図書館資料論レポート

「図書館の館種と資料の選択」についてまとめ、私見を加えてください

図書館の館種は、サービス対象や設置主体によって「公共図書館」「大学図書館」「学校図書館」(小・中・高)「専門図書館」「国立図書館」などに分けられる。また、サービス対象が異なるとともに、収集対象となる資料も異なっている。

1.公共図書館の場合
 図書館法における公共図書館の目的は、「教養、調査研究、レクリエーション等に資することを目的とする施設である」と定義されている。ただ、この文面の中で「等」と言う語句が使われていることは、内容に幅を持たせた表現であるが、資料選択においては必ずしも喜ばしいことではない。なぜなら、それは資料選択に対する考え方を明確にしにくくなっている原因のひとつである。この不明瞭な部分を、予算の配分を考えた上でどのように判断するかが図書館員に求められている。

また、利用者には図書館で情報を得る権利があるというものの、完全にそれが保証されてるとは言いがたい。理由は、身近な図書館に利用者が欲する資料がすべて常備されているとは考えにくいこと、また、ベストセラーなど特定の図書に注目が集まることは多々あるからである。

このような場合、図書館員は貸出日の短縮や、同じ資料を複数用意するなどの配慮が求められる。これは、資料を選択すると言う行為自体が、資料の要求に優先順位をつけていることに注意すべきである。

2.大学図書館の場合
大学図書館は、小・中・高の学校図書館と同じく学生対象の図書館である。しかし、大学図書館が学校図書館と別に論じられるのは、学術研究機関としての研究情報のための図書館という側面も持つからである。

3.学校図書館の場合
小・中・高の学校図書館は、常に教育活動の中に存在し、児童・生徒の成長につながるものでなければならない。

4.専門図書館
 特定分野の情報について、公的文書、新聞、雑誌、書籍などを収集管理し、その研究機関、企業、団体内の専門家や、学術情報にかかわる会員の用に供する施設

5.国会図書館
 日本の国会議員の調査研究、行政、ならびに日本国民のために奉仕を提供する図書館である。また、納本制度に基づいて、日本国内で出版されたすべての出版物を収集・保存する日本唯一の法定納本図書館である。

図書館での資料選択を検討するプロセスは、館種によって様々である。そこで私は、その中の大学図書館について述べることにする。

大学図書館における資料選択のプロセスについては、主に学生サービスと教員向けサービスがある。学生向けサービスは「学部・学科の構成」「カリキュラム内容」「学生の理解の水準」「学生の興味・関心のある分野」などが考慮され、教員向けサービスには、教員の研究領域」「教員の研究動向」が重要視されている、と、テキストに書かれている。しかし、最近はそれに加え、地域住民向けのサービスも行われるようになってきた。その大きな理由としては、生涯学習政策があげられる。

平成20年、中央教育審議会は「新しい時代を切り拓く生涯学習の振興方策についてという答申を出した。この答申に基づいて、大学は施設を利用した公開講座を多数開講するようになった。それに伴い、今まで学内の学生のみを対象にしていた大学図書館が、公開講座に参加する社会人にも対象枠を広げるようになった。

しかし、答申以前から大阪には社会人に開かれた大学図書館がある。それは、大阪教育大学天王寺キャンパス内にある天王寺分館である。大阪教育大学天王寺キャンパスは、国内唯一の教員養成の夜間学部を持ち、社会人向けの夜間大学院がある。また、同じ敷地内には放送大学大阪センターがある。このように学内の学生のほとんどが社会人であると言う、特殊な性格を持っていることから、必然的に社会人の利用が多くなる。

また、大阪教育大学天王寺キャンパスは、大阪市内の主要ターミナルから徒歩圏域にあるという恵まれた立地条件から、教育大学生・放送大学生以外の地域住民にも広く利用されている。

このような理由から天王寺分館は、教員養成大学の付属図書館と言う、元は限られた領域の大学図書館であるにもかかわらず、図書資料のジャンルは多岐にわたり、利用者の図書購入の要望も多い。また、最近は図書館で調べ物をしたり情報を得たりするのではなく、新聞を読んだり視聴覚教材(DVD)を見たりと、余暇の過ごし方のひとつとして図書館を利用する人が増えたと聞いた。そこで天王寺分館は一昨年大幅にリニューアルし、入り口に円形のソファーを設置した。そこで壁面の棚にある新聞を利用者にゆったりと読んでもらうためである。また、別の壁面の棚にはブルーバックス本のシリーズを設置した。これは内容がやや難しいものも読みやすく書き直されている図書である。このように、天王寺分館は、常に大学図書館でありながら社会人に常に目を向けている珍しい大学図書館である。

提出回数:1
担当講師のコメント:設題に対して基本的な事柄の理解はよくできています。図書館の館種は5種に類別され、それぞれは設置の目的やサービスの対象が異なる。そのため各図書館では利用者の要求に対応し得る有効な資料の選択・収集の合理的システムを構築して運用・実施にあたる必要があるでしょう。

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生涯学習概論レポート

生涯学習振興のための、公的社会教育施設の種類と、その役割について説明してください

生涯学習振興のための公的社会教育施設は、教育委員会部局と首長部局の2系統に分けられる。

まず、教育委員会部局では、①生涯学習情報センター ②社会教育会館 ③公民館 ④図書館 ⑤博物館 ⑥美術館 ⑦視聴覚ライブラリー ⑧少年自然の家 ⑨青年の家 ⑩青年館 ⑪体育館 ⑫スポーツ施設 ⑬幼小中高等学校施設などがある。

次に、首長部局では、①保育園 ②児童館 ③青年センター ④ユースホステル ⑤婦人情報センター ⑥障がい者福祉会館 ⑦障がい者スポーツ会館 ⑧老人福祉会館 ⑨ボランティアセンター ⑩職業訓練校 ⑪勤労福祉会館 ⑫青少年センター ⑬自然公園ビジターセンター ⑭動物園 ⑮市民会館など多数ある。

これらの施設は、相互に連携を持ち、オンラインシステムによって学習情報や施設情報などの相互提供を可能にし、住民の生涯学習に対する要望に応えなければならない。そのためのネットワークの中心にあるのが、生涯学習センターである。また、その中で特に中心的な施設は、公民館、図書館、博物館である。

わが国の社会教育は、図書館、博物館の整備から始まった。この2施設を中心とした考え方は戦後も引き継がれ、のちに社会教育の中心施設として公民館が設置された。公民館は現在、全国に17,000館の施設が整備されている。
法律面からみると、教育基本法には、図書館、博物館、公民館等を設置して、教育の目的の実現に努めなければならないと定められている。それに加え、社会教育法においても、社会教育を奨励するうえで社会教育施設の設置・運営が重要であることを明記している。これらの諸法を根拠にして、公民館をはじめ各施設の整備が促進されてきた。

しかし、1980年代から1990年代にかけては、社会教育とそれをめぐる環境が大きく変化し、戦後40年にわたって継続されてきた社会教育行政が、生涯学習社会への移行という転換を余儀なくされた。社会教育の中心である公民館は、1990年の生涯教育振興法成立と施行に伴い、それまでは教育委員会の専権領域であった社会教育の領域に、首長部局が中核組織の役割を帯びて参加してくることも促したのである。

その結果、主要交通機関の駅前に首長部局の所轄におけるコミュニティセンターが設置され、民間団体に運営の一部を委ねつつ、民間教育産業による教育ソフトが提供されるなど、民間活力の比重を一段と高めた生涯学習活動が展開され始め、これらは現在もなお発展的に継続している。こうした状況が、行政による社会教育の推進と生涯学習者支援を支持する立場からの強い批判の対象ともなっている。各地でいわゆる「公民館対コミセン」と言われる対抗関係が生じているのも、そうした背景によるものだと考えられる。また、公民館の公費を使う事業がコミセン等と同費ならば、行政施策として不必要であるとの意見もある。

これからの公民館は、学習内容の充実はもとより、その体系化を図り、人びとの多様で高度な学習要望に応える必要がある。公民館は今、新時代にふさわしい生涯学習施設として重要な位置にあるといえる。

図書館(この場合は公共図書館)は、①社会の中において生涯学習効果を高める②教養を高め人格形成に役立てる③情報提供により豊かな社会生活を図る④豊かな生活空間を実現するなどを目的とする施設である。また、公共図書館の意義は①地域住民すべてに対してサービスを提供する②無料公開する③地域社会の住民に対して生涯学習の場を提供する④文化的資料を通して健全な青少年を育成する⑤文化的レクリエーションの場を提供する⑥地域の情報センター的機能を果たすなどがある。

しかし、社会教育施設のなかでは早くから設置された施設であるにも関わらず、その設置数は公民館の10分の1しかない。これでは、文化国家を標榜する我が国にしては、余りにも貧弱である。図書館の持つ当面の課題は、施設の整備を急ぐことにある。なぜなら、図書館は生涯学習社会で学習を継続するのに必要な学習情報を収集して、学習者に提供するという業務を行う、いわば生涯学習提供事業そのものだからである。
博物館は、社会教育施設の中でも専門性が明確になっている施設である。機能は、資料の収集・保管、展示、調査研究があげられる。

また、科学博物館、美術博物館、歴史博物館など、それぞれの施設がその物性のもとに、収蔵する実物資料に基づいて各種の専門講座なども開催されている。
ただし、我が国の国立博物館は社会教育施設というより文化施設として設置された面があり、収集展示資料の面からも文化政策の対象として位置づけられてきた。しかし、文化芸術振興基本法では、博物館も地域住民に対して鑑賞機会を確保する場所としてとらえられており、生涯学習における社会教育施設と考えてよい。


参考文献
「生涯学習論 - 生涯学習社会の展望 - 」(放送大学教育振興会、2002年)
「文化政策の展開 – 芸術文化の振興と文化財の保護 - 」(放送大学教育振興会、2007年)

提出回数:1
担当講師のコメント:教育基本法は平成18年に全文が改正されました


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Mikami Kako

Author:Mikami Kako

おことわり

保育士・図書館司書に関しては、旧システムによるものなので、現在のもの科目編成や内容にずれがあります。放大についても閉講科目が含まれます

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