情報サービス概説レポート

レファレンスサービスにおける保守理論と自由理論を述べた後、図書館利用教育との関連性に言及し、図書館利用教育の必要性を論じよ

レファレンス業務の保守理論とは、最初にアメリカのチャイルドが論文で定義した。
 
チャイルドの言うところのレファレンスとは
1利用者教育的機能
2利用者と資料の媒体的機能
であるといい、情報を直接提供する事を否定している。
 
その後この理論は、「公共図書館は税金で運営されているから、研究者の利益になるもの以外は提供してもよい」というメルビル・デューイや、情報が引き出せるように、資料の使い方を質問者に教えるべきだというダナの説もある。
 
最終的にこの理論は、「なんらかの調査に従事している利用者に対して与えられる援助が、いわゆるレファレンス業務である」とビショップが定義した。彼は、図書館業務と利用者の立場を明確に区別したことで、保守理論の集大成と言われる。

保守理論は簡単に要約すると
1回答や情報そのものの提供を否定する
2教育的機能(指導的機能)を重視する
3媒体的機能を重視するため図書館的技術や知識の経験を重視する
という理論である。

それに対し、ワイヤーは「利用者が求めているのは、サービスであって示唆ではない」と反論し、レファレンス業務の自由理論を提唱した。

その後、ロースティンが「情報を入手する方法を学ぶことより、情報そのものを手に入れる事のほうがより重要である」と主張し、ワイヤーの理論を発展させた。

レファレンス業務の自由理論とは
1.図書館員の専門性を尊重し、信頼と言う前提の基で、情報を直接提供する
2.研究者は、情報の入手こそが一番重要であることから、十分配慮して提供する
3.提供される情報が適切でなければならないという観点から、主題専門家としての存在が必要であるという3つの特徴がある。

現在は、保守理論と自由理論の両方が混合した形で行われている。教育機関の図書館では、教育という観点から、利用者の自立促進のために保守理論を取りいれる部分と、情報を迅速に提供する自由理論を質問の種類によって使い分けている。小さな図書館では、ただ、小さな図書館では自由理論を取り入れたくても人手不足のため思うように出来ず、保守理論に傾いてしまうばあいもある。

では、具体的にレファレンスとはどのようにあるべきなのか。これについては、利用教育があげられる。小さな図書館では、質問処理という形で図書館の利用法や文献調査法を指導しているが、多くの利用者を一対一で相手にしていては能率が悪い。特に最近は、CD-ROMやオンラインサービスが盛んになり、集団指導しなければ図書館サービスを果たせない状況になっている。レファレンス業務には、利用者を自立させる働きがあるが、厳しい情報環境の変化についていくには、もっと効率の良い活動を展開しなければならない。

こうした意味から、利用教育はレファレンスサービスにはもはや欠かせないと言える。

では、利用教育がなぜ必要かというと、まず、現在の社会が情報化社会であるということが言える。「情報を制する者は社会を制する」と言われるほどいかに適切な情報を早く効率的に入手するかということが重要であり、またこれは情報化社会を生き抜く秘訣でもある。図書館の利用教育は、氾濫した情報をやみくもに探すのではなく、一定の探索法にて効果的に調査することにある。特に大学生の論文作成時においては重要な点である。
論文作成について書かれている「知の技法」という有名な図書には、論文を書くにはその材料が必要であると記され、調査・資料収集の必要性が述べられている。その中でも先行研究の文献調査と文献読解が最も重要だと書かれ、3つのポイントが記されている。文献探索、文献リスト作成、読書ノート・読書カードである。
この中で、最初に示されている文献探索が、大学生には特に重要である。学生が適切な文献を手に入れることが出来ないと、その後に続くリストやノート・カードといった二次資料の作成は無意味なものになってしまうこともあるからである。
しかし、大学では、指導前に参加学生に文献調査法を教わった経験のあるものを聞いてみると、ほとんどの学生が経験がないと答える。もともと義務教育のレベルからこういう教育はなされるものであるが、されていないのは、日本のブラックボックスである。
それに伴い大阪教育大学においても、新入生を対象に図書館ツアーやOPACを使った文献検索法を教える講座を定期的に開講し、パソコンが多数設置されている部屋でパワーポイントを使った利用教育がなされている。
このように、今後はますますインターネット環境を中心にした利用が盛んになっていくことであろう。しかし、こうしたコンピューターを介したネットワーク時代での利用教育は、もはや図書館だけで到底間に合うものではない。図書館での利用教育は、今後相当な改革を迫られることになるだろう。今後の状況を予測し。計画していく必要がある。

参考文献
・小林康夫・船曳建夫『知の技法』(東京大学教養学部「基礎演習」テキスト 1994年)216頁

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担当講師のコメント:学習理解はよくできています

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