭部打撲
①軽い頭部打撲・・・打った後すぐに泣き、泣き止んだ後普段と変わらなければ心配はいらないが、数日は様子を見る
②重い頭部打撲・・・打った後けいれんしたり、ぼんやりしたり、意識を失ったり、吐き気・嘔吐・頭痛・手足の動かし方がおかしいなどの症状があるときは大至急病院に運ぶ

■熱傷(やけど)
<熱傷の分類>
①第一度・・・皮膚が赤くなりひりひりする
②第二度・・・皮膚が赤くなり、水泡ができ、激しい痛みがある
③第三度・・・皮膚が白くなったり黒くこげ、皮膚が壊死する

<熱傷の応急処置>
①流水をかけたり、水をかけたりして痛みがなくなるまで十分に冷やす。衣服を無理にはがそうとしないで服の上から水で冷やす
②水泡をつぶさない。熱傷の部分をこすったりして感染をしないようにする
③焼けて黒くなった場合は、あとでショック状態になることもあるので救急車を呼ぶ

<熱傷の広さ>
小児では熱傷の範囲が10~15パーセントに及ぶ場合は救急車を呼ぶ

■異物による事故

<異物がのどにつかえたとき>
①ひざに抱える
腰を抱えるようにして、うつぶせにする。保育士は立てひざにして、太ももの上に子供の頭部をのせ、頭を低くさせ、指で舌の奥を押さえて吐かせる
②舌の奥を押す

<耳に異物が入ったとき>
虫などが入った時は、部屋を暗くして懐中電灯などの光を耳に当てる。
豆などの場合は鼓膜を傷つける可能性があるので医師に診せる

<鼻に異物が入ったとき>
口を閉じさせ、異物の入っていないほうの鼻頭を押さえて、鼻をかむようにすると出てくる。また、こよりなどで鼻を刺激し、くしゃみをさせるのもよい

<目に異物が入ったとき>
目をこすらないようにして静かに目を閉じていると、涙と一緒に出てくる。それでも取れないときは、うわまぶたをひっくり返し、清潔なガーゼや脱脂綿で取り除く

■誤飲(薬物などを飲んだとき)
①いつ、何を、どのくらい飲んだかを確かめ、小児の様子を観察する。残ったものは医師に診せる
②基本的に対外に毒物を出させる。
③吐かせてはいけない場合
・意識がないとき
・けいれんを起こしたり、起こしかけているとき
・灯油、シンナー、ベンゼンなど石油類を飲んだとき
・漂白剤や酸性・アルカリ性の洗浄剤、殺虫剤を飲んだとき
・何を飲んだかはっきりしないとき
参考書196p参照

■捻挫・脱臼・骨折
<ねんざ>
捻挫部位に厚く包帯を巻いて固定する。痛みと腫れがある場合は、患部を高くして冷やす
<脱臼>
動かさず添え木をし冷やす。医師の診察を受ける
<骨折>
・単純骨折・・皮膚に傷がなく経過も軽い
・複雑骨折・・皮膚や粘膜を通して骨が外に出る

■熱中症
<症状>
頭痛・めまい・吐き気・全身の倦怠感。ひどくなると意識を失う

<熱中症の分類>
・一度(軽症)・・・こむらがえり、失神
・二度(中等症)・・・強度の疲労感・めまい・頭痛・吐き気・嘔吐・下痢・体温の上昇
・三度(重症)・・・意識喪失やうわ言、幻覚・けいれん

<応急処置>
涼しい場所に連れて行き、衣服をゆるめて安静にし、冷水で頭部を冷やし、冷たい果汁やスポーツドリンクを与える

■溺水
<基本的な対処方法>
・口の中の水を出し、ぬれた衣服を取り去り、タオルや毛布でくるんで身体を温める
・人工呼吸(3分以上呼吸が止まると死亡率が高くなる)
・気道の確保をする(舌が落ち込んでいたら引っ張り出す)
・変化がなくてもあきらめないで救急車が到着するまで人工呼吸をする

<人工呼吸>小児・乳児・新生児対象
①一歳以上~8歳未満対象
②頬を横に向けて、異物のある場合は取り除く
③小児を仰向けにして、頭部を後ろにそらし、あごを上げて気道の確保
④呼吸の有無を10秒以内で見る
⑤呼吸がないばあいは鼻をつまみ、1~1,5秒かけて、胸が膨らむ程度に息を吹き込む(2回繰り返す)
⑥反応を10秒見て、ないばあいは心配蘇生法に切り替える

○心配蘇生法(心臓マッサージと人工呼吸を組み合わせたもの)
・鎖骨の下半分に片手の付け根をあて、胸の厚さが1/3くらいくぼむ強さで圧迫する。3~4秒間に5回圧迫の後人工呼吸を一回繰り返す

<乳児・新生児の場合>
乳首をむすぶ線より指を横にして一本分下に、中指・薬指二本の指先を当て、1分間に100回、新生児は120回行う。乳児は5回圧迫の後人工呼吸を1回、新生児は3回圧迫の後人工呼吸を一回行う。

・新しい救急蘇生法の指針(2006年)
気道を確保し、呼吸を見る
息をしている場合は専門家の到着を待つ
息をしていない場合は「人工呼吸2回」

心臓マッサージ30回+人口呼吸2回

AED装着(自動対外式徐細動器)・・・1歳未満は使用できない

心電図解析(電気ショックは必要か)
必要なし・・・心臓マッサージ再開
必要・・・電気ショック1回+心臓マッサージ

3、事故による心身への影響

1、子供の心身の変化
①個人差ある心理的ストレス
②子供の出すサインの重要性
③心身の影響への対処
○疼痛を減らす・・・移送するときや、身体の向きを変えるときは痛い部分を保育士が手でしっかり押さえて、痛みが増すのを防ぐ。
周りの子供に静かにするように言う
○不安の軽減・・・やさしく声をかけ、落ち着いた態度で安心させる

2、保育士の心身の変化
自分の不注意で起こってしまったのではないかと罪の意識を感じるが、子供の生命を守ることが重要なため、まずほかの保育士を大声で呼び、救急処置を落ち着いて行うことが大切である

3、家族への配慮
連絡で駆けつける家族も動揺しているため、子供の状態を落ち着いて話すようにする。
・事故の様子
・実施された応急処置とその理由
・手順・医師絵の連絡の有無

4、虐待による心身への影響
①トラウマ
②虐待を疑わせる子供のサイン
・体重増加不良
・不自然な傷やアザ
・やけど
・骨折
・無表情
・活気がない
・赤ちゃんらしい笑顔がない
・おびえている
・言葉の遅れ
・落ち着きがない
・衣服や身体に汚れが目立つ
・ほかの子供に暴力をふるったり乱暴な態度をとる

第23章 子供の事故防止と安全教育

1、子供の事故防止対策の基本

1、育児方法の改善
子供の年齢や発育・発達段階に適した遊びの方法や、遊具の選択、一人一人の成長に合わせた細やかな育児方法が考えられなければならない。
保育士自身が心理的にも身体的にも健康な状態を保つこと。

2、育児環境の整備
子供の生活用品から生活に使うものまで点検する必要が有る。
それだけでなく、子供の年齢、性別、性格、健康状態に合わせて、一人一人の子供にとって適切な環境であるかどうかを点検する必要が有る。

2、具体的な事故防止対策

1、年齢に応じた安全教育
○2~4歳ごろの安全教育
模倣時期なので、保育士が安全に対する模範行動を示す
○5歳以降の安全教育
言語での理解が出来るようになるので、ゆっくり安全について話す。
これを積み重ねる。

2、幼稚園や保育所で行う安全教育
事故を起こしやすい子供は見守っておく。
人形劇や紙芝居を使って子供が理解しやすい方法で安全教育を行う。

1、窒息防止対策
○布団・・・固めにし、保育士の目の届くところにおき、ベット柵にタオルなどをかけない
○溢乳の誤嚥を防ぐため、げっぷを必ずさせる。換気しないで寝たら顔を横にむける
○5~6ヶ月になったら手の届くところに口に入れそうな小さなおもちゃやタバコなどを置かない
○幼児にはおもちゃを口に入れないように言い聞かせる。ビニールをかぶるのも危険。

2、溺死防止対策
○浴槽の水は抜き、おいておく場合はしっかりふたをする
○風呂場やトイレには一人でいかないようにする
○洗濯槽のそばに、台になるようなものは置かない
○戸外では、川や池に柵をつけて中に入れないようにする
○幼児には、水遊びの注意や危険について話してきかせ、幼児だけで遊ばないようにする
○家の周囲にはどんな危険があるか、普段から一緒に出かけて話し合う。

3、交通事故防止対策
○安全な遊び場を確保する
○正しい交通ルールを教える(歩行時・自転車)
○とっさにキケン察知し、判断する能力や機敏さを育てる
○道路を歩くときは、子供を歩道側にする
○子供の衣服は目立つものをする

3、子供に対する安全教育

第22章 子供の事故と現状と特徴

1、小児期の事故の現状

1、子供の死亡原因
0歳・・・先天奇形・変形及び染色体異常
1~9歳・・・不慮の事故

2、不慮の事故死の原因
①寝具の圧迫
②タオル・ぬいぐるみなどの圧迫
③溢乳あるいは吐乳による誤嚥
④たばこ・硬貨・ボタンなどの誤飲
・1~4歳・・・「1位 交通事故・2位 溺死・3位 窒息」

3、子供の事故による影響
事故による発達障害や肢体不自由、てんかんなどは子供だけでなく家族にも精神的・心理的な負担になり、日常生活にも大きな影響を与える

2、小児期の事故の特徴

1、未熟性による事故
6歳児の場合、大人に比べて視野が狭い。
子供は小さければ小さいほど頭部が重く、転んだり倒れたりしやすい。

3、事故の発生場所
屋内・・居間
屋外・・道路

4、保育所での負傷
・午前10時と午後4時が最も多い
・擦り傷・打撲が最も多く次いで挫傷である

第21章 子供の健康管理に対する支援体制

1、支援体制の概要・・・母子保健法に基づく

■国の厚生労働省
・雇用均等・児童家庭局・・・母子保健、児童福祉の企画・立案・監督、雇用関係
・社会保障審議会・・・世論や専門家の意見を聞く

■都道府県
○保健所の役割
①市町村との連絡調整・指導・助言
②専門的サービス(未熟児訪問指導、養育医療)

■市町村
○市町村での母子保健事業の基本的サービス
①母子健康手帳の交付
②健康診断(妊産婦・乳児・1歳半児・三歳児)
④訪問指導(妊産婦・新生児)

○児童相談所
①健康診査の精密検査
②心身障害児の診断

○福祉事務所
①児童及び妊産婦からの相談を受けて、調査や指導を行う
②児童相談所に協力する

2、健康診査による支援

1、乳幼児健康診査
■乳児健康診査
病気の早期発見のために、生後3~6ヶ月と生後9~11ヶ月医療機関で健康診査が行われている
■1歳6ヶ月児健康診査・・・保健センターで行われる
■三歳児健康診査・・・1994年の母子保健法により、都道府県から市町村に担当がかわる。1990年から視聴覚検査が実施されている

2、学校における健康診断と医療費補助
学校保険法により「就学児の健康診断」「児童・生徒・学生および幼児の健康診断」が実施されている。一定の疾患にかかったものは、保護者の経済状態により都道府県、および市町村が医療費の援助を行う

3、スクリーニング検査による支援
■対象となる疾患
フェニルケトン尿症
ホモヒスチン尿症
楓糖尿症(カエデトウニョウショウ)・・メイプルシロップ尿症
ガラクトース血症
先天性甲状腺機能低下症(クレチン症)
先天性副腎過形成症

■小児慢性特定疾患治療研究事業の対象疾患
(治療が長期に渡り、医療費が高額になる疾患に対して、公費で援助する事業)
悪性新生物
慢性腎疾患
慢性呼吸器疾患
慢性心疾患
内分泌疾患
膠原病
糖尿病
先天性代謝異常
血友病などの血液免疫疾患
神経・筋疾患
慢性消化器疾患

3、神経芽細胞腫検査
神経芽細胞腫にかかると、尿中にバニリルマンデル酸、ホモバリニン酸が排出されることを利用し、生後6~7ヶ月の乳児から採尿し検査をする

4、養育医療・自立支援医療による支援

1、低体重児に対する支援
2、結核児童に対する支援(療育の給付)
3、身体障害児に対する支援

第20章 養育上の問題と心身の健康

1、心身の健康と家庭生活

1、子供の心身の健康
養育上、子供の心の健康に影響を及ぼしうる主な原因は、家族・家庭環境のあり方、精神障害や心身症などである。

2、健康的な家庭生活
家族関係や家庭の雰囲気は、子供の心身の健康に様々な影響を与える。

2、心身の健康と家族・家庭のあり方

1、ひとり親の家族
親が一人のため、忙しくて子供の世話を充分な愛情を持って行えないと言うことが有る。この場合、保育士などのサポートが必要であり、親の負担を軽くする工夫や、子供の情緒が安定する関わりなどの配慮が必要である。

2、家族の仲が悪く雰囲気の暗い家庭
3、過保護な家庭
著しく過保護であったり、過大な期待をかけている場合は、子供は精神的圧力を感じ、萎縮し、自立することが困難になる

4、虐待する家族(4つのタイプ)
①身体的虐待
②性的虐待
③心理的虐待(言葉の暴力、拒否など)
④ネグレクト(不適切な養育・放置・保護の怠慢)
・不潔なままの状態にする
・食事を与えない
・病気になっても医者に診せないなど

3、子供の心を健康に保つ方法

1、子供との関わり方
○愛情を持って接する
○個人差を尊重する
○手本を示す

2、集団生活の大切さ
子供が心の健康を保つために、集団生活において学ぶこと
○様々な感覚を味わい感受性が豊かになる
○多くの友達と関わり、相手を思いやる心が育つ

第19章 いろいろな症状とその看護

1、発熱
1、観察のポイント
①発熱状態の確認・・急に?ぐったりしたような前駆症状はあったか
②随伴(他の)症状はあったか・・・発疹・下痢など
③一般状態・・・食欲の有無、脱水症状など
④バイタルサインのチェック・・・体温や脈拍のチェック
⑤環境・・・室温
⑥感染症のおそれ・・・最近感染症の小児と遊んでいないか

2、看護の要点
○環境を整え安静にする
○氷枕や氷嚢の使用
○感染の予防
○水分の補給

2、発疹
1、観察ポイント
①発疹の部位や状態
②発熱との関係
③前駆症状・随伴症状の有無
④食べ物や薬との関係

2、看護の要点
○感染の予防
○皮膚・粘膜の保護

3、腹痛
1、観察ポイント
①痛みの部位と程度
②随伴症状の有無・・・下痢、腹部ボウマン、複鳴(おなかがごろごろなる)、便秘、嘔吐、発熱

2、看護の要点
○安静と安楽な姿勢
○精神的安定・・幼児の気をそらせるために絵本を読んだり、幼児の興味のある話をする
○痛みの軽減・・・やさしくなでたりさすったりする

4、けいれん(ひきつけ)
1、観察ポイント
①けいれんの状態
②随伴症状の有無・・・嘔吐、意識障害、チアノーゼなど
③既往歴の確認・・・以前にけいれんをおこしたことがあるか

2、看護の要点
○安静にして誤嚥予防をする
○刺激を避ける

5、鼻づまり
1、観察ポイント
①鼻空の状態・・・両方つまっているか、片方だけか?
②随伴症状の有無

2、看護の要点
○鼻の分泌物を取り除く
○鼻のかみかたの指導(片方づつを指導)
○感染の予防・・頻繁にうがいをする

6、嘔吐
1、観察ポイント
①嘔吐の状態や嘔吐物の性状・・・咳に誘発されたものか、頭を打っていないか、空腹時か食後か、嘔吐後の機嫌はどうか。嘔吐の回数や量、性状
②随伴症状の有無・・腹痛、下痢、腹部ボウマン、意識障害、けいれん、呼吸状態の変化

2、看護の要点
○吐社物の誤嚥による窒息の予防
○負うとの誘発を避ける
○水分の補給・・・少しづつ様子を見て与える
○医師の診察・・・激しく嘔吐を繰り返す場合は重大な疾患を疑う

7、下痢
1、観察ポイント
①便の性状
②随伴症状の有無・・・発熱、嘔吐など

2、看護の要点
○水分の補給・・・少量づつ頻繁に
○保湿・安静・・・腹部を適度な温度で温める
○臀部(おしり)の清潔
○口腔内の清潔・・下痢を治すために抗生物質を呑んでいるとガコウソウ(口腔粘膜の白斑)が出来やすくなるため、口腔内を清潔にする
○感染の予防・消毒

8、便秘
1、観察ポイント
①便秘の状態・・・何日排便がないか、便の硬さ、尿
②随伴症状の有無
③食事や生活習慣との関係

2、看護の要点
○食事内容の検討・・・乳児では果汁や野菜スープ、幼児では野菜を与える
○生活習慣の改善・・・排便の時間だけでなく、起床時間や寝る時間、食事の時間も考慮する

9、脱水
1、観察ポイント
①原因の把握・・・下痢や嘔吐、飲料水の量が少なくないか
②脱水の程度・・・舌や唇の乾燥の程度、皮膚の弾力性

2、看護の要点
○水分の補給・・・脱水の時は電解質も一緒に失われるため、塩分を加えた野菜スープやスポーツドリンクなども飲ませる
○皮膚や粘膜の清潔
○症状の記録をとる
○医師の診察

10、呼吸困難
1、観察のポイント
①呼吸困難の状態・・・咳・痙攣からはじまったか?どのような呼吸をしているか
②一般状態やバイタルサインのチェック・・体温・呼吸・脈拍を測定し、機嫌や顔色、チアノーゼの有無を見る

2、看護の要点
○環境を整える・・・湿度・温度を適度に保ち、たえず新鮮な空気が入る部屋に寝かせる
○呼吸しやすい姿勢にする
○不安を取り除く
○医師の診察・・・チアノーゼが強くなるようなら医師に連絡を取る

11、チアノーゼ
皮膚の粘膜が青紫色になり、手足が冷たくなった状態
1、観察ポイント
①チアノーゼの状態・・・チアノーゼが現れている場所はどこか(口唇・爪・指先・全身)、また持続時間は?
②一般状態、随伴症状の有無・・・寒冷・過度な運動・精神的ショックの有無、その他呼吸困難などないか

2、看護の要点
○安静にする
○呼吸しやすい姿勢
○保湿・・・血液の流れが悪くて起こったチアノーゼは、手足を温めたりマッサージを行う
○医師の診察・・・チアノーゼが強い場合は医師の診察を受ける

12、浮腫(むくみ)
①浮腫の状態・・・どの部分が一番むくんでいるか。
・心臓性のものは「下肢」、腎臓性のもの「まぶた」が最初にむくみはじめる
②浮腫の見分け方・・・押すとそこがくぼむ
③バイタルサインのチェック・・・尿量や体重、食事量、体温、脈拍、呼吸の状態を観察する

2、看護の要点
○安楽な姿勢にする
○皮膚・粘膜の清潔・保護
○安静と保湿
○食事療法・・・医師の指示に従い、塩分・水分・たんぱく質の量を調節する

13、意識障害
1、意識障害のポイント
①意識障害の状態
○傾眠・・・うとうとしている状態
○昏睡・・・意識ははっきりしているが、周囲の刺激に反応せず、自分からは全く動かない状態。統合失調症やうつ病を原因としている場合に起きる
○昏眠・・・意識が全くない状態で、痛みの刺激にもまったく反応しない
②随伴症状の有無・・・表情、手足の動かし方、発熱、チアノーゼ、痙攣はないか?
③バイタルサインのチェック・・・体温・呼吸・脈拍を測定し、状態の変化をすばやく捉える

2、看護の要点
○小児の安全を図る
○皮膚・粘膜の清潔

14、ショック
ショックとは、生命維持に必要な臓器や組織に充分な血液を供給出来ないような状態(急性の循環不全状態)を言う
①神経性ショック・・・強い驚き、恐怖、激痛によるショック
②血液性ショック・・・出血、やけど、脱水によるショック
③心臓性ショック・・・心臓の機能低下によるショック
④アナフィラキシーショック・・・アレルギー反応によるショック

1、観察ポイント
○バイタルサイン・一般状態のチェック
体温・呼吸・脈拍の測定、顔の表情や色、皮膚の冷寒、チアノーゼ、意識障害の有無

2、看護の要点
○安楽な姿勢
○不安を取り除く
○医師の診察・・・すみやかなに医師の診察を受ける

第18章 健康評価と病児への基本的看護

1、小児健康状態の評価ポイント

■全身状態を観察する
○機嫌が良いかどうか
○元気が有るかどうか
○食欲があるかどうか
○表情がよいかどうか
○泣き方が激しいかどうか
○よく眠るかどうか

■家族から情報を得る
○夜は何時間眠ったか
○寝つきはよかったかどうか
○朝の目覚めはよかったかどうか
○排便はどのぐらいあったか
○健康状態に変化はなかったか
夜から発熱していて朝食も食べられないようであれば、バイタルサイン(体温・脈拍・呼吸)や皮膚の状態をチェックし、早急に主治医の診察を受けるように連絡する

2、体調の悪い小児への保育と看護

1、環境の調節
・部屋
病児の安静が守られ、保育士の目が常に行き届く部屋で休ませる
・換気
病児のいる部屋の空気を、常に新鮮な状態に保つように心がける。窓の開閉や換気口を利用するが、病児に冷気が直接当たらないようにする

2、衣服・寝具の世話
・衣服
①発熱して汗をかくことが多いため、吸湿性があり、肌触りのいいもの
②窮屈でなく、着ていて楽なもの
③何度も着替える可能性が有るため、着脱が簡単なもの
④洗濯に耐える素材のもの

・寝具
①ホコリをすいやすいためベットが望ましい。看護もしやすい
②柵の有る安全なベット
③掛け布団は軽く、保湿性の高いもの
④汗をかきやすいため、バスタオルを敷布団の上にひいて、適時取り替える

3、身体の清潔
○全身清拭の手順
全身を石鹸で洗い、タオルを熱い湯にしたして何度も拭く方法
①ぬらさないようにビニール布をしき、湯を入れた洗面器を置く
②バスタオルを身体の下に引き、肌着を脱がせる
③小タオルを湯に浸して堅くしぼり、たたんで石鹸を泡立てる
④顔→首→腕→胸→腹→脚→足→背中→陰部の順に拭く
⑤別のタオルを湯に浸して絞り、全身を2~3回拭く
⑥バスタオルで水分をよくふきとる
⑦清拭が終わったら、新しい肌着・寝巻きを着せる

○清拭を行う際の注意点
①食前・食後1時間は避け、清拭時間は15~20分で終える
②手足の部分浴(手足を洗面器の湯に浸す)をすると、入浴したような爽快感を得られる
③皮膚が乾燥しているときは、清拭後に良質のオイルを温めて刷り込む
④病気が重いときには、全身清拭はかえって疲れさせるだけなので、必要に応じて部分清拭をする
⑤目やにが出るときは、ガーゼや脱脂綿を湯に浸してしぼり、目頭から目じりにかけて清拭する

4、食事の世話
○病児の食事の世話
①授乳・・・健康時に比べて吸う力や飲む力が弱いため、休みながら与える。15分授乳したら終える
②離乳食・・無理強いせず、不足分は授乳で補う

○幼児の食事の世話
細かく刻んだり、柔らかくして食べやすい形にする。盛り付けにも工夫する

5、排泄の世話
○おむつを使用する場合
病気のときは、発熱・発汗によりおむつかぶれが出来やすいので、乾燥した清潔なおむつに頻繁に取り替える

○尿器・便器を使用する場合
①尿や便がもれて寝具を汚さないように、下にビニール布かバスタオルを敷く
②尿器や便器は湯で温めたり、カバーをつけたりして冷たさを感じないようにする
③女児は尿が飛ばないように、外陰部にちり紙を当てる
④使用後はすぐに片付けて、しっかりと消毒・洗浄を行う

○浣腸を行う場合
①こより浣腸
②グリセリン浣腸・・・液を注入した後、しばらく便意を我慢させてから便器に腰掛けさせる

○尿と便の観察
①便の性状・・・普通は黄褐色。下痢をすると黄色か黄緑色になったり、胆汁の分泌が不足し、脂肪の消化障害を起こしていると白っぽい灰色の便になる。便の硬さ(固形便・ナンベン・泥状便・水様便)、排便回数や血が混ざっていないかどうかの観察が必要
②尿の性状・・・性常時は淡い黄色か淡黄褐色で、不純物がなく澄んでいる

第17章 小児期特有の疾患とその予防

1、新生児期特有の疾患

1、新生児の疾患
■分娩損傷
○軟部組織の損傷
・新生児の頭部のうっ血と浮腫。1~2日で消失する
・頭血腫・・頭蓋と骨膜の間に出来る血腫。数ヶ月で消滅
○骨折・・鎖骨骨折が多い
○末梢神経の損傷・・腕神経麻痺、横隔神経麻痺、顔面神経麻痺
○出血
①頭蓋内出血
・低出生体重児・・くも膜下出血」
チアノーゼ・皮膚の紅潮・嗜眠(強い眠りで眠り続ける)
頭部を高くして安静を保ち、止血剤や酸素を投与する
②新生児メレナ
・ビタミンK欠乏により、血液凝固因子の働きが低下し消化器出血を起こす。
ビタミンKを投与する

■適応障害
○新生児仮死(アフガースコアによって評価)
7~10点正常
3~6点軽度仮死
0~2点重症仮死
○新生児の黄疸
①生理的新生児黄疸・・・生後2~4日後に現れ、2~3週間で消失。
②新生児溶血性黄疸・・・血液型不適合で起こる。光線療法や交換輸血を行う

■呼吸障害
○呼吸窮迫症候群・・・肺が未熟なために、サーファクタント(肺胞が膨らむのをコントロールする物質)の欠乏によって生じる

■感染症
○へその感染
○新生児剥奪性皮膚炎・・・ブドウ球菌が原因

2、栄養障害における疾患
ビタミン欠乏症及び過剰症
○ビタミンA
少ない・・・夜盲症、皮膚乾燥、皮膚の角質化
多い・・・頭痛、吐き気、食欲不振、肝臓障害
○ビタミンB1
少ない・・・脚気
○ビタミンB2
少ない・・・口内炎、結膜炎
○ビタミンC
少ない・・・メルレル・パロウ病(骨形成障害、出血、発育不良
○ビタミンD
少ない・・・くる病、骨形成不全
○ビタミンK
少ない・・・血液凝固遅延、新生児出血性疾患、肝機能障害
○ナイアシン(ニコチン酸)
少ない・・・ペラグラ(下痢・皮膚炎・脳神経症状)

3、消化器疾患

■口腔疾患
○口唇裂(上唇さけ裂けているもの)・口蓋裂(上あごの奥が裂けているもの)・・・生まれつき
○口角炎
○口内炎・・ヘルペス性口内炎、手足口病、アウタ

■腸の疾患
○腸管閉塞症(イレウス)・・腸重積症が主。激しく泣き、嘔吐、粘液の混じった血便、腹部にしこり
○ソケイヘルニア・・・腸が太もものつけねに入り込んでくる
○吸収不全症候群

■乳児の下痢
○乳幼児嘔吐下痢症・・ロタ・ウイルスの感染によって起こる。便が白色になり嘔吐、下痢が激しい
○乳児難治性下痢症・・特定の原因が見当たらない。多くは牛乳や大豆のアレルギー

4、呼吸器疾患

■上気道の疾患
○急性鼻咽頭炎(普通感冒:かぜ)
○急性扁桃炎
○扁桃腺肥大

■気管支・肺の疾患
○急性気管支炎
○喘息様(性)気管支炎
○肺炎・・細菌性、マイコプラズマ、ウイルス性、真菌性などがある
○気管支拡張症・・・気管支炎の症状でタンが多い

5、循環器系疾患

■先天性心疾患
○心室中隔欠損症・・・先天性心疾患の中で一番多い。胎生8週までに形成される心室中隔の発生が阻害されて欠損(穴が開いている)状態を残して奇形になる
○ファロー四徴症・・・心室中隔欠損、肺動脈狭窄、大動脈騎乗(動脈管が生後も閉鎖しない)、右室肥大という4つを伴っているもの。生後しばらくしてチアノーゼが出現し、無呼吸発作や哺乳困難で発育も阻害される

■循環不全
○心不全
○末梢循環不全・・・大量の出血、重度の脱水、重度の感染症などで、心臓に戻る血液量が減少すること。全身に無酸素症が起きた状態を言う
○起立性調節障害・・・小中学生に多く、朝起きられない、立ちくらみやめまいがする、顔が青白いなどの症状が有る。自律神経失調症の一種と考えられる

6、血液疾患

■貧血・・・貧血の定義
赤血球数 350万ミリリットル以下
ヘモグロビン量 10グラム以下

○鉄欠乏性貧血
○溶血性貧血・・何らかの原因で溶血が亢進すると、失われる赤血球数とあらたに作られる赤血球数とのバランスが崩れて貧血となる
○再生不良性貧血・・骨髄の造血機能が阻害されるために起こる貧血

■出血性貧血
○血友病・・・先天性血液凝固障害
○血管性紫斑病・・・アレルギー性紫斑病が主。アレルギーのために血管から血液がもれやすくなる
○血小板減少性紫斑病・・・原因不明で血小板値が下がる

7、悪性新生物

○白血病・・・小児の白血病の95~98%は急性白血病。無治療で放置すれば3~4ヶ月で死亡する
○神経芽細胞腫・・・予後不良な悪性腫瘍。副腎や交換神経節から発生する腫瘍で、腹部に発生するとかたいシコリがみられる
○腎芽腫(ウィルムス腫瘍)・・・血尿、腹部のはれ、精神発達遅滞や泌尿器形の形態異常を伴うことも有る
○悪性リンパ腫・・・首・わきの下などリンパ節が腫れて堅くなる。

8、泌尿・生殖器疾患

○急性糸球体腎炎・・・A群溶れん菌にかかった後などに発病する。血尿、浮腫、高血圧の症状あり
○ネフローゼ症候群・・・高度のタンパク尿、低たんぱく血症、全身性の高度の浮腫
○起立性たんぱく尿・・・おきたときにたんぱく尿がでる。特に治療の必要なし
○尿路感染症(腎盂腎炎・膀胱炎)
○停留睾丸・・・一歳過ぎても治らないときは外科手術をする
○陰のう水腫・・・陰のうにリンパ液が溜まる。一歳過ぎてまだあれば針を刺す

9、神経・筋疾患

■けいれん性疾患
○てんかん・・・原因不明。抗痙攣剤を服用させ、疲労や精神的なストレスを残さないようにする
○熱性痙攣・・・急な発熱などで起こる。学童期になるとおこらなくなる
○憤怒けいれん・・・驚いたり激しく泣いた時になる。学童期になると起こらなくなる

■脳性まひ
大脳に起こった非進行性の障害による、永続的な運動障害を言う。特に未熟・仮死・黄疸を3つの原因とみなす
○痙直型・・・つっぱってのばしたままの状態
○アテトーゼ型・・・自分の意思と関係なく動く不随運動
○強剛型・・・曲げたまま堅い状態
○運動失調型・・・バランスを取ることが出来ない
○弛緩型・・・筋肉がぐにゃぐにゃ

■進行性筋ジストロフィー・・・骨格筋の進行性萎縮を特徴とする遺伝性疾患

10、内分泌・代謝性疾患

■内分泌疾患
○下垂体疾患
・尿萌症(抗利尿ホルモンの分泌低下)・・・脱水症状になるため多飲でわかる
・下垂体低身長(成長ホルモンの分泌低下)・・・骨年齢の遅れ、幼児のような容貌、性成熟の障害などあるが、知能は正常
○副腎の疾患
・先天性副腎過形成症・・先天的な酸素の欠損によって起こる。
副腎皮質ホルモン(硬質コルチコイド(アルドステロン)、糖質コルチコイド(コルチゾール)、性ホルモン(アンドロゲン))の中のひとつが欠損すると副腎皮質に過形成が起こる。
性器の異常、電解質の異常(ナトリウムの喪失)、皮膚の色素沈着、血圧の低下
・クッシング症候群・・・コルチゾールの過剰分泌によって起こる。
顔面・体幹の脂肪沈着、多毛、高血圧、糖尿病、骨ソショウ症
○甲状腺の疾患
・クレチン症
・単純性甲状腺腫(思春期にみられる。自然に治癒)
・バセドウ病・・・眼球突出、頻脈、多汗

■代謝性疾患
○糖尿病
・インスリン依存型糖尿病
・インスリン非依存型糖尿病
<小児の場合の対応>・・・一生行う
①インスリン療法・・・インスリンの注射を一日2~4回行う
②食事療法・・・成長期であるが肥満に注意する
③運動療法・・エネルギーを消費しすぎると低血糖を起こすので、運動中の観察を怠らない
○アセトン血性嘔吐症

11、自己免疫疾患・アレルギー疾患など

■自己免疫疾患
○リウマチ熱・・・A群溶レン菌に対する抗体が、心筋や血管に作用して発症すると考えられている
○若年性関節リウマチ・・・15歳以下に発症。ひざ、手足の関節が侵される。
○川崎病・・・原因不明
①5日以上続く発熱
②手足がしもやけのように腫れる
③発疹
④両方の眼球結膜の充血
⑤いちご舌
⑥頚部リンパ節の浮腫
回復時に手足の皮がむける。心臓の冠動脈に腫瘤が出来突然死することもある

■免疫不全症候群
原発性(先天性)、続発性(後天性)があり、後天性にはエイズがある

■アレルギー性疾患
○気管支喘息
○アトピー性皮膚炎
・乳児期アトピー性皮膚炎(乳児しっしん)
・幼児期アトピー性皮膚炎
・年長児期アトピー性皮膚炎・・・三歳ごろに治まらないもの
○食物アレルギー

12、運動器疾患
○特発性脊柱側ワン症・・・原因不明
○先天性股関節脱臼
○先天性内反足・・・自然に治らないので、生後なるべく早期に治療を開始する
○外反足・・・素足で柔らかい土などを踏んで筋肉を鍛えると自然と治る
○先天性斜頚・・首がどちらかに傾いている。自然に治る

第16章 主な感染症の特徴

1、小児期にいける主な感染症

1、ウイルス感染症
■麻しん(はしか)
○特徴
・病原体・・麻しんウイルス
・感染経路・・飛沫感染
・潜伏期・・9~11日
・症状
①カタル期・・はじめは咳・発熱(38~39度)など。2,3日でコプリック斑(ケシ粒大の紅斑を伴った白斑)が出る
②発疹期・・いったん熱が下がるが、2、3日すると再び熱が出て、発疹が全身に広がる
③回復期・・発病後8日
○予防・・弱毒性生ワクチン

■風疹(三日はしか)
○特徴
・病原体・・風疹ウイルス
・感染経路・・飛沫感染
・潜伏期・・2~3週間
・症状38~39度の発熱、麻しんのような発疹が表れるが3日ほどで消える
○予防・・弱毒性ワクチン。一度感染すると終生免疫を獲得する

■水痘(水ぼうそう)
○特徴
・病原体・・水痘帯状疱疹ウイルス
・感染経路・・飛沫感染、接触感染
・潜伏期・・2~3週間
・症状・・水泡→のう胞→かさぶた
○予防・・弱毒性生ワクチン。かかると一生免疫を獲得する

■流行性耳下腺炎(おたふくかぜ)
○特徴
・病原体・・ムンプスウイルス
・感染経路・・飛沫感染
・潜伏期・・2~3週間
・症状・・悪寒、頭痛があり、耳下腺が腫れて痛む。男子は睾丸炎、女子は卵巣炎や乳腺炎を起こすことも有る。
○予防・・弱毒性生ワクチン。かかると一生免疫を獲得する

■突発性発疹
○特徴
・病原体・・ヒトヘルペスウイルス6(HHV-6)
・感染経路・・不明
・潜伏期・・不明
・症状・・高い熱が出て、3~5日するとあせものような湿疹が出来る。一度かかると終生免疫が出来る
○予防・・なし

■日本脳炎
○特徴
・病原体・・日本脳炎ウイルス
・感染経路・・コガタアカイエカによって媒介される
・潜伏期・・4~14日
・症状・・高熱と嘔吐を持って発病し、痙攣発作や意識障害が起こる。後遺症として精神障害や運動機能障害が残ることもある
○予防・・不活性ワクチン。蚊に刺されないようにする

■急性灰白髄炎(ポリオ)
○特徴
・病原体・・ポリオウイルス
・感染経路・・糞便や痰などから経口感染や飛沫感染をする
・潜伏期間・・1~2週間
・症状・・発熱が1~5日続き、解熱し麻痺が残る。永久麻痺のこともある
○ポリオ弱毒性生ワクチンの経口投与

■ヘルパンギーナ
○特徴
・病原体・・A群コクサッキーウイルス
・感染経路・・飛沫感染または経口感染
・潜伏期間・・2~5日
・症状・・高熱が数日続き、のどの上に小さい水疱が沢山出来て痛む

■手足口病
○特徴
・病原体・・A群コクサッキーウイルス16型またはエンテロウイルス17型
・感染経路・・飛沫感染または経口感染
・潜伏期間・・3~5日
・症状・・掌や足の裏に発疹や水泡がみられ、口の中に小さな水泡や潰瘍を作る

■プール熱
○特徴
・病原体・・アデノウイルス
・潜伏期間・・5~7日
・症状・・発熱、のどの痛み・結膜炎

■伝染性紅斑
○特徴
・病原体・・ヒトパルポウイルスB19
・潜伏期間・・1~2週間
・症状・・顔の両ほほに赤い斑点が出来、レース状になる

■インフルエンザ
○特徴
・病原体・・インフルエンザウイルス
・感染経路・・飛沫感染
・潜伏期間・・1~3日
・症状・・悪寒、頭痛、四肢の痛みなど

■B型肝炎
○特徴
・病原体・・B型肝炎ウイルス(HBV)
・感染経路・・血液や体液を介する直接・間接感染
・潜伏期・・1~3ヶ月(6ヶ月)
・症状・・食欲不振・皮膚のかゆみ、黄疸
○予防・・保菌者の血液に触れない。B型肝炎ワクチン接種

2、細菌性感染症
○特徴
■ブドウ球菌感染症
(最近注目されているMRSA「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」には有効な手立てなし)
・病原体・・ブドウ球菌(配列がブドウ状)
・症状・・数々の二次感染症の原因となる。腸炎・尿路感染症など

■溶レン菌(溶血性レンサ球菌)感染症
○特徴
・病原菌・・A群溶血性レンサ球菌
・感染経路・・飛沫感染・経口感染・直接・間接感染
・症状・・突然発熱し、全身に紅色の微細な発疹が出来、イチゴ状舌になる
○予防・・なし

■百日咳
○特徴
・病原体・・百日咳菌
・感染経路・・飛沫感染
・潜伏期・・1~2週間
・症状・・かぜのような症状が1~2週間続き、レプリーゼ(コンコンという連続的な咳と、ヒューッと音を立てて息を吸い込むこと)を繰り返す発作が出る
○予防・・・DPT三種混合ワクチン

■ジフテリア
○特徴
・病原体・・ジフテリア菌
・感染経路・・飛沫感染
・潜伏期・・2~5日
・症状・・感染部位によって特徴的な白い膜が出来、毒素で心肺や神経麻痺の症状を起こす。咽頭ジフテリアではイヌの遠吠えのような声を出す
○予防・・DPT三種混合ワクチン、DT二種混合。免疫持続時間が短く、終生免疫にはならない

■破傷風
○特徴
・病原体・・破傷風菌
・感染経路・・泥土の中に存在する破傷風菌が傷口から侵入する
・潜伏期間・・1~2週間
・症状・・毒素によって神経が侵され激しく痙攣したり、呼吸筋を含めあらゆる筋肉の硬直を起こす致命的な病気
○予防・・DPT、DT接種。傷口を消毒し、抗生物質、抗毒素血清の注射をする

■細菌性赤痢
○特徴
・病原体・・赤痢菌
・感染経路・・糞便に排出され、手指・ハエ・ゴキブリなどの媒介を通じて飲食物に侵入し、経口感染する
・潜伏期間・・2~5日
・症状・・発熱と激しい下痢
○予防・・予防接種で免疫を作れないので害虫の駆除と手洗いの習慣をつける

■結核
○特徴
・病原体・・結核菌
・感染経路・・飛沫感染・間接接触感染
・症状・・感染初期には咳・寝汗・疲労感などがある
○予防・・感染患者の早期発見と、症状によっては隔離療養も必要。医師は患者を発見した場合届ける義務がある。原則として6ヶ月未満~1歳までにBCGの予防接種がある

3、性感染症

■梅毒(母親が妊娠5ヶ月までに感染すると先天性梅毒になり、流産の危険性がある)
○特徴
・病原体・・梅毒トレポネーマ
・感染経路・・直接または間接感染、性交・輸血・授乳
・潜伏期間・・2~3週間
・症状・・1~4期ある
○予防・治療
患者の早期発見と徹底的な治療が肝要。早期はペニシリン。青少年への正しい性教育が必要。

■エイズ(AIDS:後天的免疫不全症候群)
○特徴
・病原菌・・HIV(ヒト免疫不全ウイルス)
・感染経路・・血液・精液による直接・間接接触感染
・症状・・患者の致死率は90%以上と言われ、発病後3年以内に主に感染症によって死亡する。
○予防・治療
エイズウイルスは対外では熱や消毒液に弱いので、汚染物を徹底的に消毒する

第15章 感染症に対する予防対策

1、感染症の発生要因

1、感染源
■主な病原体と感染症
・ウイルス・・・生物に寄生して、その生物の内部で増殖する
・細菌・・・単細胞で、分裂しながら増殖する
・スピロヘータ・・・細長いらせん形をしている
・原虫・・・単細胞で下等動物の一種。分裂や法師を形成することで増殖する
・カビ・・・真菌類の一種。病原体を持つカビはカビ毒(マイコトキシン)を発生させる。カビ毒の中には、アフラトキシンのような発がん性を持つものも有る

■保菌者
・健康保菌者・・・全く症状が現れていない感染者
・潜伏期保菌者(発病前)
・病後保菌者

■病原体を保有する主な動物と疾病
・ねずみ・・・ペスト、ワイル病
・イヌ・・・狂犬病
・オウム・・・オウム病
・馬・・・炭そ

2、感受性のある個体
■免疫
○先天的免疫・・・病原体から個体を守ろうと働く白血球や身体組織、体液など
○後天的免疫・・・病気にかかって得る「終生免疫」・・・麻しん、はしか、百日咳、腸チフス、痘瘡、コレラ、ポリオ

予防注射で無毒化したものを接種して得る免疫
①生ワクチン・・・弱毒化した病原体を生きたまま接種する
麻しん・風疹混合ワクチン、BCG、ポリオ
②不活化ワクチン・・・病原体を殺して接種する
日本脳炎、コレラ、百日咳
③トキソイド・・・病原体が出す毒素に対抗して排斥しようとする働きを残して無毒化したもの
ジフテリアトキソイド、破傷風トキソイド

3、感染経路

■病原体が排出される経路
①し尿・・・腸チフス・パラチフス・コレラ・赤痢・淋病
②嘔吐物・・・コレラ
③痰・鼻汁・咽喉粘液・・・ジフテリア・肺炎・インフルエンザ・百日咳
④唾液・・・狂犬病・おたふくかぜ

■主な可燃毛色
○経口感染(消火器感染)・・・・病原体に汚染された水・食物を口にすることで感染
細菌性赤痢・腸チフス・パラチフス・コレラ・ポリオ
○経気道感染(呼吸器感染)
・飛まつ感染・・・患者の咳・くしゃみ
・塵埃感染・・・病原菌が付着した塵埃
結核・百日咳・インフルエンザ・ジフテリア
○経皮感染(皮膚感染)
・皮膚の傷口から病原体が侵入・・・エイズ・破傷風
・病原体が皮膚から侵入・・・ワイル病
・病原体に感染した動物にかまれたりして感染・・・狂犬病・日本脳炎・マラリア・ペスト
○接触艦船
・直接接触感染・・・梅毒・エイズ
・間接接触感染・・・患者や保菌者の食器、下着など・・・結核

2、感染症に対する法的な対策(感染源への対策)

1、感染症予防の原則
感染症の3つの発生要因(感染源・感受性の有る個体・感染経路)のうちの1つないし2つを絶ってしまうこと

2、法律に定められている対策
①感染源の早期発見
②入院あるいは治療の義務
③感染源・感染経路・原因の調査
④潜在患者や保菌者の発見
⑤排泄物や汚染された物質、室内の消毒
⑥登校の停止(学校保険法)
⑦交通の遮断
⑧病原体保有数の駆除
ゴキブリ・ねずみ・蚊・ハエ

3、法律で規定されている感染症の種類
■感染症法・・・伝染病予防法・エイズ予防法・性病予防法の3つを統廃合し、1999年(平成11年)に施行。

■学校保険法
○第一種・・・エボラ出血熱、クリミア・コンゴ出血熱、マールブルク病、ジフテリア、ラッサ熱、ペスト、ポリオ、重症急性呼吸器症候群(コロナウイルスによるもの)、痘瘡、南米出血熱、インフルエンザ
○第二種
インフルエンザ(解熱後2日経過)
百日咳(咳の消失)
麻しん(解熱後3日経過)
おたふくかぜ(腫れの消失)
風疹(発疹の消失)
水痘(全ての発疹の壊疽化)
咽頭結膜熱(症状の消失)
結核
○第三種・・・コレラ、細菌性赤痢、腸管出血性大腸菌感染症、腸チフス、パラチフス、流行性角結膜炎、急性出血性結膜炎、その他の伝染病

3、予防接種

1、予防接種の種類
■定期(推奨)予防接種
■任意(自発的)予防接種
○ポリオ生ワクチン・・・生後3ヶ月~90ヶ月、6週間あけて二回経口
○DPT三種混合ワクチン(ジフテリア・百日咳・破傷風)・・・生後3ヶ月~90ヶ月。6ヶ月以上あけて一回皮下注射
○DT二種混合ワクチン(ジフテリア・破傷風)・・・11~12歳の間に皮下注射
○麻しん・風疹混合ワクチン・・・生後12~24未満、皮下注射
○日本脳炎ワクチン・・・3歳で二回と翌年に一回、小学校4年で一回皮下注射
○BCG・・・6ヶ月までに1回皮下注射

2、予防接種以外の対策の必要性
■生活改善・・・保健衛生上問題となるような衣食住の環境を、日ごろから積極的に改善する
■個人衛生を守り、健康の保持・増進

4、感染経路への対策

1、接触感染
■直接感染・・・不潔な性行為を避ける
■間接感染・・・媒介となる汚染された食器を消毒したり廃棄したりする

2、飛まつ感染・・・マスクの着用
3、経口感染・・・上下水道の完備していないところでは、水の管理に充分注意する。手洗いの励行、ねずみや害虫の駆除
4、経皮感染・・・イヌには予防注射を受けさせる

2、消毒方法
■物理的消毒法
○熱を用いる
・焼却・・・最も確実な方法。(患者が使用した脱脂綿など)
・乾熱・・・150度で1時間、160度で30分(ガラス食器・陶器など)
・湿熱
煮沸消毒・・・炭酸ナトリウムを1~2%加えた煮沸水で15分以上
蒸気消毒・・・100度で30~1時間
(金属器具・陶器・し尿)
○熱を用いない・・・日光消毒
■化学的消毒法
○次亜塩素酸ナトリウム(食器や哺乳瓶)
○サラシ粉(井戸水)
○アルコール「消毒用エタノール」(手指・医療器具)
○クレゾール石鹸(嘔吐物・排泄物)
○逆性石鹸(手指・食器・調理器具)

第14章 小児期における疾患の特徴

1、小児期の特徴と疾病との関係

1、出生以前から原因を抱えている疾病
①遺伝子に異常が有るもの(遺伝子病)
②染色体の構成に異常があるもの(染色体異常)
③母体での胎芽期に、物理的、化学的な因子及び感染(細菌やウイルス)などの因子に影響を受けたもの(胎芽病)
④胎芽期のあと胎児の形が出来て生まれるまでの胎児期に異常の有るもの(胎児病)

2、胎児から新生児への大きな変化に対する適応障害
胎児は呼吸器系・泌尿器系・消化器系など全ての機能をサイタイを通じて胎盤に依存している。しかし出生したとたん、胎児は第一呼吸で肺胞が開き、肺胞内でガス交換をし、それと同時に動脈管や卵円孔が閉じて、今までの胎児循環から体循環へと移行する。
このように新生児は外界の環境に適応するため、激しい変化が短時間の間に起こり、これに適応できずに疾患が生じる場合が有る。

3、免疫機能の不完全性による感染症
小児期は免疫能力が不完全なので感染症に係りやすい。
乳幼児初期においては
①胎盤を通じて免疫を母体からもらっている
②母乳に免疫物質が含まれる
だが、免疫が減り、母乳栄養が終了することによって感染症に係りやすくなる。

4、事故
火傷・誤飲・窒息・溺水・転倒・転落など

5、症状や進行の早さ
急変・症状が激しく出る・進行が早い

■乳幼児突然死症候群
生後6ヶ月未満の乳児に多く見られる。
リスク要因「保護者の喫煙」「うつぶせ寝」「非母乳栄養」

第13章 小児期の各時期における健康づくりの方法

1、子供の健康づくりの種類

1、自然環境を利用した健康づくり
■内容
乾布摩擦・薄着・はだし・はだかになる
■注意点
一人一人の子供の反応に気をつけながら、慎重に行う
■保育所や幼稚園のある地域の問題点
①自然的な環境が減少していること
②交通量が多く空気が汚れていること
③園庭や保育室が狭い

2、身体活動による健康づくり
■内容
日常的な遊びを中心とした活動
マラソン・体操・園外散歩・体操・縄跳び
■注意点
子供の体格に有った用具を選ぶ

2、健康づくりの方法

1、規則正しい基本的生活習慣
■乳児期
保育者の充分な養護の下でのみ生活することが出来る。
適切な保育を受けることで心身が安定し、健康づくりのための基礎が出来る
■幼児期
乳児期とは異なり、意図的・主体的になるので「やってみたら出来た」「昨日より少し出来た」という
達成感が大事。幼児の健康づくりは、現段階で何が、どの程度出来るのかを確認しながら、活動を促していくことが大切。

2、皮膚の鍛錬

■外気浴
○利点
・皮膚や粘膜を丈夫にし、抵抗力をつける
・体温調節をする皮膚の血管の働きが活発になり、身体内の物質の入れ替わりを促進する
・気分が爽快になり、リラックスできる
○方法
・生後1ヶ月・・・窓を開け、外気に慣れさせる
・慣れてきたら抱いて散歩(1日5分程度からはじめる)
・時間を少しづつ伸ばし、20~30分程度。毎日続けることが大事
・夏は木陰、冬は日当たりのいいところ(直射日光が顔に当たらないようにする)

■薄着・はだし・はだか保育
はじめは上着を一枚脱ぐ程度で無理強いしない

■乾布摩擦
血行をよくし、皮膚に刺激を与える利点がある。
方法は、皮膚が赤みを帯びる程度で、末梢部から中心部へ。
乳児は日光浴・おむつの交換時に、幼児は起床時・就寝前

3、運動を通じた保育
■多様な運動遊び
■散歩保育

3、障害のある子供の健康づくり
①病気を悪化させないこと
②その子供の持っている能力を充分い発揮させること

病気を持つ子供と一緒に保育する「総合保育」(インテグレーション)は、互いにメリットがある

第12章 子供の健康づくりの意義

1、子供の健康づくりの特徴

1、健康づくり・・・健康の保持・増進
①一人一人の子供の発育・発達状態に合わせた健康づくりの方法を実践すること
②栄養・運動・休養・清潔・排泄と言った日常生活習慣を、健康の保持・増進のために適切に行うこと
③遊びを取り入れた健康づくりを行うこと

2、発育・発達状態にあわせた健康づくり
子供の個人差を充分考慮して行う必要がある

3、日常生活習慣による健康づくり
毎日の日常生活行動を通じて、自薦に健康づくりの方法が身についていくようにするには、
子供がまねをしながら覚えていけるように、保育者が健康づくりの手本となるような行動をとることも必要

4、遊びを取り入れた健康づくり
子供の生活の中心は遊びである

5、生活全体を通じた健康づくり
保育所の中でだけ、はだし保育などを行っても、必ずしも健康づくりの効果はあがるとはいえない。
家にいるときも継続して行うように、家族に理解と協力を求める必要が有る。

2、子供の健康づくりの注意点

1、子供の特徴から見た注意点
①無理をさせない
②頭部大きいのでバランスが取りにくい
③思考と運動機能がスムーズに運動していないため、身体のコントロールが聞きにくい
④知識が未熟で、先の予想が見えない。また事故にあいやすい

2、子供の健康づくりの目標
幼児期に目指すべき体力は、頭部・体幹・手足を互いにコントロールする能力である。
つながる動作が出来なければならない

3、精神面での健康づくり
一人一人の子供の心理状態に常に注意していかなければ、運動遊びを実践しても意味がない。

3、国民健康づくり対策

1、これまでの健康対策
1978年(昭和53年)健康管理と健康教育の充実に取り組み始める
1988年(昭和63年)第二次国民健康づくり対策(アクティブ80ヘルスプラン)をスタート
■三本柱
①生涯を通じた健康づくり
②健康づくりの基礎整備
③健康づくりの啓発普及

2、健康日本21
2000年(平成12年)21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)が実施される。
生活習慣や生活習慣病から
①栄養・食生活
②身体運動・運動
③休養・こころの健康づくり
④たばこ
⑤アルコール
⑥歯の健康
⑦糖尿病
⑧がん
の9つの分野を選び、それぞれに取り組みや目標を示している

3、健やか親子21
2000年に策定される。
関係機関や団体が一体となって母子保健の国民運動を推進する計画として「21世紀初頭における母子保健の国民運動を推進する計画。
2001年から2010年までの国民運動計画として位置づけられる。
中間年(平成17年)に次の5項目が重点取り組みとして上げられる
①思春期の自殺と性感染症の防止
②産婦人科医師・助産婦の産院医療を担う人材の確保
③小児の事故防止をはじめとする安全な子育て環境の確保
④子供の虐待防止対策の取り組みの強化
⑤食育の増進

第11章 幼児期の食生活の実際

1、幼児期の食生活の特色
幼児期は多くの栄養素が必要であるが、消化器系も未熟なため、3度の食事では充分な栄養素を摂取できない。そこで一日1~2回の間食で補う必要がある

■間食に適した食物
①エネルギー源・・・蒸しケーキ・クレープなど糖質類
②水分・ビタミン・無機質・・・果物、牛乳

■注意点
食事に影響の有るようなボリュームのあるものは避け、菓子類など甘いものだけに頼らないようにする

2、1歳から3歳未満ごろの食生活
■保育所での食事の目的
①栄養補給
②食生活習慣の確立
③栄養や食生活に関する教育
④心の健康づくり

3、幼児期の栄養上の問題

1、摂取量に関する問題
■食欲不振
食欲不振がひどい場合や長期に渡る場合は、なんらかの病気や、家庭内の不和などから来る精神的な要因が考えられる

■偏食
①乳幼児期からの食生活の偏り(食わず嫌い)
②神経質な性格
③調理法や保育者の態度の誤り

2、身体的な問題
■幼児期の肥満の原因
①乳幼児期からの継続した肥満
②幼児期の食事の過剰摂取(特に糖質と脂質)
③不適切な間食や不規則な食生活
④野外運動など活発な遊びが少ない

■う歯
食生活の改善や歯磨きを習慣づける

第10章 乳幼児期の食生活の実際

1、乳汁栄養期の食生活

1、母乳栄養
■母乳栄養の特徴
①乳児の発育と健康保持増進に必要な栄養素が最も適したバランスで含まれている
②免疫物質を多く含んでおり、感染症に対する抵抗力がつく
③乳児の身体を構成しているたんぱく質と同種のたんぱく質のため、アレルギーを防ぐことが出来る
④母子間の相互作用に有効である

■母乳の成分と子供の健康
・分娩後、数日間分泌される母乳・・・初乳
エネルギー源が高く、免疫物質を多く含んでいる
・分娩後10日目ごろから分布される母乳・・・成熟乳
・母乳栄養児の便中にはビフィズス菌が多く含まれていることから、母乳の成分がビフィズス菌の腸内増殖を助けていることがわかる。

■母乳不足
①身体発育不良となり、体重増加の程度が低い
②不機嫌でぐずることが多く、睡眠時間が不規則
③授乳間隔が短くなり、1回の授乳時間が長くなる
④排便回数が減り、便の状態も悪く、便量も少ない
<原因>
・母体の疾病異常
・母体の栄養不足
・精神的ストレス
・母乳保育に関する母親の意欲の欠如

2、人工栄養
■調乳の仕方
①50~60ccの湯と粉乳を鍋に入れる
②①を泡立てないように拡販して溶かす
③②を哺乳瓶にいれ、乳首とキャップをゆるくつける
④蒸し器に哺乳瓶を入れ、100度で5分間消毒する
⑤消毒が終了した後、哺乳瓶のキャップをしっかり閉め、流水で冷まし、冷蔵庫に保管する。
授乳の時に取り出して温めて与える

■人工栄養の問題点
・アレルギー
・不潔な調乳作業
・神経質な授乳態度(哺乳量に神経質になる)

2、乳汁栄養期の栄養上の問題

1、摂取量に関する問題
■食欲不振・・・先天性心疾患や感染症、生まれつき少食など原因は様々
■母乳嫌い・・・混合栄養児に見られる。哺乳瓶の乳首の穴を小さくするなど工夫が必要
■ミルク嫌い・・・気分転換を図ったり、空腹に鳴ってから授乳する

2、身体的な問題
■吐乳・溢乳
・吐乳・・・感染症、中枢神経系疾患、消化器系の病気による場合がある
・溢乳・・・哺乳後の身体の動きがや不十分な排気

3、離乳期の食生活
①生後5~6ヶ月ごろが適当
②アレルギーの心配のないおかゆからはじめる
③スプーンを使い、吸う以外の食べ方に慣らす
離乳完了期・・・栄養の大部分を乳汁以外の食物によって摂取できること。
1歳~1歳半ごろがめやす

第9章 子供の栄養の意義

1、小児期の栄養の必要性と意義

1、エネルギー源となる栄養の必要性
2、発達にみあった栄養
3、病気の予防のための栄養
4、将来への影響を考えた栄養(ここでバランスの崩れた食生活を身に着けてしまうと、将来肥満・高血圧・糖尿病などの生活習慣病に繋がる)

2、小児期の栄養と食生活の関係

1、発育・発達段階との関係
食生活は、子供の摂食能力の発達程度、消化吸収および排泄機能、さらに精神・運動機能発達の程度にも左右されている。反対に食生活も発育・発達段階の影響を受けている

2、病気との関係
充分に栄養摂取できる食生活は、身体的な病気を防止するだけでなく、予防にも繋がる。

3、マナーと社会性との関係
栄養を適度に摂取するためには、適切な食生活のマナーを小児期に確立しておく必要がある。また、食習慣を確立すると言うことは、食事を作ってくれる人との関係や、一緒に食事をする家族や友達との社会性を共に学んでいくことでも有る

3、小児期の各時期の食生活

■乳児期
乳児期の栄養は主に母乳に頼っているため、母体の栄養状態によって乳児の健康状態が左右される
■幼児期
たんぱく質は年齢が大きくなるほど多く必要となる。またカルシウムは骨や歯の形成に、鉄は貧血予防になる

4、小児期の栄養状態評価
栄養摂取の目的
・発育・発達の促進
・生体組織の組成の維持
・疾病の予防
さらに社会性を身につけ、ストレスにも正常に対処できているかを見る

第8章 発育・発達を促す生活の支援

1、睡眠

1、睡眠時間
・0~2ヶ月・・・授乳から次の授乳までほとんど眠っている
・3ヶ月~3歳・・・14時間~15時間(夜間12時間、昼寝2~3時間)
・4歳以降・・・10~11時間

2、睡眠習慣のしつけ
①寝る時間を一定に定め、習慣づける
②ひとり寝の習慣をつける
③寝る前の排泄、挨拶の習慣
④気に入ったタオルなどをしゃぶりながら寝る子もいるが、無理に取り上げない
⑤睡眠時間が長すぎる子供には、昼間運動などをさせ、生活にリズムをつける

3、睡眠のための環境づくり
ふとんは柔らかすぎず、堅すぎず
枕は背骨が曲がるので使わない(乳児は頭部の発汗が多いので適度にタオルを取り替える)
寝室は騒音を防ぎ、カーテンなどで光をさえぎり、室温を一定に保つ
そばにいて子守唄を歌う、手を握るなどの安心感を与える

2、排泄

1、おむつ使用時のおしりのケア
■おむつの選び方
①柔らかい素材で、皮膚になじみ、刺激のないもの
②吸水性が有るのと同時に、保水性があるもの
③選択が容易で、丈夫なもの
④色は汚れが見えやすい白

■おむつ交換の方法
①ぬれるところを厚くするため女子は後ろを、男子は前を厚めにする
②乳児は腹式呼吸なので、腹部をしめつけないように、へその下に小さくまとめる
③足の運動を妨げないように(横から締め付けたり、太ももを覆ったりしない)
④おむつ交換をするときは子供に声をかけながら、爽快感を味わえるようにする

■おしりのケア
①食事の前後だけでなく、頻繁に代える
②タオルを湯に浸して、ぬれたおむつの当たっていたところを拭き、おむつかぶれを防ぐ
③汚れがひどいときは洗面器でおしりを洗う
④おむつ交換のたびにおしりを観察する

2、排泄のしつけ
■しつけの時間
一歳半~2歳ごろをめやすにするが、個人差があるので成長に合わせて無理のないようにする
■しつけの方法
①1歳半頃・・・時間を見計らって便器に座らせるようにする
②1歳半~2歳・・・サインを見逃さないようにして、意思表示があったらすぐにトイレに行かせる
③2歳半ごろになると夜のおむつもとれるようになる
④女子については前から後ろに拭くようにしつける
⑤失敗してもおおらかな気持ちでしつけを進める
⑥上手に出来たら褒める

3、清潔

1、沐浴の効用と注意点
■効用
①身体の清潔を保ち感染を予防する
②血液の循環がよくなる
③新陳代謝を高める
④心身ともに爽快感が味わえる
⑤清潔の習慣を身に着ける

■注意点
①室温を20~24度に保ち、隙間風が入らないようにする
②適温は37度~39度
③5~7分程度
④授乳後や空腹時には行わない。少なくとも授乳後1時間は経ってから

第7章 小児の生理機能発達

1、循環器の生理機能

1、乳児期の循環
胎児循環では胎盤やへその緒を通して母体の血液から酸素や栄養を受け取っている。
しかし、出生と共に肺の拡張が見られ、自分の心臓の力による成人循環に移行する。

2、脈拍の生理
①年齢が低いほど脈拍数は多くなる
②発熱・授乳・号泣・入浴、その他運動や精神的興奮などで脈拍数は増加する

3、脈拍の測定方法
①安静時に(睡眠中がよい)手首の付け根の親指側で測定する
②人差し指・中指・薬指の3本の指を軽く当てて、1分間の数を測定する
③はかりにくいときは、首やこめかみで測る方法もある

4、脈拍の測定の仕方
①一定のリズムで打っているか
②リズムが狂っていたり、途中で脈が途切れたりしていないか
③打ち方は弱くないか、力強く緊張感があるか
④速さはどうか。非常に早かったり遅かったりしていないか

5、呼吸器の生理機能

1、乳児期は肺胞が未熟な上に、胸膜や横隔膜も未熟なため、呼吸を上手に出来ない

2、呼吸の生理
①出生後、最初に行う呼吸を「第一呼吸」と言う
②乳幼児は腹式呼吸である
③年齢が低いほど呼吸数は多くなる
④呼吸器疾患や授乳・号泣などで呼吸数は増加する
⑤乳児は呼吸困難に陥りやすく、感染が起こりやすい
⑥幼児期前半に胸式呼吸が見られる
⑦睡眠時は無呼吸が起こりやすく、乳児や新生児にたびたび見られる

3、呼吸の測定方法
①吸い始めから次のすい始めまでを1呼吸といい、1分間測定する
②安静時に静かに胸に手を当てたり、肩の上下運動を見る
③泣いているときや泣いた直後の測定は避ける

4、呼吸の観察の仕方
①速さや深さはどうか
②規則的な呼吸をしているか
③ゼイゼイと音を立てていないか
④顔色が悪かったり、唇の色が悪くないか

3、体温調節機能

1、体温機能の生理
①早朝の体温が一番低く、午後の体温との差は0.1~0.4度
②体温は睡眠時と活動時では1度の差が有る
③わきの下<口腔内<直腸の順で高い値を示す

2、小児期の体温
①新生児期は体温調節機能が未熟なため、衣服や環境温度の調整に配慮する必要が有る
②小児は成人より体温が高い
③小児は身体の異常が体温の異常となって現れやすいので、様子が可笑しいときは検温する

3、体温の測定方法
①脇検温・・・7~8分以上(出来れば10分)
②直腸検温・・・3分

4、熱型(発熱の経過の形)
○けいりゅう熱・・・38度以上が続き、一日の高低が1度以内のもの「腸チフス・髄膜炎・ワイル病など
○弛張熱・・・高い熱があり、一日の高低が1度以上だが、下がっても平熱にならないもの「肺血しょうなど」
○かんけつ熱・・・1~2日おきに熱が高くなるもの「マラリア」

4、消火器の生理機能

1、口腔内
①乳児の摂食行動は、哺乳運動から始まる
②生後6ヶ月から、咀嚼運動が可能になり、離乳食が食べられる
③1~2歳ごろには固形物が食べられる

2、胃腸の生理

■胃の形態
乳幼児の胃は筒状なので溢乳しやすい。生後3~4ヶ月までは哺乳の後に排気(げっぷ)を充分にさせる
■排尿の生理
乳幼児期は膀胱に尿がたまると反射的に排尿が見られる。
2歳前後から、自分の意思による排尿が可能になる
3~5歳で尿意を制御できるようになるため、夜間の排尿も自立する
■排便の生理
乳幼児期は反射によって排便が見られる。1歳半~2歳頃に言葉やしぐさで便意を訴えるようになる
■便の性状
①胎便・・・柔らかく粘りがあり無臭
②便の異常
消化管上部出血の場合は黒便色、消化器官下部出血の時は赤色便、胆汁分泌不足の時は灰白色便となる

第6章 子供の精神・運動機能発達

1、子供の精神機能発達

1、感覚機能の発達
・視覚・・・新生児期から光を感じることが出来、視力は1歳で0.2ぐらいになる
・聴覚・・・生後6~14時間で音に反応するようになり、生後1~2ヶ月で母親の声を聞き取れるようになる
・皮膚覚・・・新生児期から敏感。痛覚は生後一週間ぐらいで発現する

2、情緒機能の発達
新生児期は興奮のみだが、生後3ヶ月より快・不快を区別するようになる

3、言語機能の発達
・なん語・・・生後3ヶ月ごろの反復的要素(アーアー、ブーブーなど)
・模倣・・・生後7ヶ月に周囲の人の言葉を真似る
・発語・・・生後10ヶ月ごろ一語文(ワンワンなど)

4、社会性機能の発達
・2~3ヶ月・・・人があやすと笑う
・4ヶ月・・・母親と他人との区別が出来る
・7~8ヶ月・・・人見知りするようになる
・1歳3ヶ月・・・「~してはいけない」という禁止に従う
・1歳半・・・「~してちょうだい」ということを理解する
「平行遊び」(他の子供に話しかけるが基本的に自分のペースで遊ぶ)をする
・2~4歳・・・自我が芽生え、「イヤ」という
・5~6歳・・・ルールに基づいた仲間遊びが出来る

2、子供の運動機能発達

1、運動機能発達の原則
①発達は一定の順序に従い、連続的に進む
月例に個人差は有るが、ある段階を飛び越したり、順序が逆になることはない
②発達には一定の方向性が有る
・頭から足に向かって発達する
・中心から抹消に向かって発達する
・大まかな動きから細かい動きへ
③発達の速度は一定ではない
神経系は乳幼児期に、生殖器系は思春期以降に
④特定の機能を獲得するために、決定的に大切な時期が有る
発育を阻害する要因が作用すると、その後の成長に重大な影響を及ぼす

2、新生児期の運動機能発達(代表的な原始反射)
・吸てつ(吸い付き)反射・・・口の周りに何か触れると吸い付こうとする
・自動歩行反射・・・脇を支ええて足の裏を床につけると歩くようなしぐさをする
・モロー反射・・・大きな音などの刺激を与えると、抱きつくようなようすをみせる
・ほふく反射・・・わきの下を支えて床にうつぶせさせると這うようなしぐさをみせる
・バビンスキー反射・・足の裏を柔らかくこすると足の指を手のように開く
・把握反射・・・掌に物が触れると、強く握る
・凝視反射・・・目でものの動きをゆっくり追う
・探索反射・・・唇や口角を刺激するとそっちをむく
・緊張性頚反射・・・仰向けで頭を一方に向けると、頭を向けた側の上肢を伸ばし、反対側を曲げる

3、乳幼児期の運動機能発達
・2ヶ月・・・腹ばいにすると少しの間頭を上げる
・3ヶ月・・・首が据わる
・4ヶ月・・・腰を支えると座ることが出来る。手に触れたものを掴むことが出来る
・5ヶ月・・・目に付いたものをつかむ
・6ヶ月・・・寝返りをする、支えが有ると座る
・7~8ヶ月・・・ハイハイが出来る。お座りしておもちゃを持つ
・9~10ヶ月・・・つかまりだちが出来る
11~12ヶ月・・・つたい歩き、ひとり立ちが出来る。片手を持つと歩ける

4、用事の運動機能発達
13~15ヶ月・・・歩き始める。小さなものを掴む
16~18ヶ月・・・ぎごちなく走る
19~21ヶ月・・・手すりに捕まって階段を上がる
22~24ヶ月・・・転ばないで走る、本のページを一枚づつめくる
2歳半・・・両足でジャンプ出来る
3歳・・・片足とびが出来る・ゆっくりボタンをかける・三輪車をこぐ・丸を描く・ハサミを使う
4歳・・・階段をあがる
5歳・・・スキップをする・爪先立ちが出来る

3。精神運動機能発達の評価

1、発達スクリーニングテスト
対象は0~6歳
4つの領域「個人ー社会、微細運動ー適応、言語、粗大運動」について
正常・疑問・異常・不満の4つの判定をする

2、発達検査
対象は1~12ヶ月と1~3歳
日常生活から親が回答したものを評価する

3、知能検査
・ビネー式知能検査
・ウェクスラー式知能検査

第5章 子供の身体発育

1、子供の特徴
①子供は常に発育・発達している
②子供は心身共に未熟な状態であるが、成熟した段階へと変化し続けている
③子供の発育には個人差が大きい
④子供は月例が低いほど母体からの影響を強く受けている
⑤感染による抵抗力が弱いが、それにより免疫を獲得する
⑥自分自身の状態や、危険に対する認識が低い

2、子供の身体発育の特徴

1、身体発育のピーク
受精から出生に至るまでの発育・・・第一発育急進期
第二次性徴(女子は11歳・男子は13歳ごろ)・・・第二発育急進期

2、新生児期

■体重
○出生時の体重
2500グラム未満のもの・・・低出生体重児
そのうち生理機能や身体発育が未熟なものを未熟児と呼ぶ
○生理的体重減少
生後3~4日ぐらいの間に5~10%減る(哺乳量より排泄量が多いため)
■頭囲と胸囲・・・胸囲より頭囲のほうが大きい
■泉門・・・頭蓋骨の縫合部が癒着していないためのすきま
前・・・大泉門、後・・・小泉門

3、乳幼児期
■体重・・・生後三ヶ月で出生時の約三倍になる
■身長・・・1歳で出生時の約1.5倍、4歳前半で二倍
■頭囲と胸囲・・・生後二ヶ月で頭囲より胸囲のほうが大きくなる
■泉門・・・小泉門は生後三ヶ月で閉じるが、大泉門は生後10ヶ月ごろまで大きくなり、一歳半で閉じる
■乳歯・・・乳歯の生え始めは生後6~7ヶ月
満一歳で上下4本ずつとなり、三歳頃に生え揃う

4、学童期・思春期
■身長・・・15歳で出生時の約3~3.5倍(第二次性徴期の出現が女子のほうが早いので、身長は女子が上回っている)
■永久歯・・・5,6歳ごろから抜け始める。永久歯は全部で32本あり、20歳ごろに生え揃う

3、子供の身体発育の評価

1、発育指数を用いる方法
①カウプ指数・・・体重÷身長の二乗
15以上~18(普通)
22以上(肥満)
13~15以下(やせ)

②ローレル指数(学童期以降)・・・体重÷身長の三乗×10の7乗
②肥満度・・・(実測体重-標準体重)÷標準体重×100

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Mikami Kako

Author:Mikami Kako

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保育士・図書館司書に関しては、旧システムによるものなので、現在のもの科目編成や内容にずれがあります。放大についても閉講科目が含まれます

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