第2章 小児期の栄養と食物摂取

1、小児栄養の概要

1、栄養・食生活の注意点
①小児期の栄養は発育に強く影響し、その後のライフステージにも影響を及ぼすので、過不足なく栄養を摂取することが必要
②小児は各発達段階に応じて、栄養素要求量が異なる
③小児は発育上の必要性から、良質のたんぱく質が必要
④小児は食物の自己選択が出来ない。また、生理機能や食物摂取機能が未熟なため、乳汁や離乳食などの食物、調理形態、摂取方法などに充分配慮が求められる。
⑤小児は抵抗力が弱く、病気にかかりやすい
⑥望ましい食行動や食習慣の確立期。小児は食習慣の形成途中であり、偏食・食欲不振・過食や拒食などの摂食の問題を起こしやすい。この時期に正しい食習慣を獲得することが非常に重要。適切な援助や指導のあり方が求められる。

2、エネルギー・栄養量
小児は成人に比べて単位体重あたりの基礎代謝量・発育・発達や活動に要するエネルギーの割合が非常に高い
たんぱく質やビタミン・無機質の単位体重あたりの摂取量も同様に多くなっている

2、小児の食物摂取機能の発達
・新生児・・・吸啜(きゅうてつ)反射行動(すいつき行動)
・5~6ヶ月(離乳期)・・・どろどろした粥状のものが飲み込めるようになり、6ヶ月で上下の唇が閉じられる(嚥下の上達)
・7~8ヶ月・・・舌が上下に動くようになり前歯が萌出する
・11ヶ月・・・上下の歯茎でつぶして離乳食を咀嚼出来るようになる
・1歳~1歳半・・・第一乳臼歯(すりつぶす機能を持つ歯)が生える
・3歳・・・乳歯は上下10本づつ

食物摂取機能の主な発達項目

①消化吸収機能
②食物の認識機能
③食欲及び味覚・臭覚などの感覚
④食嗜好(好き・嫌い)などの感情
⑤食行動(食べる動作)と食習慣
⑥食事をともにとる社会性
⑦食べ物に関する科学的知識



3、小児の消化吸収機能の発達
■口腔
・乳歯の萌出は6~7ヶ月ごろ始まり、3歳で20本生え揃う
・6~7歳で永久歯が生え始める
■胃
・胃酸には細菌繁殖抑制作用と殺菌作用がある
・乳児の胃は筒状で細長い
・乳児は胃の入り口(噴門)や出口(幽門)が未発達
・乳幼児期は、凝乳酵素の「レンニン」が分泌され、乳汁に含まれるカゼインを凝固させる
■小腸
・十二指腸・空腸・回腸の3つに区分される
・膵液・胆汁・腸液が分泌されて、食物は酵素の働きで分解・吸収される
・腸管内は絨毛が無数に出ており、それが表面積を広げ、栄養素が吸収されやすくなっている
・膜消化も行っている
・主要な栄養素のほとんどが小腸で吸収される
■大腸
・消化機能はほとんど持たず、水分の吸収が主である
■肝臓
・胆汁が作られており、脂肪の吸収を助ける
・解毒作用、造血作用などの機能を持つ
・小児の肝臓内では未発達
■すい臓
・膵液を十二指腸に分泌し、脂肪・たんぱく質の消化を助ける
・ランゲルハンス島からインスリンとグルカゴンを分泌する
インスリン・・・血糖値を下げる
グルカゴン・・・血糖値を上げる(グリコーゲンをブドウ糖に変える)

<主な消化液>
■唾液・・・糖質分解酵素(プチアリン)
■胃液・・・たんぱく質分解酵素(ペプシン)
■膵液・・・たんぱく質分解酵素(トリプシン、キモトリプシン、カルボキシペプシターゼ)
       糖質分解酵素(膵アミラーゼ(アミロペプシン))
       脂肪分解酵素(膵リパーゼ(ステアプシン))
■腸液・・・たんぱく質分解酵素(アミノペプチターゼ、ジペプチターゼ)
       糖質分解酵素・・・マルターゼ、ラクターゼ、スクラーゼ
    
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第1章 小児の身体発育と精神発達

1、小児の身体発育
1、乳幼児・・・一日あたりの体重の増加は出生三ヶ月まで25~30g、3~6ヶ月になると15~20gになる。体重は生後3ヶ月で出生時の2倍、生後1年で3倍になる。頭位は出生時は成人の60%だが1年後には80%になる。乳歯は6~7ヶ月ごろ生え始める。

2、幼児期(1~5歳)・・・体重は2~2歳半で出生時の4倍、3歳半~4歳で5倍になり、身長は4歳前半で出生時の2倍になる。乳歯は3歳ぐらいまでに上下10本づつ、合計20本。永久歯は6~7歳ごろ生え始める。

3、学童期(6~12歳)・・・後半には第二発育急進期を迎え、女子が男子より2、3年早く迎え、第二次性徴期を迎える

4、思春期(12~18歳)・・・性に関するさまざまな問題がみられる

2、小児の精神発達
乳幼児期は精神発達・運動機能などの神経系の発達が顕著な時期であり、3~4歳までにその80%が形づくられ、8才ぐらいには90%近くが定着する。
<乳幼児期の精神発達の特徴>
・発達の速度が速い
・環境の影響を受けやすい
・情緒に左右されやすい
・個人差が大きい
・遊びを通じて心身のさまざまな能力を発揮できる
・人格形成の基礎を養う

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