第8章 ヘルスプロモーションと健康増進

1、ヘルスプロモーションの基本的概念
(1)公衆衛生活動とヘルスプロモーション

ウインスローの公衆衛生の定義
公衆衛生は、協同社会の素s危機的な努力を通じて、疾病を予防し、寿命を延長し、身体的・精神的健康と能率の増進を図る科学であり、技術である


ウインスローの健康増進のあり方を実現する過程
健康を増進するとは、健康に必要な教育をコミュニティの中で組織的に実践していくこと、かつ健康の保持、向上のために適切な生活水準を誰もが確保できるように社会機構を発展させることである


ヘルスプロモーション思想は、人間の叡知と制度の結晶としての公衆衛生にほかならない

(2)WHOのヘルスプロモーションの定義
1086年、定義される。

WHOのヘルスプロモーションの理念
ヘルスプロモーションの理念は、人々が健康になるための活動を支援する人的、教育的、環境的、政策的、経済的整備によって、人々が主体的に健康を実現することを促進する意図的な働きかけの体系である



2、ヘルスプロモーション概念の特徴
(1)ヘルスプロモーション概念の今日的特徴
従来の健康推進運動は、個人の健康生活に関する能力を高めることを通じて、手段の健康水準の向上を図ることを目指してきた。これに対して「住民参加」による地域活動の推進によって人々の共同的な行為が個人を相互に支え、さらに社会的な条件整備によって健康を実現する環境作りが図られて、個人の能力発揮が容易に有効に行われることが提唱されててきている

ここで言う住民参加とは「住民がヘルスプロモーションの全過程(計画立案ー実施ー評価)において主体的にその過程に参画し、主導的に行為すること」である。従来のコミュニティ・オーガニゼーションにおける住民参加は、実施段階での協力という点で強調されていたが、ヘルスオウロモーションにおける住民参加は、行政などの政策資源を持つ当事者と対等・平等の関係で活動を推進していく概念である。

(2)プレシード・プロシードモデル
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<プレシード>
■第1段階「社会診断」・・・そのコミュニティに住む人々のQOL(生活の質)を評価する
■第2段階・・・人々の健康水準について易学的方法で診断し、問題点を特定する
■第3段階・・・その健康状態を規定する人々の行動、ライフスタイルの要因と健康に与える地域の環境要因について診断する
■第4段階・・・行動やライフスタイルに影響を及ぼす住民の教育的条件と環境に影響を及ぼす組織的条件についての明確化。
・教育・・・その具体化を規定する前提要件、強化要因、実現要因
・環境・・・組織的条件の実現要因
■第5段階・・・それまでの診断に基づきその地域におけるヘルスプロモーションの計画を個人に対する健康教育と集団に対する政策オプションや法令化、組織作りに関して意思決定し明確化する

<プロシード>
■第6段階・・・立案された健康教育プログラムや政策オプション、法令、組織など起動させ、実施する過程が位置する
■第7段階・・・それらの過程が、第4過程で分析された前提、強化。実現の各要因に対して適合的に機能しているか否かを評価する
■第8段階・・・具体的に行動やライフスタイル、環境に有意味に及ぼしているか否かを評価する
■第9段階・・・実際にその地域の人々の健康水準が向上したかを易学的に検討し、QOLが向上したかを検証する

3、ヘルスプロモーションにもとづく健康増進の実際
1、国民健康づくり運動
日本において厚生労働省によって推進されてきた国民に対して自主的な健康づくりを促すための啓発と、そのための基盤整備を内容とする政策、およびそれにそった各種事業ならびにそれらに伴う国民の諸活動を

(a)第一次国民健康づくり対策
昭和53年に長寿社会の到来にあわせて「国民健康づくり対策」がはじまる。
障害における健康づくりを目指して、妊産婦・乳幼児。女性に対する健康審査とともに、昭和57年に設立した老人保健法による健康診査や健康教育と連動して総合的な健康対策を実施する。この制度を実現するために市町村保健センターの整備が行われる

(b)第二次国民健康づくり対策(アクティヴ80ヘルスプラン)
昭和63年から開始される。栄養、運動、休業などの自主的な生活習慣の改善を通して疾病予防、健康増進をしていくことが図られ、そのための制度的基盤作りが進められた(運動型健康増進施設、温泉利用健康増進施設など)
人材育成(健康運動指導士など)が積極的に勧められ、健康を地域づくり、街づくり中心に据えた「健康文化都市」構想が発表され、モデル的な市町村が指定を受けた。
適切な食習慣(食生活、運動、休養)に関する指針の作成、普及や健康に配慮した街づくりの考え方(健康文化都市)の普及を行った

(c)健康日本21の基本理念
21Cを控えて、日本ではなお喫煙率が諸外国より高く、肥満者が増加し、脂肪の多い食生活への変化など、生活習慣に関する課題が解決に程遠かった。そこで健康日本21が提唱された

基本方針
1、生涯を通じた健康づくり
2、目標による管理などの経営管理手法の導入
3、健康のための社会環境作り
4、市町村を主体とした地域による総合的な取り組みの推進


生活習慣病の9つの分野の選定
食生活・栄養、身体活動・運動、休養・心の健康、たばこ、アルコール、歯科、糖尿病、循環器病、がん


厚生労働省の支援
①多様な経路による普及啓発
②老人保険事業や、医療保険者の実施する保険事業の効果的・一体的事業実施の推進
③痴呆や各団体における健康づくり計画の策定及び保健事業の推進に対する技術的アドバイスなどの支援
④推進組織の設置


2、健康文化都市構想
第二次国民健康づくり対策に関連して展開された政策
■基本方針
・健康をコンセプトとした基本政策と施策
・住民の政策への意見反映と民間団体の協力
・住民の主体的健康学習と文化の創造、継承

3、学校におけるヘルスプロモーション
わが国では「健康教育推進学校」として実践化されている。ヘルス・プロモーション・スクールとは、健康増進、健康教育、および学校管理に健康の視点を導入することに他ならない。ヘルス・プロモーション・スクールは健康教育や保健サービスの計画にあたって、家庭や地域との連携を重視しながら進めるとともに、その多様な資源活用がめざされている。
■ヘルスプロモーションの要素
①健康のための学校経営→理念、目標、計画、評価
②健康づくりを支援する環境構成→知的・人的環境
③家庭・地域との連携→住民参加、意思反映、共同活動
④個人の健康実現能力の向上→健康教育、保健指導
⑤予防、健康増進のための保健管理→前方視敵・予測的健康管理
⑥研究的姿勢の重視→客観的・論理的かつ創造的な健康活動の実施

■発展のための課題
①学校の全職員の意識啓発と地域・家庭とのコーディネート能力の開発
②学校の健康づくりを通じた地域の健康形成と知己連帯の再編成
③子供たちの健康形成への主体的参加を通じた学習感の展開
④子供が主体的に新しい健康形成の方法論を創造していくこと

4、地域活動の展開
ヘルスプロモーションは、地域保健活動であり、政策理念の元で住民に推進される。地域保健活動は本質的に教育活動であり、住民にとっては生涯学習家庭であるといえる

5、トータルヘルスプロモーション
ヘルスプロモーションの理念を産業保健活動に導入した活動を言う。すべての労働者を対象とし、労働災害や職業病の防止に並んで、生活習慣病など健康課題について、労働者の自助努力とともに、総合てきな健康増進を達成することを目指す活動を言う。
・運動の支援
・生活習慣や兼務形態の問題点の指導
・メンタルヘルスケア
・栄養指導

4、へルスプロモーション理念の小括
ヘルスプロモーションの理念は、単に健康を増進するだけでなく、住民参加に象徴される主体性の原理の確立と参加の権利と機会が均等に保障され、行政や事業所などの環境整備の努力がなされていることが不可欠である。

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◇次の各分の(  )に適切な語句を記入しなさい

1、重症心身障害児施設は重度の(知的障害)および(肢体不自由)が重複している児童を入所させる施設である
2、重症心身障害児施設の職員については、医療法に規定する病院として必要な職員のほか児童指導員、(保育士)、心理指導を担当する職員、理学療法士、作業療法士をおかなければならない
3、自閉症を主たる症状として入所させる(知的)障害児施設として、自閉症児施設がある。医療的なケアを入所させる施設を(第一種)自閉症児施設といい、医療的ケアの必要のない児童を入所させる施設を(第二種)自閉症児施設という。
4、情緒障害児短期治療施設は(軽度)の情緒障害を有する児童を、短期間収容し、または保護者の下から通わせて、その情緒障害を治すことを目的とした施設である

第15章 障害児のための施設

1、盲児施設
1、対象・・・盲児および強度の弱視児

両眼の視力が0.3未満のもの、または、めがねなどによっても通常の文字、図形の認識が困難なもの


2、職員構成
嘱託医、児童指導員、保育士、栄養士および調理員(40人以下はおかなくてもよい。委託の場合もいらない)職業を指導する場合は職業訓練士

盲児施設の職員規定
乳児または幼児4人につき一人、少年5人につき一人


3、視覚障害を持つ子どもの特製
■身体的・運動能力の発達
乳幼児から運動能力の発達が遅れがち。(ハイハイで物を取りに行かないため)歩き始めは数ヶ月から数年遅い
■知的発達
知能の発達は、健常児と変わりないが、視覚障害の影響が見られる。しかし聴覚に関しては優れている。話し始めは遅れるが、幼児期になると大差ない
■パーソナリティ
・新しい場面に適応しにくい
・忍耐強い
・恐怖心や不安感が強い
・他人に対する依存心が強い
・自己中心的で協調性に乏しい
■ブラインディズム(視覚障害児のクセ。成長するとなおる)
目を押す、目の前で手を振る、身体をゆする、頭を回すなど

4、養護内容
日常生活技能の習得、展示学習、レディネス(学習訓練の準備態勢が整っていること)、触探索の形成、移動のための空間認知能力の学習、歩行訓練など

2、ろうあ児施設
1、目的

ろうあ児(強度の難聴児を含む)を入所させて、保護すると共に、独立時活に必要な指導または援助することを目的とする


2、職員構成
嘱託医、児童指導員、保育士、栄養士及び調理員(40名以下は栄養士をおかなくてもよい。また調理を委託する施設は調理人をおかなくてよい)職業を指導する場合は職業指導員をおく

ろうあ児施設の職員規定
児童指導員及び保育士の総数は、乳児または幼児おおむね4人に1人以上、少年おおむね5人につき1人以上とする


3、聴覚障害児の特徴と指導
■言語発達の遅れ
■対人関係の障害
■パーソナチティ
とくに「ろう」(聴覚障害)の子どもは、情緒不安定、消極的、常識の不足がある。生活経験の乏しさや交友関係の狭さなど環境的な要因が大きく関与している

4、養護内容
日常生活技能の習得およびコミュニケーションの手段としての言語指導に重点が置かれる

3、肢体不自由児施設
1、対象

上肢(肩から手首までの部分)、下肢(股関節から足先までの部分)あるいは体幹(首の部分と脊椎を中心とした上半身)の機能に障害のある児童を治療すると共に、将来自立した生活が出来るように必要な知識と技能を与えることを目的とする


・重度の肢体不自由児のための「重度病棟」
・母子と通園することで指導効果が得られる児童を対象とした「通園部門」
・2~6歳の肢体不自由児を母親と共に入院させる「母子入園部門」
などがある

肢体不自由児施設
肢体不自由児施設は「児童福祉法」に規定される施設であると同時に「医療法」に定める病院でもある。従って入所には入院の必要がある子どもを対称にしている


■特徴
①かつての肢体不自由の原因であった、急性灰白髄炎(ポリオ)、先天性股関節脱臼、結核性骨関節炎などは減少し、中枢神経の障害である脳性まひが多くを占めている
②脳性まひ児が中心になったことから、入所児童の障害が重度・重症化する傾向にある。知的障害、視覚障害、言語障害など多くの随伴障害を伴う児童が多く、肢体不自由による運動障害が重度化しているため、日常生活における介助の必要性が増している
③入所児童の半数以上が学齢期であるが、年々6歳未満の子どもの入所が増加している。1979年、養護学校(現:特別支援学校)が義務制となり、特別支援学校が併設されている施設もある。
④家庭での療育が困難な肢体不自由児を対象とした「肢体不自由児療護施設」もある

2、職員構成
■肢体不自由児施設
病院に必要な職員のほか、児童指導員、保育士、理学療法士(PT)または作業療法士(OT)、職業指導を行う場合は職業指導員

児童指導員と保育士の総数は、乳児または幼児10人につき1人以上、少年については20人に1人以上。児童の数を3.5で割った数以上。

■肢体不自由児療護施設
嘱託医、看護師、児童指導員、保育士、栄養士、調理師(40名以下は栄養士を、調理委託の場合は調理人をおかなくてよい)職業を指導する場合は職業指導員をおく

3、療育内容
■訓練
異常な姿勢の矯正、四肢の間接の運動、間接の変形の改善・・・理学療法士
日常生活動作の訓練・・・作業療法士

■日常生活の指導

4、重症心身障害児施設
1、対象
重度の知的障害および肢体不自由が重複している子ども

重複障害の程度
日常生活において、常時介護を必要とし、さらに「重度の肢体不自由」とは、両上肢の機能の著しい障害、座る姿勢の保てないほどの体幹の障害、不随意運動や失調による著しい日常生活動作の障害、歩行障害など、いずれかが認められる程度


在所期間は特に制限がなく、満18歳を過ぎても在所することが出来る。
入所対象者は
①全面介護を要するものであり、ほとんどが脳性まひ
②年齢制限がないため、中年もいる
③知的障害あるいは肢体不自由のどちらか一方だけが重度の場合は、知的障害者施設または肢体不自由施設重度病棟がとられている。

2、職員構成と職務内容
医師、看護師などの病院として必要な職員のほか、児童指導員、保育士、心理指導を担当する職員、理学療法士、作業療法士。施設長と医師は内科、神経科など相当の経験がなければならない。

3、重症心身障害児の理解と指導
愁傷心身障害児の障害は非常に重く、生命を維持し、健康を保って日常生活を送ることが大きな援助目的となる。

重症心身障害児の指導
食事、衣服の着脱、排泄など、ほとんどすべての日常生活動作を独力で行うことが出来ず、全面介助が必要となる


4、療育内容
①基本邸菜生活習慣を目指すより、生命の維持、健康の増進を目指した医療と看護が第一
②子どもが自分の人生を生き生きと生きていけるように援助することが第二

第14章 知的障害児のための施設

1、知的障害児施設
1、目的

知的障害のある児童を入所させて、これを保護すると共に、独立時活に必要な知識技能を与えることを目的とする施設とする


2、対象
児童相談所長が適当と判断し、決定した知的児童を受け入れる。
「知的障害の程度が激しい子ども」「強度の弱視、強度の難聴を含む身体障害との併発(重複障害)の場合は国立の知的障害児施設へ入所させ、社会生活に適応できるまで在所期間の延長が認められる。

知的障害者施設については「児童福祉法」の規定の満18歳を過ぎ、満20歳までの延長が認められ、満20歳を過ぎても在所が認められる。

知的障害者は現在、重度、高年齢化の傾向がある。退所後は、軽度の場合は就職もありえるが、家庭への引き取り、成人施設への入所が増えている

3、施設の設置基準と運営
児童指導員、嘱託医(精神科の診療経験が必要)、保育士、栄養士(児童40人以下は栄養士を、調理を委託する場合は調理員を置かなくても良い)

4、指導の内容
■生活指導
基本はADL(日常生活動作)の指導が中心。生活の基本敵領域の訓練。
■学習指導
教科学習ではなく、社会生活を充実させるための学習の意味がある
■職業指導
知的障害児は、自分の興味のあることには熱意を傾ける特性があり、作業訓練を繰り返すことによって、自分の役割を自覚することも可能である
■その他の指導
①余暇指導・・・レクリエーション、趣味、キャンプなど
②帰宅訓練

5、職員の専門性
近年は18歳以上の入所者の増加、障害の重度、重複化により、常時の介助・看護を必要とするものが増えている。単に資格や免許を持つだけでなく、自らに課せられた業務に専念し、チームワークを大切にして活動の実践にあたることが大事である。

6、自閉症児施設について
第一種・・病院型
第二種・・・病院以外
■対象
精神発達障害のうち、自閉症を有し医療を含む特別な療育を必要とする児童
■設備及び職員数
①第一種自閉症児施設・・・医療に重点が置かれ、病院に収拾することが必要な児童。「医療法」に規定する病院として必要な設備を設けている
②第二種自閉症児施設・・・自閉症を主たる症状とする児童
区分
医師
看護師
児童指導員・保育氏の総数
第一種
医療法上の病院として必要な人数
児童数を6,7で割った数以上
第二種
必要
児童20人に1人以上
児童数を4,3で割った数以上

2、知的障害者通園施設


1、目的

知的障害のある児童を日々保護者の下から通わせてこれを保護すると共に、独立時活に必要な知識技能を与える


2、職員構成と役割分担
児童指導員、保育士、嘱託医(精神科の診療経験あり)、調理員(委託の場合はおかなくてよい)
児童指導員および保育士の数は、乳児または幼児の数を4で割った数、および少年(児童)を7,5で割った合計

3、療育の実際と内容
①基本的生活習慣の確立
②感覚機能訓練
③運動機能訓練
④言語発達の促進

4、家庭との連携
家庭との連携を持つ意義はきわめて大きい。家族の心を支え、落ち着いた気持ちで生活できる家庭環境をつくることが望ましい

5、地域及び関連機関とのかかわり
地域社会や住民との連携が、直接的・間接的に通園児に還元されていくことが望ましい

第13章 児童厚生施設

1、目的と対象
1、目的
児童厚生施設は「児童遊園、児童館など児童に健全な遊びを与えて、その健康を増進し、または情操をゆたかにすることを目的とする」児童福祉施設である

2、対象
不特定多数の地域児童を対象。児童の遊びを指導するものをおく

3、職員
保育士の資格をもつもの、幼稚園~高校教諭の資格をもつもの、あるいは心理学、教育学などを修めたもので、児童厚生施設の設置者が適当と認定したもの

2、児童館の種類
■小型児童館・・・小地域対象
■児童センター・・・小型児童館の機能に運動を主とする遊びを加えたもの。中高生の育成機能を加えたものは大型児童センターという
■大型児童館
①A型児童館
広い建物と広場を有し、研修室やギャラリーなどを持つ。児童センターをはじめその他の児童館の連絡調整や指導などの中核的機能を持つ
②B型児童館
「子ども自然王国」(豊かな自然のある地域)内に設置されるもので、宿泊、キャンプ場などがある。
③C型児童館
広域を対象に芸術、体育、科学など総合的な活動ができるように、対応できる施設

■その他の児童館
公共性および永続性を有するもので、設備・運営については小型児童館に準ずる

3、児童館の活動内容
午前中は幼児対象。
放課後児童クラブは、1997年の児童福祉法改正で「放課後児童健全育成事業」として位置づけられ、社会福祉法で第二種社会福祉事業に認定される

放課後児童クラブ
小学校に就学しているおおむね10歳未満の児童で、保護者が就労などで昼間家にいないものを対象とし、授業終了後に適切な生活の場を与えて児童の健全育成を図る。


1、児童指導
職員は、子どもが自分の行動を自分で考えて判断し、自主的に行動できるようになること

2、幼児指導
午前中保護者と共に利用できる

3、クラブ活動の指導
児童が自主的に運営していくことを援助する

4、放課後児童クラブの指導
放課後児童クラブは、家庭に代わるものの中で、学校から帰ってきた子どもを温かく迎え、話を聞く態度で接し、どんな状況においても公平に接することが大切

10

◇子どもの問題行動①~⑤は、どの行動を具体的にあらわしたものか答えなさい

①チック
②うそをつく
③不登校
④盗み
⑤カン黙

ア、神経症的習癖
イ、反社会的行動
ウ、非社会的行動

答え:ウ、イ、ア、イ、ア

第12章 情緒・行動面に問題のある子どものための施設

1、児童自立支援施設
1、目的と対象
不良行為をなし、又なす恐れのある児童及び家庭環境その他の環境上の理由により生活指導などを要する児童を入所させ、または保護者の下から通わせて、個々の児童の状況に応じて必要な指導を行い、その自立を支援し、あわせて退所した者について相談その他の援助を行うことを目的とする

児童自立支援施設の入所対象児童
不良行為を行った、または行う恐れのある児童及び環境上の理由により生活指導などを要する児童



児童福祉法
状態
家庭環境に問題のある非行傾向のある児童
罪を犯した14歳以上の児童
流れ1
児童相談所
家庭裁判所
流れ2
児童相談所による調査・判定・指導
児童相談所長、都道府県知事による措置


児童または保護者の訓戒、誓約
児童福祉司・児童委員・社会福祉主事等による指導
児童福祉施設入所等
家庭裁判所送致(少年法による保護が必要な場合)


流れ3
~③の場合
家庭での指導
児童自立支援施設
児童養護施設
の場合
家庭裁判所


少年法
犯罪少年(14~20歳未満)
触法少年(14歳未満)
虞犯少年(罪を犯すおそれのあるもの)
流れ1
家庭裁判所
流れ2
少年院
保護観察所
少年鑑別所



2、職員構成
児童自立支援専門員、児童生活支援員、医師(嘱託医)、栄養士、家庭支援専門相談員、被虐待児個別対応職員、心理療法を担当する職員ならびに調理員。職業を指導する場合は職業指導員。児童にはおおむね5人に1人以上。

3、児童自立支援の内容
子どもの不良性を除き、自立した社会人として健全な社会生活を営んでいくことができるよう支援することを目的として、生活指導、学科指導、職業指導が行われている

2、情緒障害児短期治療施設
1、目的
軽度の情緒障害を有する児童を、短期間入所させ、または保護者の下から通わせて、その情緒障害を治し、あわせて対処したものについて相談やその他の援助を行う

情緒障害
情緒障害とは、子どもが発達障害や人間関係などの環境要因によって、家庭、学校の生活に困難を生じた状態を言う


2、対象
環境的、心理的に不適応な行動が見られる子ども
①暴力、反抗、盗み、金品の持ち出しなど反社会的な行動
②不登校、引きこもり、かん黙などの非社会的な行動
③夜尿、摂食障害、チック、爪かみなどの神経的習癖

3、職員構成
医師、心理療法を担当する職員、児童指導員、保育士、看護師

◇次の(  )内に適当な数字をかきなさい

児童養護施設の児童指導員及び保育士の総数は、通じて満三歳に満たない幼児おおむね()人につき1人以上、満三歳以上の幼児おおむね()人につき1人以上、少年おおむね()人につき1人以上とする。

乳児院の看護師の数は、おおむね乳児の数を(1,7)で除して得た数とする。その数が()人未満の時は()人以上とする(乳児10人を超える施設の場合)

◇次の1~4の中にあてはまる語句を書け

母子生活支援施設)は(配偶者)のいない女子またはこれに順ずる事情にある女子及びそのものの(監護)すべき児童を入所させて、これらのものを保護すると共に、これらのものの(自立)の促進のためにその生活を支援し、あわせて対処したものについて相談その他の援助を行うことを目的とした施設である

第11章 養育のための施設

1、乳児院
1、目的と対象

乳児(保健上、安定した生活環境の確保その他の理由により特に必要のある場合には幼児を含む)を入院させてこれを養育し、あわせて退院したものについては相談その他の援助を行うことを目的とする施設


■特に必要のある場合
①乳児の心身に著しい発達遅延が見られ、医学的な養育治療を要する場合
②児童養護施設に空床がない場合
③里親の受託希望者がない場合

■入院の対象
①特に保護を要する乳児(両親の死亡、行方不明)
②養護に欠ける乳児(父母に遺棄された、父母が長期に渡り拘禁されている)
③虐待されている乳児
④その他環境上養護を要する乳児
近年は遺児、孤児は減少し、心身の発達遅滞による医学的配慮を必要とするケースが増えている。

2、職員構成
乳児10人未満の乳児院を除く
医学関係の専門職員が多く配置されることが特徴のひとつである
①医師、または嘱託医
②看護師・・・保育士または児童指導員をこれにかえることが出来る。
・乳児10人以上・・2人
・10人を超える場合は乳児が10人増すごとに1人以上看護師を置くこと
・看護師は乳児の数を1.7で割った数(7人未満の場合は7人)
・乳児が10人未満の場合は、看護師を7人以上とする。一人を除いて保育士または児童指導員に代えることが出来る

乳児院における養育の内容
精神発達の観察及び指導、毎日提示に行う授乳、食事、おむつ交換、入浴、外気浴および安静ならびに定期的に行う身体測定のほか、健康診断および必要に応じて行う感染症などの予防処置を含む


■乳児院の退所後
①児童養護施設に移る・・・高校まで
②里親委託
③家庭引取り

2、母子生活支援施設
1、目的と対象

配偶者のいない女子またはこれに準ずる事情にある女子及びそのものの監護すべき児童を入所させて、これらの者を保護すると共に、これらの者の自立の促進のためにその生活を支援し、あわせて退所した者には相談その他の援助を行う


■配偶者のいない女子とは、配偶者(事実上婚姻関係と同様の事情にあるものを含む)と死別して、現に婚姻をしていない女子、及びこれに準ずるもの
①離婚した女子で現に婚姻していないもの
②配偶者が生死不明
③配偶者に遺棄された
④配偶者が海外にいるため扶養を受けることが出来ない
⑤配偶者が精神または身体の障害により働けない

■子どもが20歳以上であっても、次子が18歳未満であり、養護を必要とすれば、母と次子以下は入所できる。具体的な措置基準は
①入所前の家庭環境への不適応
②母親の心身の不安定により、児童の福祉に欠ける
③職業上の理由などに起因して、児童の福祉に欠ける
などである。近年は家庭の荒廃が広がる中で、母子家庭になる原因も深刻かつ多様になっている。

入所の主な原因
配偶者の病死、離婚、家出、交通事故、労働災害、拘禁、精神障害、非婚など。最近はDVからの緊急避難が急増している


2、職員構成
母子指導員、嘱託医、少年を指導する職員、被虐待児個別対応職員および調理員またはこれに代わるべき者をおかなければならない。保育士。

3、指導援助の内容
・生活相談を通じて母子の悩みを解決する
・母親の職業選択や斡旋を通じて、社会生活に適応させる

3、児童養護施設
1、目的
養護に欠ける児童(母親の放任・惰性が一番多い)を入所させて、その児童を養護し、あわせて対処したものには相談及び自立のための援助を行う

児童養護施設
満一歳~満18歳未満の、保護者のいない子や被虐待児、その他環境上養護を必要とする子どもが、家庭から施設へ生活の場を移し、家庭復帰ならびに社会復帰できるまでの間、保育士や児童指導職員らの職員とともに生活し、成長・発達にともなう必要な生活援助を受ける場である。あわせて自立支援を目的とする視点も持つ


2、対象
①保護者のいない子ども
・父母の生死が明らかでない
・父母に遺棄される
・父母が海外にいて、扶助が受けられない
・父母が精神及び身体に障害を持ち、労働能力を失っている
・父母が長期に渡り拘禁されている
・父母がいても上記の事情にあるもの
②虐待されている子ども
③環境上養護を有する子ども
保護者の無知、無関心、放任

3、養護内容

児童養護施設での養護内容
子どもの日常生活を通しての健康管理、生活指導、学習指導、職業進路指導、余暇活動、ケースワーク援助、グループワーク援助など、保育士および児童指導員が中心となって行う


4、職員構成
児童指導員、嘱託医、保育士、栄養士、家庭支援専門指導員、主任児童指導員(またはそれに準じた職員が一人で行う被虐待児個別対応職員、心理療法を担当する職員および調理員。
・児童40人以下の場合は調理員を置かなくて良い
・職業を指導する場合は職業指導院をおかなくてはいけない

児童指導員と保育氏の総数
・満3歳に満たない幼児おおむね2人に1人以上
・満3歳以上の幼児おおむね4人に1人以上
・少年おおむね6人に1人以上


5職務内容
■児童指導員
①子どもと居住を共にしながらの生活指導
②施設全体の年間計画、指導計画に基づいた、自己担当児童の生活指導についての年間、週間、日々の実施計画の立案
③レクリエーション
④催事
⑤学習指導
⑥職業指導
⑦子どもの保護者、学校、ハローワークなどの訪問
⑧退所後の自宅訪問、施設内の巡視、無断外出時の捜索、移送引取り、災害時の救出及び前後処理

■保育士
①子どもと居住を共にしながらの生活指導
②児童指導員の立案に基づく生活指導案の作成
③養護日誌の記録
④集団的・個別的な生活指導、社会訓練や保健指導

(1)基本的な援助
現在は死別ではなく、家庭崩壊による養育機能の定価による場合が増加しているので、親に対し子どもを入所させる目的は、あくまでの家庭復帰をさせるためであることを明確にしておくことが大切。子どもに対しては、不安なく施設の生活に慣れるため、個別配慮が必要である。

(2)生活指導
基本的生活習慣を身につけさせるだけでなく、常に友人と接し、望ましい人間関係を結ぶことが出来るように指導する。

(3)学習指導
以前より高校に進学する児童も増えているが、施設児童は一般家庭の子どもに比べて、親の豊かな愛情と承認が得られず、精神的なサポートが不足しがちである。

(4)遊びの指導
(5)家族との関係調整

◇次の児童養護施設のスーパービジョンに関する記述のうち、正しいものをすべて選びなさい

1、日本では、児童養護施設の援助者は専門性が高いので、スーパービジョンのシステムはあまり必要にされていない
2、スーパービジョンとは、子どもへの個別援助のことであり、スーパービジョンを受けることで子どもたちの情緒は安定する
3、子どもにとって集団生活は利点にもマイナス面にもなる。スーパービジョンは子どもの集団をまとめるためのシステムである
4、児童養護施設では、組織のスタッフを育てる方法としても、スーパービジョンのシステムは有効である
5、援助者の子どもへの対応は最終的には援助者個人にまかされているので、独りよがりにならないためのスーパービジョンのシステムが必要である

答え:4、5

第10章 施設の運営と管理

1、児童福祉施設の運営と管理
児童福祉施設を運営する上で指標となるのは「社会福祉法」第61条の「事業経営の準則」であり、この条文で、福祉施設を運営する上で、国・地方公共団体・社会福祉法人などの責任を明確にすることをうたっている

2、児童福祉施設職員の資質
・情緒が安定していること
・活動的であること
・リーダーシップがとれること

1、施設長としての職務と資質
スーパービジョンを行うスーパーバイザーとしての資質が必要である

スーパービジョンとスーパーバイザー
個々の専門職員の、専門職としての資質向上を図るための指導・訓練・監督など、一連の職員指導の方法をスーパー簿ジョンという。これを担当する指導職員をスーパーバイザーという


2、援助職員としての職務と資質
専門技術はもちろん、人間性や協調性、向上心や子どもに共感する心も必要である。また、関係機関との連携や職員のチームワークは欠かせない

3.小規模施設におけるスーパービジョン
以前は保育士・栄養士・調理員などの職務が明確に分かれていたが、グループホームなどの小規模では家庭的な養護を展開する施設が増えていて、様々な仕事をこなさなくてはならなくなっている。このため、子どもに接する職員に対するスーパービジョンが重要性を増している。

第9章 学校教育・地域社会との連携

1、地域との連携の必要性
施設で生活する子どもたちが、地域にある学校で教育を受け、必要に応じて各種の公共機関や施設を利用する機会恵まれ、さらに、近隣地域児童とともに自由に楽しく交わることが出来るようになることは、子どもたちが社会の一員として成長していく上で大切なことである。

2、連携への働きかけ
1、学校教育との連携
施設児童が学校教育と直接関わるのは義務教育の一環として、地域の小中学校や特別支援学校に通学することである。

心身に重度の障害があったり養護にかけるなど、地域の学校に通学が不可能な場合は、施設併設の特別支援学級、ベットサイド学習(病院に入院している子ども)などがある。

幼児の場合は、施設内のプログラムや地域の保育園や幼稚園への通園が実施されている。

2、地域社会との連携
■施設の子どもの社会化
学校での友達関係は、遊びや学習を通じて、人間関係を強化し、色々な生活様式を学ぶことである

■社会資源としての施設
施設が、しい記者会に開かれた施設として機能していくもうひとつの働きは、施設が持つ、人的・物質資源を、地域住民に解放する工夫である。

3、ボランティアとの連携
施設にボランティアを導入することは、地域住民とのふれあいを緊密化し、地域の新鮮な話題や感覚を送り込むことになる。入所児童の生活意欲や精神的健康にプラスになるだけでなく、地域の一住民として自覚ある生活態度にも反映してくることになる。

◇次の( )の中に適当な語句を入れなさい

1、施設において児童に対する援助方針のなかには、日常生活において児童個人の主体的選択や(自立)の機会を多く与え、児童の自発性を養うなどという児童に対する(援助)・指導の他に、面会や一時帰宅が出来るように(家族)を指導することも含まれる

2、施設児童に対する日常生活援助の基本は、児童が安心して生活できる(環境)を整備することである。安定した生活(環境)の中で、児童は心身の安定した成長と(身体)の発達を遂げることが出来る。そして、保育士や(児童指導員)は、日常生活を共にする中で、児童と(信頼関係)を樹立することが重要である。(信頼関係)に基づいた保育士や(児童指導員)の助言や指導は児童の(人格)形成に有効に作用する。この(信頼関係)を確立するためには、一人一人の児童を(受容)し、共感関係を創出することである。

3、施設における児童の日常生活援助を展開するに当たり、保育士や(児童指導員)は、児童一人ひとりの抱える問題や障害、心身の成長状況に基づいた(一貫性)のある援助計画をたて、(個別的)・集団的・地域的に(援助)することが要求されている。そういった意味で、入所時点での援助計画はある一定期間ごとに援助成果を評価し、今後の援助方針を再検討する必要がある

第8章 施設養護における援助

1、施設における生活リズムと援助

ケースワークとグループワーク
・ケースワーク・・・問題を抱えている子どもに対して、専門的な立場から心理的・社会的に個別に援助すること。個別援助。
・グループワーク・・・集団の中で個人が自発的に行動し、社会的な適応を身につけていくことを専門家が援助すること。集団援助


1、生活日課
生活日課とは、子どもが朝、起床して、夜、就寝するまでの一日の生活プログラムを言う。この生活リズムは固定された不変的なものではなく、子どものQOL(クオリティ オブ ライフ)を考えた生活リズムで、変更可能な融通性のあるものであることが大切である

QOLの向上
QOLの向上は、入所児童と施設職員との共生やお互いに生きがいを持ち充実した日々を送ることに繋がる。


2、生活サイクル
施設における生活サイクルは、子どもの規律正しい生活習慣の形成と生活意欲の増進を図るため、日々の生活リズムに添って、週間、月間、年間という一定の節目を形作りに展開される。

2、衣食住の充足と基本的生活習慣の獲得
■身体的な養護・・・衣食住の基本的なニーズ
これが精神的にも安定を得ると同時に、一日の生活活動の基礎を築き、人格の形成にも大きな影響を与える

1、基本的生活習慣の獲得
食生活の基本は楽しい食事のあり方を工夫することから始まる。食事の内容はもちろん大事だが、生活を共にする子どもたちが、和気藹々とした雰囲気の中で楽しく食事をすることが基本となる。
成長を続けていくなかで、生活圏の拡大とともに、周囲の大人に批判の目を向けながらも、生活者としての人間観や価値観を培っていく。これが生活態度の確立と行動様式の習得に繋がる。

身辺自立が困難な子どもに対する指導
個別的配慮に基づいた処遇方針を立て、一貫性のある助言、指導が必要になる


2、ほめかた・叱り方の工夫

ほめることの意味
子どもは、ほめられることによって、身近にいる大人や子どもから受け入れられ、認められた喜びからくる自負心で、自信を持って行動が出来るようになり、生活態度も意欲的になる


罰は、約束事や生活上のルールを守れなかった時だけに与える。体罰を加えたり、食事を与えなかったり、遊び、親との面会、通信などを禁止したりしてはいけない。

3、心身の健康と性の理解
1、精神的健康
全面的介助を必要とする乳幼児や心身に障害のある子ども、ならびに母性的養育に欠ける子どもにマザーリングやスキンシップが与えられれば、子どもは依存心が満たされ、身体的・情緒的安定を得ることができる。

2、身体的健康
早寝、早起き、適度な運動、食前の手洗い、入浴、清潔な身だしなみを心がけることが、健康維持と増進に欠かせない態度であることを、子ども自身が自覚するように奨励したり援助したリする必要がある。
病気や異常が発見された場合は、看護師や医師に連絡を取り、具体的な指示を仰ぎ、必要に応じて診察、治療を受けさせるようにする。

3、性の理解と援助について
一般家庭となんらかわることがない。人間性尊厳の理念に基づき、子どもの心身の成長、発達段階に応じた自然な形で、正しい知識に基づき素直な態度で行う

4、レクリエーション活動
職員は、四季折々にあわせて、子どもの要望を組み込んだ、生活リズムに変化を与えるようなプログラムを、レクリエーション活動として展開することが望ましい。
例:キャンピング(キャンプ)

第7章 施設養護の基本原理

1、人権の擁護と個別化の原理
1、人権が守られるとは
■精神面
①容認の自覚・・・自分がみなから認められている
②善意への信頼・・・人から同情や哀れみでなく、暖かく見守られていて、人として同等に扱われ、感謝が出来る状態
③成長への期待・・・施設での生活に楽しみを持ち、将来の進路に夢を持ち、生きがいを求める

■物質面
①生命の保証・・・衣食住が整い、生命が維持できる
②健康の保持・・・入所前の生活から脱却し、健康的な生活を営める
③快適な環境の調整・・・快適な生活空間の保持について、細心の注意が払われ、居室や食堂が整備され、遊び場(娯楽室、運動場)図書室、学習室、作業室などが設置されている状態

2、個別化
・継続的なカウンセリングにより、心のふれあいを持つ
・特技の発見、趣味の開拓などを通して、素直な気持ちを表現させ、自分の個性に自覚を持たせ、自信のある生活を送らせる

子どもに心から生きがいを感じさせることが個別化の基本である。いかにして子ども一人一人のニーズを充足させるかが重要な課題である。

2、親子関係の調整
1、子が親を思う気持ち
・子の帰宅を快く思わない親・・・子どもが親を慕う気持ちを知らせ、我が子を思う心を持たせる
・帰るところのない苛立ちを持った子は、怒りを保育者に向けてくるのでゆとりを持った保育が重要

2、親が子を思う気持ち
特に障害児の親は、様々な困難を克服しながら成長を見守って行きたい気持ちが強い。子育て経験や得た知識の積み重ねがあるので、保育者に対して人間性と専門性を期待している。

3、社会参加の原理
1、家庭への復帰
保育者を中心とした日々の生活の中で、規律を守る態度や豊かな心が育成されるように導かれなければならない

2、施設内における社会参加の基盤
年齢差があっても部屋単位、もしくは施設内の生活の中で心が通じるものが出来てくることがある。血の繋がりがなくても大切に育てていくことが重要である。

3、地域社会への参加
気後れする子どもは出来るだけ地域のボランティア活動や行事に積極的に参加させ、地域の人々と普段から顔なじみにするなど、そのつきあいをごく自然のうちに定着させることが大切である。

4、職業社会への参加
将来の自立を考えると、基礎的職業訓練の機会を授けることも大事ですが、地域での実習の機会が持てることが望まれる。実習の場を広く開拓できるように行政や地域に働きかけていくことが望まれる

◇児童福祉法に規定されている14施設をあげなさい

①助産施設・・・・第一種助産施設(病院)、第二助産施設(助産所)
②乳児院(幼児を含む)
③母子生活支援施設(配偶者のいない女子及び監護する必要のある児童)
④保育所
⑤児童厚生施設(児童館、児童遊園)
⑥児童養護施設(乳児を除く、保護者のいない児童、虐待児など。場合によっては乳児も可)
⑦知的障害者施設・・・・大一種自閉症施設(病院)、第二種自閉症施設(病院以外)
⑧知的障害者通園施設
⑨盲ろうあ児施設・・・盲児施設、ろうあ児施設、難聴幼児通園施設
⑩肢体不自由児施設・・・肢体不自由児施設、肢体不自由児通園施設、肢体不自由児療護施設
⑪重症心身障害児施設
⑫情緒障害児短期治療施設
⑬児童自立支援施設(不良行為、虞犯少年(罪を犯す恐れのある児童))
⑭児童家庭支援センター

◇次の文の( )内に適当な語句、または数字を書きなさい

児童福祉法で言う「児童」とは、満(18  )才に満たないものをいい、さらに「児童」を「乳児」と「(幼児)」と「(少年)」に分けている。「乳児」とは満()才に満たないものをいい、( 少年)とは小学校就学のはじめから満(18)才に達するまでのものを言う

第6章 施設における児童擁護

1、施設擁護の意味
■施設擁護とは
①養育環境に問題のある子ども(ひとり親家庭、家庭崩壊、虐待、放任)
②心身に障害のある子ども
③情緒、行動に問題のある子ども

■形態
・入所型「助産施設」「乳児院」「児童養護施設」「母子生活支援施設」「知的障害児施設」「自閉症児施設」「盲ろうあ児施設」「肢体不自由児施設」「重症身体障害児施設」「情緒障害児短期治療施設」「児童自立支援施設」

・通所型「知的障害児通園施設」「難聴幼児通園施設」
・利用型「児童厚生施設」

2、施設擁護の特質
1、施設擁護の利点
①様々な行事など、集団で決定しなければならないことに参加することによって自分の役割を認識し、自分の存在価値を知る
②集団で生活を行うことで、規則や日課などを受け入れることが出来るようになる
③悩みを持っているのは自分だけではないと言う、自己の認知と他者の理解ができるようなる
④情緒的に混乱・動揺している子どもにとっては、集団生活に備わった生活の枠組みによって、日常生活の処理を容易にするとができる
⑤集団生活を通じて、適切な社会行動、自己抑制、自己表現などを身に着けるように出来る
⑥一人の訓練は退屈であるが、他の子どもと一緒に行うことによって楽しみが理解できるようになる

<グループダイナミクス>
複雑な相互関係作用によって成り立つグループの発展過程。発達や衰退の要因、種類、個人に与える影響、リーダーシップ、グループの問題解決などの事象を、実証的にかつ学術的に明らかにすること

2、施設擁護の問題点
①個々の子どもが持つ問題や性質を、保育者が把握することが困難である
②あらゆる活動を集団で行うことによって、個々の子どもの持つ特製にまで保育者の関心が行き届かない
③子どもの自由な時間の確保が困難である

施設擁護の特性
施設における養護では、実の親子における自然発生的な愛情関係の形成は難しい。しかし乳幼児期に必要なマザーリングが不十分であったり、母子分離の経験をしたことでパーソナリティにゆがみを持つ子どもにとっては、保育者の経験と技術を基礎としたさまざまな働きかけが、その養護と治療に、効果的に作用する


3、施設養護の機能
①生活指導と教育を通じて、情緒の安定と成長を図る機能
②心理的、精神的な治療の機能
③施設の社会的な機能

1、生活指導と教育の機能
・生活指導・・・彼ら自身の問題解決能力を高めていく

施設での生活指導は、施設の規則や約束事は最小限にとどめ、入所児童に自由な時間を与えること、自主性を尊重し、指示的にならず、情緒の安定を図り、心理面の成長を促進することが大事である



4、児童福祉施設(児童福祉法の14種の施設)
①助産施設・・・・第一種助産施設(病院)、第二助産施設(助産所)
②乳児院(幼児を含む)
③母子生活支援施設(配偶者のいない女子及び監護する必要のある児童)
④保育所
⑤児童厚生施設(児童館、児童遊園)
⑥児童養護施設(乳児を除く、保護者のいない児童、虐待児など。場合によっては乳児も可)
⑦知的障害者施設・・・・大一種自閉症施設(病院)、第二種自閉症施設(病院以外)
⑧知的障害者通園施設
⑨盲ろうあ児施設・・・盲児施設、ろうあ児施設、難聴幼児通園施設
⑩肢体不自由児施設・・・肢体不自由児施設、肢体不自由児通園施設、肢体不自由児療護施設
⑪重症心身障害児施設
⑫情緒障害児短期治療施設
⑬児童自立支援施設(不良行為、虞犯少年(罪を犯す恐れのある児童))
⑭児童家庭支援センター
児童に関する家庭その他の相談のうち、専門的な知識及び技術を必要とするものに応じ、必要な助言を行うとともに、市町村の求めに応じ、技術的助言その他の援助を行う

第7章 現代社会における健康問題の多様化

1、ライフスタイルの変化と疾病像の転換
(1)ライフスタイルの定義
社会学者であるマックス・ウェーバーはライフスタイルを「健康生活における一定のパターン」と定義した(身分集団における価値観の表明)
その後、社会学で「生活における選択的行動の固有性」「人生の目的を達成するための無意識な信念体系とそれに基づいて取られた行動の特徴」といったように、個人の価値観や生活目標によって規定される生活の選好形態と考えられるようになった。

■保健医療でのライフスタイル
食生活・運動・休養・飲酒・喫煙習慣・清潔・整容

■プレスローの「7つの健康習慣」
7~8時間睡眠
朝食摂取
適正体重
非間食
非喫煙
適量飲酒
定期的運動


(2)ライフスタイルの社会的変容
ライフスタイルは、個人の価値観を強く反映するが、他方で歴史や文化の流れに規定される。
■西洋の場合
イギリスの産業革命移行の急速な変化。蒸気機関車の発明からくる工業化、対外経済の発展によって約束する社会動向、消費を中心とした生活。

■日本の場合
明治期の工業化政策に大正デモクラシー、消費生活を象徴する都市的な生活様式の反面、農業は貧しい生活を高度経済成長の1960年代ごろまで強いられた。

■アメリカの場合
食生活におけるエネルギーの過剰摂取や脂肪摂取の過多、日常生活における運動量の減少など健康に大きな影響を与える要因として作用している

(3)「健康転換」の構図

ライフスタイルと疾病像の特徴
1、健康転換第一相(20c半ば)
生産力中心の勤勉型・消耗型ライフスタイル・・・感染症、栄養不良、進行性病変の悪化

2、健康転換期第二相(20c末)
消費中心の豊かなライフスタイル・・・生活習慣病、ガンの発見、治療

3、健康転換第三相(20c後半から21c)
豊かさから混迷を伴うライフスタイル・・・老化、退行性病変、難治ガン、振興感染症、精神的疾患


2、疾病の地域的格差・階層間格差
(1)健康の地域間格差の要因
1、政治・社会の安定性
2、国家・国民の経済力
3、階層間の貧富の差
4、自然環境
5、教育、文化の水準
6、その他(宗教、信仰、慣習)

(2)平均寿命からみた健康の地域格差
日本と巣エー電は男女とも平均寿命の最高水準にある。アメリカが日本に及ばないのは階級差に夜と考えられ、ロシアは男性が女性に比べて著しく平均寿命が短く、ナイジェリアは男女とも先進国に比べて平均寿命が短い

(3)乳児死亡率からみた健康の地域間格差
日本とスエーデンが世界で最も低い乳児死亡率(生後一歳未満)を示し、アメリカは日本の二倍。中進国や開発途上国では高い。

(4)健康の階層的格差
国内総生産(GDP)の高い日本やカナダ、アメリカは一様に乳児死亡率が低く、GDPの低いフィリピンやネパールは乳児死亡率が高い。

健康像の特徴の各国比較
■先進国
低い乳児死亡率→→高い平均寿命
生活習慣病と老化→→高い医療水準

■開発途上国
高い乳児死亡率→→低い平均寿命
感染症と低栄養→→低い医療水準


3、科学技術の進歩に伴う健康問題
(1)水俣病を通してみる科学技術と疾病
1056年 熊本県水俣市を中心に原因不明の中枢神経障害が多発(「水俣病」と呼ばれる熊本大学医学部が新日本窒素(後のチッソ)水俣工場の排水が疑われると指摘。この工場は当時現代社会の利便性を高める上で欠かせない製品を製造していた

1959年 排水中のメチル水銀が原因と結論づけられる。しかし工場は水銀の排水を否定

1968年 政府がやっと水俣病はメチル水銀化合物が原因と公式見解を出す。
この認定の遅れにより被害が拡大したことは否めない。水俣病は私たちの生活を向上させるために開発された科学技術によってもたらされた。科学技術を開発し、利用するものの思想と倫理が激しく問われる。

(2)科学技術の光と影(サリドマイドを例に)
1959年 当時は安全な睡眠薬として販売されたが、妊娠初期に服用すると催奇形性がある。諸外国が回収したにも関わらず、日本では6ヶ月も販売されていた。

■他の薬害問題
・抗マラリア薬クロロキン・・・慢性腎炎、関節リウマチ、てんかんなど根拠に乏しい適応拡大と長期服用によって、視野の中心部しか見えない網膜症を併発する
・整腸剤キノホルム・・・亜急性・脊髄・視神経・末梢神経障害(スモン病)
・血液製剤・・・HIV
リスクが認識されても、経済的事情や政治的事情などを優先して適切な措置をとらなかったことが被害を拡大した。

しかし、一面で別の医療効果を持っていることがある。危険な薬とされていたサリドマイドが自己免疫疾患に有効であると指摘され、抗がん剤に注目されてきた。多くの子どもたちの四肢発育を妨げた薬ががん細胞の抑制に繋がる面を持つ。

■化学技術と健康課題の関係 1
科学の進歩→→高度な医療技術・薬剤
   ↑             ↓
その解決       健康課題の改善
   ↑             ↓
新たな健康の問題←←その技術の対象外


■科学技術と健康問題の関係 2
1、新興感染症・再興感染症・・・・・薬品開発、交通の発展
2、医療過誤・医原性疾患・・・・・医療技術の開発
3、環境の変化による疾患・・・・・人工環境の普及
4、社会的・心理的ストレス・・・・・複雑な人間関係と「こころ」の不安定

第5章 児童養護の体系

1、家庭養護と社会的養護
■子どもの育成の責任
①私的責任の段階
保護者による養育が可能である段階
②社会的援助の段階
保護者や住民や地域の社会資源による援助が必要な段階
児童福祉の機能・・・増進、予防、支援
③公的責任の段階
私的責任や公的援助では無理で、国や地方公共団体の施策が必要な段階。
児童福祉の機能・・・保管、代替機能

2、社会的養護の体系
■家庭的養護
(1)里親制度
「児童福祉法」で規定される制度。里親は、養育里親及び要保護児童を養育することを希望するもので、都道府県知事が児童を委託するものとして適当と認めたものを言う。

両親の養育拒否や行方不明、離婚などの理由によって家庭での養育の欠ける子どもに、愛情と理解のある家庭を与え、両親に代わって養育、保護し養育することを保障する制度


①養育里親・・・要保護児童を養育する里親として研修を受け認定を受けたもの
②親族里親・・・児童が里親の三頭身以内の親族であり、児童を監視すべき両親等が死亡等で養育できなくなった場合に認定をうける
③短期里親・・・1年の期間を決めて、児童を養育する
④専門里親・・・2年以内の期間を決めて、児童虐待等の行為により、心身に有害な影響を受けた児童を養育する
(ア)養育里親として3年以上の委託経験を持つ
(イ)3年以上児童福祉事業に従事したもので、都道府県知事が認めたもの
(ウ)知事が(ア)(イ)と同等以上の能力を持つと判断し、専門里親研修の過程を終了しているもの

■里親の必要要件
・心身ともに健康であること
・児童の養育に理解と熱意を持ち、児童に愛情を有していること
・経済的に困窮していないこと
・虐待などの問題がないこと
・「児童福祉法」「児童買春、児童ポルノにかかる行為」の罰金以上の刑に処されたことがないこと

■里親の養育に関する最低基準
①養育の一般原則
②児童を平等に養育する原則
③虐待等の防止
④教育
⑤健康管理
⑥衛生管理
⑦養育計画のせん守
⑧秘密保持
⑨記録の整備
⑩苦情への対応

(2)里親が行う職業指導
保護受託者による職業指導が廃止され、2005年から里親による職業指導が実施されている

■職業指導とは
児童の自立を支援することを目的とし、勤労の基準的な能力及び態度を育てること(里親との雇用関係は存在しない)

■職業指導を行う里親の要件
①指導にかかる職業について相当程度の経験を有していること
②指導にかかる職業及び職場が、児童の福祉の増進を図る観点から適当であり、児童の自立に資するものであること

■職業指導の要件
①1日8時間以上、週40時間以上を越えない
②重量物を取り扱う作業や、有害物を取り扱う作業に従事させない
児童に仕事につく能力が身についたときに、職業指導は終了するが、里親委託が継続できる年齢ならそのまま継続することも可能である

里親
要保護児童を養育することを希望するものであって、都道府県知事が、適当と認めるものを言う


(3)養子縁組制度
保護者のない子ども、家庭に恵まれない子どもに家庭の暖かさと法的安定性を与えることにより、子どもの健全な育成を図る制度。児童相談所所長が調査、認定を行う。
■普通養子
戸籍上は夫婦の養子であると明記され、協議によって離縁可能な制度。当事者同士の合意で成立する
■特別養子
実子として戸籍謄本に記載され、養子であることや実父母の名前は記載されない。家裁に申し立てをし、6ヶ月の観察期間ののち審判により決定される

(4)ファミリーグループホーム

■ファミリーホーム・・・里親が5~6人の子どもを一般家庭の中で養育する
■グループホーム・・・児童養護施設本園とは別の独立した家屋で、5~6人の子どもを児童福祉の専門員が養育する
■小規模グループケア・・・要保護児童の養育に関して相当な経験を有するもの(里親を除く)の住居において養育を行うもので、2008年「児童福祉法」の改正により創設された


◇次の文の( )の中に適当な語句書きなさい

「 児童の権利に関する条約 」は、1989年に( 国連総会で採択 )されました。
この条約は、従来の子どもは「 保護される存在 」と言う児童観から一歩踏み出し、権利行使の「主体者  」としての子どもを宣言しました。

第1条では、児童を「( 18歳未満 )の全てのものを言う」と規定し、第2条「一切の(  差別)の禁止」、第3条「児童の( 最善 )の利益」、第6条「生命の権利、生存、(発達  )の確保」、第9条「親からの( 分離 )禁止と分離のための手続き、第12条「意見( 表明権 )」、第25条「医療施設などに措置された児童の定期的(  審査)」などが規定されています。

第4章 児童養護の意義

1、児童養護を考える
養護が実践的な概念であるとされるのは、実際に援助する側(大人)とされる側(子ども)との対人関係を通して、活動が展開され、その関係のあり方が問われるものであるからである。最も重要なのは、養護に対する理論であり、子どもへの援助の方法、内容、姿勢である。

2、子どもの特性とその権利
1、子どもの特性と児童養護
①子どもは日々成長する存在であるので、発達段階に応じて適当な環境を与える必要がある
②社会的に自立していない存在である
③自分の考えや感じたことを言葉で表現する力が弱い存在である

児童養護の意味
児童養護は、子どもの特性に配慮して、社会の責任において行われる実践活動である。その意味では、養護すると言うことは、子供を大人の責任や社会の責任において養育すること、保護することであり、広い意味での教育することをも含む



2、子どものニーズとその保障
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(上に行くほど高次)


3、権利の主体としての子ども
子どもの持つ基本的人権・・・生存権、生活権、発達権

1959年:児童権利宣言・・・子どもは権利の主体であり、権利を享受するものであるが、権利を行使する主体は親や保護者であった。
1989年:子どもの権利に関する条約・・・子どもみずから権利を行使する主体であると明確にされる(法的拘束力がある)

児童の権利に関する条約
子どもは、成長し発達する途上にある人間であり、最善の利益が保証される存在であると同時に、社会の中の個人として権利を行使する主体として、関係した制度や施策、その処遇の決定などに参加していく存在であることを規定している


◇1950年代に養護施設や乳児院の関係者で施設児童の特徴としての「心身の発達の遅れ」「対人関係の障害」について行われた論争はなにか

答え:ホスピタリズム論争

◇次にあげる人物と関連の深い事項を下記の語群から選び記号で答えよ

①石井十次  ②留岡幸助  ③野口幽香  ④石井亮一  ⑤脇田良吉

<語群>
ア、森鳥峰  イ、岡山孤児院  ウ、家庭学校  エ、白川学園  オ、滝乃川学園
カ、赤沢鐘美

答え:イ、 ウ、 ア  オ  エ

第3章 施設養護の歴史

1、わが国の施設養護の歴史
1岡山孤児院と石井十次
1887年日露戦争や飢饉などで孤児になった子どもの養護を目指す。
後に宮崎に里親村を設立、セツルメント活動(知識人や学生、宗教家たちが、スラム街などの貧しい地域へ移住し、生活に困っている人々を教育したり、自立するための手助けをすること)に取り組んだ

2、家庭学校と留岡幸助
1889年、少年の更生に限界を感じ、少年の感化を目指した。
1914年、北海道家庭学校を設立

3第二次世界大戦と児童好く司法の制定
1947年「児童福祉法」を制定

◆わが国初の知的障害者施設
石井亮一の滝野川学園

2、ボウルビィとホスピタリズム論争
施設で育った子どもの心身の発達に何らかの障害が現れるというホスピタリズムを1951年、ボウルビィが報告し、論争に。
・身体的発達の遅れ
・指しゃぶり
・無表情
・心身の発達の異常
これを防ぐために、子どもとのふれあいを密接にすることが効果的と論じる。

ホスピタリズムの原因と防止策
原因・・・母性的養育の喪失(母性剥奪)
防止策・・・職員の増員、施設の小規模化、母性的な接触の重視、ケースワーク(個別援助技術)、グループワーク(集団援助技術)


第2章 子どもの抱える問題

1、子どもの発達と環境

児童憲章昭和二十六年五月五日
われらは、日本国憲法の精神にしたがい、児童に対する正しい観念を確立し、すべての児童の幸福をはかるために、この憲章を定める。
児童は、人として尊ばれる。
児童は、社会の一員として重んぜられる。
児童は、よい環境の中で育てられる。


子どもの心身の発達に深い影響を与えるのは、家庭環境と社会環境である

2、家庭環境と児童養護
1、家庭環境の重要性

児童養護におかる家庭環境の重要性
「児童権利宣言」で「社会及び公の機関は、家庭のない児童及び適当な生活維持のない子どもに対して特別の養護を与える義務を有する」とある。
「児童憲章」では、「全ての児童は、家庭で、正しい市場と知識と技術を持って育てられ、家庭に恵まれない児童には、それに代わる環境が与えられる」としている



2、子どもと家庭環境
青少年の非行問題や情緒障害の問題においても、それらの原因のひとつとして、家庭での乳幼児期における養育上の問題(人間関係)があると考えられる

■養育上の問題
①保護者の失業、貧困、病気、死亡などで、、保護者からの充分な養護が受けられない
②保護者の離婚、別居、蒸発など、保護者が家庭を顧みず、保護者からの養護が受けられない
③保護者の就労または疾病などにより、保護者からの保育が受けられない
④保護者の不適切な養護としつけなどにより、子どもの健全な成長・発達がゆがめられる

・養護・・・児童福祉においては、子どもの健全な発育のために日常生活の基本的なニーズを満たしながら、一人一人に対応して家庭や施設で行われる訓練治療を言う。
・保育・・・乳幼児を対象にした養護、教育を言う
・監護・・・民法の親権規定により、こどもを監督、保護、教育することを言う。要保護児童に対しては施設長などが「児童福祉法」によって親権を代行する


■児童虐待の防止などに関する法律 2000年
①身体的な暴力
②わいせつな行為
③養育の放棄、怠慢(ネグレクト)
④心理的な外傷を与える言動
の4項目にわたって定義する



3、子どもと社会環境
①大気汚染公害による子どもの慢性気管支喘息
②交通量増加による交通事故、後遺症から来る心身障害、交通遺児
③自然破壊、地域開発による環境悪化と遊び場の喪失
④保護者の就労から来る監護、保育問題や離婚、棄児、放任、虐待、殺人
⑤核家族化現象による都市の住宅の狭さ
⑥盛り場に出入りする青少年の非行問題

4、社会的養護としての施設養護

施設養護の目的
施設養護の目的は、保護、養育、保育、健全育成、養護、療育、治療、生活指導など、対象児童や施設によって多種多様である。これは、施設養護が身体的、精神的養護のみでなく、リハビリ、社会的自立への援助指導を積極的に行っていくことに重点を置いているためである


第1章 健全な児童育成とは

1、子どもの健全育成のための条件
1947年「児童福祉法」
「子どもが心身ともに健やかに生まれるよう母子保健の徹底を図るとともに、子どもの生活の場として家庭及び地域社会においても、子どもが健全に育成されるよう、子どもに対する個別的・集団的な指導や、家庭の健全化、子どもの生活環境の整備が必要である」と解釈することが出来る

2、子どもと家庭を取り巻く環境の変化
■出生率の低下と少子化
2006年に1,32で2005年の1,26より上回ったものの、人口を維持できる2,07には程遠い。

合計特殊出生率
合計特殊出生率は、女性が一生の間に生む子どもの数の平均を示すものである



■少子化の原因と背景
①女性の社会進出とそれによる子育てと仕事の両立の難しさ
②育児の心理的、肉体的負担増
③住宅事情と出生動向
④教育費などの子育てコストの増大

少子化の原因
晩婚化、未婚化
女性の社会進出と、どれによる子育てと仕事の両立の難しさ、育児の心理的・肉体的負担増、住宅事情、教育費の子育てコストの増大などが考えられる



■社会環境の変化
上記以外に
・核家族化
・都市化
・受験戦争の激化
・子どもの遊び場、自然の減少
・地域コミュニティの弱体化

・女性の社会進出における母子接触時間の減少
・父親の長時間労働や通勤時間の長時間化
・父親の単身赴任などによる存在感の希薄さ

■子どもが自由かつ主体的に遊べる場
三間・・・時間、空間、仲間

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Mikami Kako

Author:Mikami Kako

おことわり

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